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台風で思い出すこと

台風が近づいていますね。

台風というと、いつも以前働いていた職場(静岡)を思い出します。

ある年、静岡に台風が直撃しました。
9月21日でした。
もう日も忘れません、それくらい印象的だったから。
その時、私は大手のハウスメーカーで働いていて、静岡県内全域を受け持つアフターフォローの部署にいました。

ランチ時間は、大したことない台風だね〜、暇でよかったね〜と優雅にみんなで話していました。忙しい時は一緒にランチなんて、ムリだから。

ところが。
お昼の14時頃から雲行きが怪しくなります。
ポツポツと、室内に窓下から水が侵入しているという内容の電話が鳴り出しました。
浜松のメンテナンス担当の方に連絡すると、
「車から出られない。ものすごい雨と風で身動きが取れない」
というのです。

そんなにすごいんですか〜、その場所は大丈夫ですか?気をつけてくださいね!と余裕があったのは、そこまで。

それからは、パチパチと点いたり消えたりする電気、横揺れする建物の恐怖に震えながらも、ひっきりなしに鳴り続ける電話を取り続けました。
ビルの6階にいたので、耐震構造により横揺れして倒壊を防ぐ仕組みだから、もう船酔い状態です。
この揺れはいつまで続くの、早く通り過ぎて!って心底祈りながら、お客様の被害を聞いていました。

折しも、水曜日。
部署の人数は半分でした。
水曜日と土曜日に分けて、半分ずつ休むからです。

私が取った電話は500本。
会社を出たのは、23時半を過ぎていました。
とても修理手配ができないから、被害を記録するのに精一杯でした。

"その日できる仕事はその日のうちに"
それが当時はモットーだったので、処理できていないものが溜まっているのが本当にイヤでした。何より、浸水等の被害で休まらない夜を迎えているお客様がいると思うと辛かったです。

でも、私ができるのは、現地社員にお願いして被害状況を確認してもらい、業者に修理手配をすること、修理にかかる費用を見積もって保険会社に申請することくらいです。

翌日はもっと大変でした。
休み明けに出社した先輩男性社員が、
「何これ、電話止まらないんだけど!」
って言うから、もう荒んでいた私や他の子たちと一緒に睨んでシカトしたのを覚えています。
翌日も同じくらいの電話を受けました。

とにかく人が足りない。
被害を見に行きたくても、人がいない。
全員が取った電話の中で、深刻で至急対応が必要なものを優先していくしかありません。
例えば、エアコン室外機が建物3階からぶら下がっている、物置が転がっていったとか。
ぶっちゃけ、窓ガラスの割れなんて軽いもので、ガラス業者も追いつかないから、怪我さえされていなければ後回しでした。

被害の全貌が明らかになるまで、かなり日数を要したと思います。
何十万、何百万っていう保険申請を数えきれないほど提出しました。

私たちはしばらく21時〜22時帰りが続きました。でも、現場社員がもっと大変で、被害を見てくるっていっても、保険申請が関わるので、細部にわたり正確に状況把握しなきゃいけないから、時間がかかる。その詳細を私たちに写真と図面に書いて送るにも時間を取られるし、早く対処したくても業者もてんやわんやで工事に取り掛かれない。そのうちに対応が遅すぎるとクレームになってしまい、謝りに行く。

ほんと電話を取るしかできなくて、役立たずで申し訳ありません。頭が上がりませんって思っていました。

だから、どこかで台風や地震の被害が出たとニュースを見ると、辛くなります。
先の台風で、千葉も大変だけど、伊豆も大変していると聞きました。

本当に今回の台風が進路変更して、被害が出ないことを心から願います。

Spiritual Anatomy®のオフィシャルなシニアプラクティショナーとして活動中です。
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