無駄な努力
今日は久しぶりにチリ人の友人と話した。
彼女とはエネルギー療法の講習で知り合い、彼女の方が年上で、いろいろな知識があるので、教えてもらったりなど、とにかく何でも話せる友人の一人だ。
以前、彼女の娘さんに問題があり、私も相談されたことがある。
同棲していた彼氏と辛い別れがあった娘さんは、会社の同僚が好きになってしまっていた。
とても良いことだ。
まるで15歳くらいの女の子のようで、「彼が遠くから私を見ていて、ドキドキした。」とか、「この間、話すのに近くに寄ってきてくれた。」などと聞かされ、「私も似たようなことあったな」と思い出した。けっこう昔だ・・
ただ、彼女はお腹に手術の跡があり、それをとても気にしていていたので、整形手術をして、きれいにしないと、どんな男性にも好きになってもらえないと悩んでいたんだ。
前の彼と別れた悲しみや落胆をひきづっていて、自分に自信がなくなっていることを認識できず、手術して、見栄えだけよくすれば良いという考え。
「こんな汚いお腹じゃ、誰にも好かれない。絶対に彼には嫌われる。」というネガティブモード。
まだ、つきあってもいないからわからないのに、勝手に想像していた。
彼女のその考えを治してあげようと、お母さんである私の友人はいろいろなセラピーを学んで、治療してあげてたのに、全く改善が見られなかったので、疲れ果て、整形手術をさせることに同意しようかと思っていた。
私も娘さんと何度も話したけれど、考えが変わりそうにない。
お腹の傷が原因で、嫌いになるような男性だったら、あなたに価値がない人だよねと言っても、無駄。
どうしても、お腹の手術の跡が気になって仕方ない。
お腹の傷をきれいにしたい。
整形手術をして、傷がわからないような身体になれば、相手に好かれるという変な考えに頭が汚染されてしまっていた。
自分の良い面を探そうとせず、自分の嫌な面だけが目についていた。
治してあげようと必死になっていたお母さんや家族への感謝の気持ちを忘れて、彼女に良いと思うことを言われても、イライラして、説得しようとするお母さんとは口げんかすることもよくあったらしい。
これがエゴというものか・・・
1、自我、自尊心
2、利己主義な考え(自分の利益だけを考えること)
3、利己主義な人
私も、わかってもらうために、だいぶきつい言い方をしたと反省したことがあった。
その後、連絡してこなかったので、「きっと、あの時、私が彼女にきつすぎることを言ったのかもしれないな・・悪いことをしたな。」と思っていた。
友人とも話したら、「大丈夫。こうなったら、手術でも何でも、やりたいことをすればいいわ。ありがとう。」と言っていたので、しばらく忘れていた。
数ヶ月経ってから、本人は自分の力で、これは自分のエゴだということに気づいて、整形手術するのはやめ、落ち着いて仕事をしていると聞き、安心した。
その後、友人から電話がかかってきて、
「いい?すごいことを話すね。実は、娘が好きだった相手は、同性愛の人だったということが、わかったのよ~。」
私はすぐに笑いこけた。バスターミナルで、周りに人がいたけれど、笑いに笑ったよ。
私たちは、本人を含めて、無駄な努力をしていたわけだ。
力が抜けた。
それにしても、お母さんも大変だったし、時間はかかったけれど、娘さんが自分のエゴに気づいてくれて、結果的に手術もしなくて本当に良かった。
エゴはそれ自体、良いものでも悪いものでもなく、目にゴミが入っているようなもので、ゴミを取り除かなければ、はっきりと見えない。