Have a good night!
June 16, 2021
6月も半ばとなりましたが、九州や東海地方では例年より早い梅雨入りとなった一方で、関東地方は遅めの梅雨入り。じっとりと湿度が重い中で、雨が降ったり晴れたり、なかなか落ち着きません。天気や気圧の変動は自律神経の乱れにもつながり、「気象病」とも呼ばれるそうです。
季節の変わり目は心身のリズムが崩れやすいですが、アメリカでは春と秋のサマータイム(Daylight Saving Time)による体調不良も。サマータイムは3月第2日曜から11月第1日曜まで時計を1時間進めるもの。Spring Forward(春に1時間進める)、Fall Back(秋に1時間戻す)と言われ、アリゾナ州の大部分とハワイ州を除き、全米で実施されています。日照時間の長い季節は1時間早く活動を始めて太陽の恩恵を受けることで、節電や経済の活性化を図ることが目的ですが、最近では、睡眠時間のずれによって心臓発作が増加することが分かるなど、デメリットも指摘されています。
日本でも2015年に勤務時間を1時間前倒しする「ゆう活」が国家公務員を中心に導入されましたが、必ずしも定時退勤が徹底されていない日本では、勤務時間の開始が早まり終了時間はいつもどおりと、当時はあまり定着しなかったようです。
アメリカのビジネスパーソンはポジションの高い人ほど早起きと言われますが、サンフランシスコ州立大学のオフィスの始業時間は朝8時。始業時間前に出勤して静かなオフィスで仕事を始めている人も多いようです。学内の打ち合わせが朝に設定されることも珍しくなく、タウンホールミーティング(town hall meeting)と呼ばれる、部の構成員全員と担当理事の定期的な対話集会も、朝ごはん付。体育館でマフィンとコーヒーをもぐもぐしながら、その月の新任職員の紹介から、給与制度の変更といった手続きや学内の動向まで、幅広い議題が部の全構成員向けに話されます。
また、サンフランシスコは朝5時台の市内バスも通勤客で意外と混雑。日本の約26倍の面積をもつアメリカには、サマータイムのほかに本土の4つに加えアラスカ・ハワイの2つという6つのタイムゾーンがあり、国内でも時差があります。たとえば金融業界では株式市場の取引時間は東部時間(アメリカで最初に朝が来る)に統一されているため、西海岸にいくほど、より早起きしての仕事になります。
さて、日本では退勤時は「お先に失礼します」や「おつかれさまです」と声をかける人が多いですが、アメリカでは「See you tomorrow.(また明日)」のほかに「Have a good night.(楽しい夜を)」も一般的。仕事の後にも「楽しい夜」があります。
今日はノー残業デーです。仕事が楽しすぎてうっかり夜までオフィスで過ごしてしまわないように、今日は業務を早めに切り上げて、気候の変化でおつかれ気味の心身を家でゆっくり休めるのはいかがでしょうか。
*B-life:ヨガのYoutubeレッスン
https://www.youtube.com/channel/UCd0pUnH7i5CM-Y8xRe7cZVg
10分程度のリフレッシュから、夜寝る前に自律神経を整えるヨガも配信されています。6月21日は国際ヨガデーです。
*小説「わたし、定時で帰ります」(朱野帰子、新潮文庫、2019年)
https://www.amazon.co.jp/わたし、定時で帰ります%E3%80%82-新潮文庫-朱野-帰子/dp/41010046172019年にドラマ化もされた小説。「なぜ定時で仕事を終わらせないといけないか」についての名言セリフ多数。
*小説「わたし定時で帰ります2」(朱野帰子、新潮文庫、2021年)
https://www.amazon.co.jp/わたし、定時で帰ります%E3%80%822-打倒-パワハラ企業編-新潮文庫-朱野/dp/4101004625/ref=pd_lpo-card_2?pd_rd_i=4101004625&psc=1
続編。チーム全員が定時に退勤できる「安心安全」な職場づくりに奮闘。特に主任〜係長級の心に刺さるかもしれません。
(写真:NYのブルックリン橋)