世界がパキッと分かれる狭間を僕らは生きている
2月25日に会社で感染した方が出て、翌26日にリモートワークに切り替わって1か月以上。ずっと会社に行かない日が続いている。
一度だけ3月中旬に忘れ物を取りに行ったら、ロビーでサーモグラフィカメラの前を通過し、オフィスに入ったら新聞の束が2月25日の日付のままで、「これがディストピアかな」と思った。
新型コロナウィルスの猛威は勢いを増すばかりで、日本もついに4月7日に緊急事態宣言が出た。今日はその最初の週末。このnoteはいつか読み返す未来のために書いている。
僕の住む渋谷はたしかに人の足が減った。子どもは平日も保育園に行けなくなってしまった。
世界のリーダーたちが「これは戦争だ」「第二次大戦以降最大の世界的試練だ」と言う。ウィルスには意思も打算もないので戦争より厄介だ。イヤイヤ期真っ只中の1.7歳児がいる中でのリモートワークはいかにも戦場である。
広告会社でプランナーをしている身としては、世界の広告祭でさまざまな課題解決を見るにつけ「これは欧米だからできる解決法よね」「規制の厳しい日本じゃできっこないね」なんて会話が嫉妬を隠す方便としてなされがちだけど、今のこの世界に突きつけられた難問には、そんな方便は通用しない。
考えよう。
だけど広告人の陥りがちな「オリジナリティ」は、きっと今は必要じゃない。糸口の鮮やかさとかユニークネスとかどうでもいい。超効率的とか、安心できるとか、次に何をすればいいかシンプルにわかるとか、きっと、真っ暗な洞窟を照らす松明が必要なんだ。あと場合によっては人を傷つけないユーモアも。
気づいたら今日で40歳になっていた。
9.11を見たのは21歳。3.11を経験したのは31歳。もうあれ以上僕らの価値観が変わるような歴史的な出来事はないと思っていた。
今回の新型コロナウィルスは局地的な事変でなく地球全体に起きているぶん、きっと働き方、暮らし方、感じ方、物事の価値観が変わる。そしてウィルスはテロや地震よりも長期化する。Withコロナの時代。
僕の中では30代までと40代からでパキッと分かれる。
なるべく、いい方に変わるようにしなきゃいけない。
考えよう。