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粉をこねたいから、今日はレーテシュを作ろう(ハンガリー料理レシピ付き)

昨日の夜なぜか突然、粉をこねて何か作りたい衝動に駆られた。だから今日はレーテシュ作り。

レーテシュ(rétes)はハンガリーのケーキのようなもので、薄く伸ばした生地にフィリングを乗せて巻いて焼いてある。パリパリの皮は何層かになっていて、少しパイみたいな感じ。

フィリングには色々あって、リンゴ、サクランボ、プルーンなどの果物をはじめ、甘く味付けしたカッテージチーズ、レーズンと混ぜたケシの実やクルミ、またはキャベツなどのしょっぱいものもある。どれもハンガリーで昔からよく採れたものなんだろうな、と思う。

義母によれば、昔は油ではなくてラードを使ったのだとか。豚を飼って、家で屠殺して全てを利用するのが昔の農村では当たり前だったという。
義父の実家もそうで、1匹の豚をハムやサラミなどに加工して、長い期間保存して食べていた。夫は子供のころ一緒に手伝ったりしたこともあるそうで、「まるで村総出のお祭りみたいだった」と記憶しているのだとか。

レーテシュに戻ろう。

今日は日曜日でお店がお休みなので、家にあるもので作ることに。
冷凍庫には庭のサクランボと友達からもらったリンゴが眠っている。冷蔵庫にはカボチャが半分。戸棚にはレーズンとケシの実。これだけあれば十分だ。

さて。

①まずは生地を作る。

小麦粉・600g
塩・約小さじ1
植物油・約大さじ2
ぬるま湯・300~400ml、様子を見ながら

小麦粉と塩を混ぜる。ぬるま湯を少しずつ入れてこねていく。途中で植物油を足す。最終的に手に付くか付かないかのテクスチャーになるように水分を調節する。

②ボールに入れて蓋をして、20~30分寝かせる。

③寝かせた生地を三等分して丸め、さらに10分くらい休ませる。

1/3分の生地

④軽く粉をふった布巾の上で、手で少しずつ伸ばしていく。麺棒は使わず、上下左右に少しずつ引っ張っていく感じ。

プロはムラなく均一に伸ばすらしい。
私にはこれが精一杯。

⑤ここからはフィリング。

A:
リンゴ・約500g→銀杏切り
シナモン・約小さじ1
パン粉・約大さじ2

B:
サクランボ・約500g→種を除いて水を切る
片栗粉・約大さじ1→サクランボと混ぜてひと煮立ちさせ、トロトロにする (しない人もいるので、混ぜるだけでも可)
パン粉・約大さじ2

C (カボチャは私の創作、ケシの実はハンガリーのレシピにも登場):
カボチャ・半分→小さく切って煮ておく
ケシの実・100g
レーズン・約大さじ3
レモンの皮を削ったもの・小さじ半分
お好みでサワークリーム少々
(↑カボチャ以外をミキサーで混ぜてペースト状にしておく)

生地に塗る植物油
甘さが足りない場合はお好みで砂糖

伸ばした生地の上に油を軽く塗る。
半分に折り、真ん中にパン粉を散らす。これは果物から出た水分を吸収する役割だとか。

両サイドから折ってみた。

⑦その上にフィリングを乗せて、

Bのサクランボ

左右の生地で閉じて、天板に乗せる。

本当はうまくくるんとくるんで、
継ぎ目は上に来ないのが良いらしい。
今日は上面でちまちまと閉じた。

⑧上に油(または卵黄か生クリーム)を塗って170℃のオーブンで20~30分焼く。
できあがり!

リンゴ
(最初のなので少々ぺっちゃんこ)
サクランボ
(+少しリンゴ←余ったから)
カボチャとケシの実


たっぷり粉をこねて丸めて伸ばして、大満足のレーテシュ作りだった。


ドイツやオーストリアにも似たような食べ物があって、それはシュトゥルーデル(Strudel)と呼ばれる。ドイツでリンゴのシュトゥルーデルしか見ないのは、やはりリンゴがよく採れるからだろうか。
アプフェル·シュトゥルーデルは生地が厚めで、バニラソースをかけて食べる。義母が「ドイツ人はソースが好きよね」と言っていたことがあるけれど、ここでもドイツはソースあり、ハンガリーはソースなし。
そして私はどちらも好きなのである。


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