ハリウッドスターと話す。その仕事の裏事情と宝物
「ハリウッドスターの取材」
そう聞くと、よくあるレッドカーペットや映画公開の舞台挨拶を思い浮かべるかもしれません。
日本の場合ほとんどが、司会者や記者の方が質問をして、それを通訳の方が通訳し俳優さんの回答を伝えていくと言う流れだと思います。
ですがコロナ禍以降、各国に移動せずにできるオンラインインタビューなるものが広まり、画面越しでの取材がかなり増えました。
私は主にオンラインで取材することが多いのですが(自己紹介の記事をご参照ください)、一見華やかな仕事に聞こえるかもしれませんが、そのオンライン・インタビューの裏では、ドタバタ劇が繰り広げられることも…。
今回は、あまり耳にすることがないであろうハリウッドのオンライン・インタビューの裏側を少しだけご紹介します。
まずオンラインの場合(または他国では実際の舞台挨拶などもかもしれませんが)各国どの記者の方も英語で直接俳優さんに質問をするので、通訳を挟むことはほぼありません。時間もかかりますしね。
取材形態は、一対一のいわゆる「独占取材」の時もあれば、他国の記者と同じグループでの囲み取材の時もあります。
個人的には、グループの方が集中力を要します。
理由は、自分の質問が他国の方の質問とかぶらないように、気をつけて聞いておかないといけないからです。
またオンライン取材では、当然ですが音声等のチェックがあります。ヘッドセットなど、周辺機器の充電やエコーしないかなど、環境を整える必要があります。
ですが上記のように、どんなに色々準備しても、どうしようもできない事態が起こることも。
それは停電などで電気、インターネットが切れてしまうことです。そのせいで、一生に一度の機会がなくなるので、常に不安を抱えています。
(天気が悪いときはもちろんですが、アメリカは無意味によく停電が起こるので…)
デサリング等でしのぎ、繋ぎ直すと言う手もありますが、取材時間が5分!!という時も多いので、復活したら「終了ーーー!」ということも。
他国の方でネットが落ちてしまい、ビデオ会議の部屋に戻ってきたものの「もうあなたの取材時間は終了です」とスタッフに言われている人も見たことがあります。厳しい世界です・・・。
ハリウッドスターは分刻みで世界中の仕事をこなしているんだなと思う瞬間です。
ちなみに、取材の持ち時間を超えて話しかけようとしたら、一方的にビデオ会議を終了される可能性もあるので、「あと1個聞きたいことが!」とあがいても、「さよ〜なら〜」されるので、それもできません。
恐ろしいといえば、画面オフで監視しているスタッフが、ものすごくいることです。多いときは20人近くが監視しています。それぞれの名前や社名は出ているのですが、何気にそれがプレッシャーでもあります。
事前に色々なNG質問、行為など注意書きがあるのですが、それをしないか監視しているわけです。
やったことはないですが、もししたら、ブチッと切られてしまうのかな…と思ったり。
海外ドラマで『フリンジ』と言うSFドラマがありましたが、それの「監視人」と言うキャラのようなイメージですね。
用があれば話しているときでもチャットで指示もしてきます…。
まだまだ他にもありますが、長くなるので、また次回の記事で。
最後に、言える範囲のことで私の失敗談を一つ。
俳優さんのお名前をキャラクターの名前で呼んだ?呼びかけたことです。
言い訳になりますが、私の前の某英語圏の記者の方が、俳優さん=トム(仮)、役名=マイケル(仮)で、「マイケル、、あ、ごめんなさい、トム!」と言ったのです。
トム(仮)も私も、他国の人も笑っていたのですが、次に私の番になったときなぜか私も。
「マイ・・・ト、トム!」(冷や汗)
「昨日(作品を)見たばかりで・・・」と言い訳しましたが、「役に見えてるってことで嬉しいよ」と笑顔で対応されました。
元々好きな俳優さんでしたが、更に好きになりましたが、あれは本当に焦りました。
まだ他にも、私が日本人だと言うと聞いてもない個人情報をペラペラ話しだした大物俳優さんもおられたり。。。
取材の後には、英語で回答されたことを、私の場合は自分で日本語に翻訳して記事にします。
でも、プライベートな話などは記事にはできない(しない)ので、そのような会話があったときは、そのネタは私の中だけでの一生の宝物になります。
取材という仕事と関係なく、一人の人間に対して話をしてくれた瞬間なので。
そして一人こう思うのです。
私、ハリウッドスターと「話」をしたんだ。
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