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とりあえずAI画像生成を使ってみて、写真家にとって脅威なのか考えてみた

今年に入ってからAIがクリエイターを脅かすのでは?というニュースや声をたくさん見聞きするようになった。最近はChatGPTが話題になっているし、集英社がAI生成画像を使ったグラビア写真集を発表(その後に紆余曲折あり販売終了)など、写真と文章でお金を稼いでいる私にとってはスルーはできないくらいに向き合わなくてはいけないことなのかなと感じていた。

そんなとき、お仕事でお世話になっている編集者の黄さんの「かくしごと」が主催するAI勉強会にお誘いいただいたので、参加してみた。

今回はAIで画像(CDジャケット)を作って、オリジナルBGMを作るところまで。

すでに所属する会社でAIを利用している栗田さんから画像と音楽の制作を教えてもらいつつ、現在の動向やモラル、著作権についてもお聞きしました。(この辺り方法などは調べれば出てくるし、ぜひかくしごとのAIサークルに参加していただければと思うので、割愛します。)

画像も音楽も「単語や文章(プロンプト)」を入力して、生成します。

今回は私は「東京の喧騒から離れて神秘的な自然のなかに入り込んで、心が洗われてワクワクしたとき」をテーマにシガーロスの「Takk…」っぽい音楽と写真を作りたいと思い作業。

で、音楽はまず最初にできたのが、なんともチープ過ぎるというか、もう恥ずかしくて人には披露できないものになってしまいました。(せっかくnote書くなら残しておいた方がよかったなと思いつつ)

写真はこちら。「Nordic, meadow, Nature, green」で入れてみました。何かぜんぜん思ってたのと違う、、もっとライアン・マッギンレー感が欲しかったのに。

「AIさん、意外と私の理想を汲み取らないのね、、」と思いつつ、単語や文節を入れ替えたり、欲しい要素をプロンプトとして足していく。エクスポートして聴く。を何回か繰り返して、自分の理想と近づけていく感じでした。

個人的にはもっと一瞬ですごいものができあがるのかと思っていたのですが、写真も音楽もそうでもないんですね。特にいま話題になっているような可愛い女の子の写真を生成するのはなかなかに難しい。5分でぱっと作れるのかなと思っていたのに。(たぶん、若い人の間で流行っている自分の写真をAI風とかにするサービスは元の写真があるからうまくできるのかな?)

ということで、私が頑張って広瀬すずちゃんをイメージして5分で作った画像。もう髪型だけしか似てない。

たぶん、ここからまたプロンプトを入れて調整していけばもっとクオリティの高い人物が誕生するのでしょう。

他の人とも話していたのですが、腕や手がちょっとグロテスクになってしうまうのは頻繁にあることらしく、AI自体がこれからどんどん学習して人間らしい体を生成できるようになるそうです。

そして、今回のワーク(40分)で完成したのはこちら。

私っぽいと言えば私っぽいなあという感じ。面白かったのは、参加者10人くらいの作品がみんなまったく違っていて個性があったこと。そして、その個性が、なんとなく本人とリンクしていること。AIで生成してもその人の個性が出るんだなあというのが実感でした。

🌿

ここからは私が感じたことです。

自分の写真の表現としては、「撮る」という行為のなかではAIの技術を使うことはないなと思いました。私にとって「写真を撮る」という行為は「自分を救う」ということでもあるから。AIを使って写真を制作しても自分の心が満たされることはないだろうなと思っています。

また、「撮る前」の行為として、インプットなどでも使うことはないだろうなと思います。私は自分の写真のベースには大好きな小説や映画、音楽、カルチャーがあり、世の中の社会課題や周りの人たちの心に触れることで「撮る」原動力になっていて、これらは自分の身体や心と同じものなので、そこにAIの技術が入ることはないと思います。

できれば自分のつくる写真作品は、こういうものをベースに、これからもいろんな人の心に響くように作っていきたいです。それだけかなと思います。

ただ、仕事では活用できるのかなと思いました。

制作前に、クライアントさんへのイメージの共有としてPinterestやSNSから写真を引用することも多く、そういうときに使えるのでは?と感じました。
個人的には制作前のイメージの想起や共有で他の写真家さんの写真を参考にしたりや提案するって好きではなく(「それって純粋にオリジナルなのか?」とか「だったらその写真家さんが撮ればいいじゃん」と思ってしまうひねくれものなので)、AI画像生成で自分の言葉でイメージを作って、ラフとして参考にするのが良いのかな?と感じました。

とはいえ、結局はデータの積み重ねで生成された写真なので、オリジナルなのか?といえば分からないけど、個人的にはPinterestで画像を探すよりは自分の言葉で導き出された写真の方が参考になるかな〜でも、なにか見えないものに縛られているような?とスカッと晴れやかな答えではないけど、もし私がAIでの画像生成を利用するなら、これかなという現在の着地点です。

AIがプロのフォトグラファーに取って変わるのかというのは、半分はありで半分はないと思っています。家族写真や、自分の思想や気持ちを伝えるために写真を撮ってもらいたい被写体(政治家、芸能人、ビジネスパーソンなどなど)はずっといるのかなと。あと、この写真家に写真を撮ってもらいたいというのも。私が生きている間は写真家の仕事がゼロになるというのはないのかなと思っています。(そのなかでちゃんと生き残りたい)

ちょうど昨日、文化庁で「AIと著作権」のセミナーがオンラインで開催していました。クリエイターさんたちの間で話題になっていたので、Twitterで「#AIと著作権」で検索すればいろいろ情報が出てきます。

それだけ見ていても、「現状」は知れたけど、これからはまだまだ未知数という感じ。なので、私もこれから考え方も変わるかもしれない。AIでのクリエイティブ制作というのを自分が触ってみてどう感じたかを残しておこうと思って久しぶりにnoteを書きました。

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