大学いろいろ(2)
March 16, 2022
3月中旬となり、マスクで厳重にカバーしているのに、花粉で鼻やら目やら、身体中がむずむずする季節となりました。気温もあたたかくなり、身につけるものも春仕様にチェンジしている人も多いのでは。本学も、先週の合格発表を終え、これから新年度の準備が始まります。
国立大学では大阪大学、東京大学、京都大学、九州大学、神戸大学。
私立大学では日本大学、早稲田大学、近畿大学、立命館大学、明治大学。
これは大学の学生数ランキングです。国立大学のなかで阪大の学生数が最多なのは意外ですが、2007年の大阪外国語大学との合併によるもの。
大阪ではこの春からは大阪市立大学と大阪府立大学を母体にした大阪公立大学が誕生しますが、学生数は東大、京大に次ぐ規模になるのだとか。キャッチコピーは「めざすのは大阪発」です。
また、東海地方では、2020年4月に、名古屋大学と岐阜大学が「国際的な競争力向上と地域創生への貢献を両輪とした発展」のビジョンのもと、東海国立大学機構を設立。地域貢献型の岐阜大学と、研究型大学の名古屋大学が手を組むことで、東海地域の産業発展が目指されています。
大阪と東海地方は地域色を前面に出した改革が特徴ですが、アメリカでも、アイビーリーグのような競争的な大学のほかに、それぞれの個性をもつ有力大学が多くあります。
サンフランシスコ州立大学もそのひとつ。研究型大学ではありませんが、アメリカで一番最初に民族学(Ethnic Studies)の専攻を創設した大学で、米ウォールストリートジャーナルによる大学ランキングでは、大学のダイバーシティのカテゴリーで全米5位にランクイン。評価指標は学生と教職員の人種・民族構成、アメリカ国外からの学生の人数、Pell Grantという経済的困窮度の高い学生向けの政府奨学金の受給割合です(1位はカリフォルニア南部のLa Sierra University)。
本学にいると、大学とはエリート養成をするための場所という感覚に陥りがちですが、大学が社会でになうミッションはそれぞれ異なります。
大学が異なれば、事務組織のちがいも。本学は、部局がそれぞれ自律した事務部をもつ分散型(de-centralized)の組織ですが、たとえば名古屋大学では、近年、業務効率化の一環で中央集権型(centralized)に移行しつつあるのだとか。文系学部の事務部は統合され「文系事務部」。2年前には各部局の経理部署は本部に集約されることになり「経理事務センター」に。いまは過渡期のようですが、本部に人員を集中できる一方で、細やかに動きにくくなったりと、一長一短があるとのことでした。
大学組織や社会での役割はこれまでよりも複雑化していて、業務においても、チームを越え、課を越え、部を越え、時に他大学とも連携することが必要な場面も増えています。
アメリカの大学では専門職制が一般的。この道一筋のプロフェッショナルもかっこいいですが、人事異動のあるスタッフに加え、様々なバックグラウンドをもつスタッフと、担当の枠を越えてアンテナを張ることができるのは、日本の大学スタッフの強みでもあります。
世の中も大学も変化が多いときですが、一説によると、現代人は課題が与えられると「足し算」で解決しようとしがちで、「引き算」が苦手なのだとか。たとえば料理のレシピを改善しようとすると、材料を追加。調味料を減らして引き算で向上するという選択は苦手なのだそうです。業務に集中していると、つい、足し算であれもこれもとなりがちですが、今日はノー残業デー。
今日は早めにパソコンを閉じて帰宅して、頭の中をリセットしてみるのはいかがでしょうか。足し算で煮詰まっている計算式も、一晩寝かしたら、意外とシンプルになるかもしれません!
*The Wall Street Journal College Ranking List
https://www.wsj.com/articles/college-rankings-list-2022-11632246093
*東京医科歯科大の語学授業、東京外国語大に一部委託へ オンラインで(2022年1月4日朝日新聞)
医科歯科大は、この春から語学の授業の一部を東京外大に委託することに。国立大の財政事情を踏まえ、人とお金を効率的に活用しつつ、大学間交流を目指しているそうです。
https://www.asahi.com/articles/ASQ1455MBPDHUTIL04V.html
*現代人は「引き算」が苦手(2021年5月9日 日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71679470Y1A500C2MY1000/
(写真:日本各地の大学と霞ヶ関と劇場で活躍している研修同期たち)
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