小さな存在の大きさを感じる映画『ベイビー・ブローカー』

『ベイビー・ブローカー』を観てきた。

ちなみに原題は『ブローカー』。日本版にだけベイビーを付け加えたのはどういう意図なんだろうか。…なんていつもの文句は置いておいて、はじめましょう。ネタバレしたくない方はご注意を。

好き度:★★★★☆

つらつらと感想

ラストはうまくまとまり過ぎでは?という気もした。ただし、擬似家族の絆が芽生えていく過程は好きだった。

この映画は子を捨てた母親ソヨン(イ・ジウン)と、その赤ちゃんを不正に売るブローカー(ソン・ガンホ)、ドンス(カン・ドンウォン)が里親探しに奔走する話である。

日本にもある「赤ちゃんポスト」であるが、韓国にもベイビーボックスという名であるそうだ。

印象に残ったのは、「あなたのような人にもっと早く出会えていたら」というソヨンのセリフだ。

子どもを捨てる母親は悪いのか?母親だけが責められるべきか?そもそも父親は?日本ではそういう議論になりがちであるように思う。誰を責めるべきかではなく、どうしてそんな事態になるのか、どうしたら母親も子どもも守ることができるのかが重要なのではないだろうか。

生まれてきてくれて、ありがとう

「生まれてきてくれて、ありがとう」最後はこの言葉に尽きる。生まれてきた命は守られるべきものであるし、生まれてきたことに罪はない。

児童養護施設出身のドンスがソヨンを許すと言ったように、捨てられた子が親を許すことはなくても、別の誰かを許すことでお互いに救われることがあるのだとハッとした。

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