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運転手が本当に気を付けないといけない薬5選

薬の説明書である『添付文書』には、薬によっては運転を禁止させる一文、「本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること
と記載されているものがあります。

しかしこの一文、医師や薬剤師の頭の中にすべて叩き込まれているかと言えばそうではありません。
運転を生業にしている患者様にこの一文が記載されている薬が処方されることも多くあります。

そこで今回、運転手が本当に気を付けないといけない薬5選についてご説明します。


アレルギー薬

アレルギーは身体の中で「ヒスタミン」という物質が作られることによって体のかゆみ蕁麻疹を引き起こします。
そこで治療に使うのはこのヒスタミンをブロックする抗ヒスタミン薬です。

抗ヒスタミン薬は眠気を引き起こしやすい特徴があります。花粉症で薬を飲まれたことがある方はこの眠気を体験したことがあるのではないでしょうか?

近年では薬の開発が進み、眠気を起こしにくい抗ヒスタミン薬が多く出てきました。

<眠気を起こしにくい薬>
ビラノア
(成分名ビラスチン)、アレグラ(成分名フェキソフェナジン)、クラリチン(成分名ロラタジン)、デザレックス(成分名デスロラタジン)

以上の4つは運転禁止の記載がなく、眠気が比較的少ない薬です。
これ以外の薬は眠気を引き起こす可能性があるので、運転手の方は避けていただいた方が無難だと思われます。
また、アレグラ、クラリチンは市販でも販売されています。

持病のアトピーやアレルギー体質などで、運転中にも抗ヒスタミン薬を飲む予定のドライバーさんは必ず、医師・薬剤師に運転中でも飲める薬か確認をしましょう。

ちなみに、急激な蕁麻疹などが出た方は抗ヒスタミン成分+ステロイドの合剤が処方される場合があります。この合剤に含まれる抗ヒスタミン薬もかなり眠気が強いものになるのでご注意ください。

鼻炎薬・風邪薬

花粉症や風邪などで市販の薬を飲むことも多いかと思います。
実は薬の中に含まれている鼻水を止める成分は、アレルギー薬と同じ抗ヒスタミン薬が含まれています。

ヒスタミンという物質は身体のかゆみだけではなく、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなども引き起こします。
つまり抗ヒスタミン薬は鼻水にも効く、ということです。

市販で販売されている鼻炎薬や総合風邪薬の多くが眠気を起こしやすい抗ヒスタミン薬が含まれています。

風邪による鼻水があり、運転する予定の方は総合風邪薬ではなく、眠気の少ない上記の薬(ビラノア、アレグラ、クラリチン、デザレックス)を選ばれるのが良いかと思われます。

もちろん風邪の症状自体が重い場合は、無理な運転は行わないようにしましょう。

睡眠薬

睡眠薬は服用後絶対に車を運転してはいけない薬です。
飲んでもすぐ眠くならないから…と自己判断で車を運転する方がいますが
絶対にやめてください。

また睡眠薬にとどまらず、抗不安薬、抗てんかん薬、抗うつ剤、精神病薬のほとんどが運転禁止の表記があります。これらの薬を飲まれる方はできるだけ公共交通機関を利用しましょう。
電車を利用の際は、薬によるふらつきでホームから転落する恐れがあるため線路から離れた位置に立つようにしましょう。

神経痛薬

ヘルニア、坐骨神経痛、腰痛などで整形外科などで痛み止めをもらうことがあると思います。
中には帯状疱疹にかかったあと、ピリピリとした神経痛で悩まれて薬をもらう方もいると思います。

神経痛の薬は眠気を引き起こすことが多いため運転注意の記載をしているものがあります。

<眠気を起こしやすい薬>
リリカ
(成分名プレガバリン)、タリージェ(成分名ミロガバリン)

タリージェはリリカの眠気を軽減したものとして開発されましたが、それでも眠気が起きると訴える患者は多い印象です。上記の薬は長期的に服用すると眠気に慣れてくると言われていますが、長距離ドライバーなどは腰痛やヘルニアを発症することが多いため、上記の薬には注意するようにしましょう。

抗生剤・抗ウイルス薬

意外かもしれませんが、抗生剤や抗ウイルス薬で眠気のようなめまい感を引き起こすことがあります。
ヘルペスや帯状疱疹、治りの悪い風邪、ニキビなどで抗生剤や抗ウイルス薬を飲む際はご注意ください。

<運転を注意する薬>
アベロックス(成分名モキシフロキサシン)、クラビット(成分名レボフロキサシン)、ミノマイシン(成分名ミノサイクリン)バルトレックス(成分名バラシクロビル)、ゾビラックス(成分名アシクロビル)


記載した薬以外にも運転を禁止する薬は多く存在しています。
「仕事でどうしても運転しなくてはいけないけどこの薬は大丈夫か分からない…」と、ご自身の薬について不安に感じた場合は、お気軽に医師、薬剤師にご相談くださいね!

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