■「かなしい」を「かなしい」と言うだだけでは足りなくて―『百人一首という感情』
私は、人生の半分以上を受験国語のプロとして過ごしています。また、20代の頃は大学院で平安時代の物語の研究もやっていました。が、そのなかで驚くほど苦手にしていたものがあります。それが「和歌」です。
これまでずっと「和歌」の面白さが理解できず。学部生時代も授業中にずっと『源氏物語』を読んでいるような学生でしたが、和歌が出てくるとフツーに飛ばして読んでいました(そして、師匠に怒られていました)。
あるいは、高校時代。「百人一首を定期テストの範囲にするから、1~50まで暗記して自