韓国ドラマレビュー#19『あなたに似た人』堂々巡りの愛憎劇
今回のドラマは『あなたに似た人』。大好きな『賢い医師生活』にギョウル役で出演していたシン・ヒョンビンちゃんが出るというので、楽しみにしていた。
ドラマ『マイン』のような感じかと思ったら、もっとじわじわ陰湿。救いがない。こういうの久しぶりに見た。軽くネタバレするかもしれないので、未視聴の方はご注意を。
どんなドラマ?
富と名声を手にし、誰もが羨むような生活を送る画家、チョン・ヒジュ。娘が教室で暴力をふるわれたことを受け、怒り心頭のまま問題の教師と対面する。その教師は、かつての知り合いによく似ていて...。
癒し★
スピード感★
湿度★★★★★★★
おしゃれなドロドロ
簡単に言ってしまえば、不倫のドロドロ話なのだが、ストーリーの進み方がゆっくり。2話くらいで大体の内容は掴めてしまったので、これからどう展開していくのかと期待していたけど、それ以上でも以下でもなかった。
記憶喪失という、驚くほど王道な設定に気づかないくらい、映像やOSTはとてもおしゃれ!
それにしてもこんなに誰にも共感できないのは、珍しい。どの登場人物にも感情移入できなくて、でもだからこそ、俯瞰的に見ることができた。傷つけ合うことしかできない相手とは離れて、大事にしてくれる人といればいいのに。そんなことを考えながら見ていたけれど、「執着」それこそがテーマだったのかもしれない。
執着と許し
タイトルの「あなたに似た人」とは、「今向かい合っているあなたは、あなたに似ているけれど別人なのだ」ということを示唆していたように感じた。
彼らは誰もが誰かに執着し、別人になってしまった。
不倫した妻を(表面上は)許して離さない夫
不倫した夫を許さず離さない妻
何もかも自分のコントロール下にないと気のすまない母
家庭があってもいい、と諦めない男
誰も彼も、「その人でないといけない」理由なんてないように見える。一度ついた嘘は嘘を重ねて大きくなって、取り返しがつかない。愛だったはずのものが憎しみに変わる。別れ方はとても大事だ。一方が全く納得いっていないと後から大変なことになる。
もうここまでくると許すのは相手ではなく、自分だ。その人を選んだ自分を許せるかどうか。自分の間違いを認めて、許す。そしてやっと執着をやめることができる。
まとめ
女性ひとりであのスーツケース?を運ぶのは大変では…というツッコミは、ソ・ウジェ役のキム・ジェヨンさんを見つけたから、忘れよう。
このドラマではほぼ無表情だったけど、顔をくしゃくしゃにして笑ってる役とか見てみたい。