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「考える」ための環境を見つける
会社員だった頃通勤は車で、行きはラジオ、帰りは音楽を聴きながら運転していた。
好きなアーティストの好きな曲を集めた「お気に入り」をヘビロテして、信号待ちで隣の車に聞こえるんじゃないかと思うくらいの大声で歌っていた。
主に、自分を鼓舞するような応援歌を。
今思えば、あれは効果的に「思考停止」するための策だったのかもしれない。
今日の出来事を反芻したり、自分が感じたこと、考えたことに気づいてしまわないために。
いつの間にか、自分の考えというものをスルーするようになった。
会社の考え、幹部の考え、部長の、課長の考え、メンバーの考え。
そして顧客の考え。
彼等は何を思い、何を感じ、何を望んでいるのだろうか?
それらをイメージして、できる限り正確にトレースしようとばかりしていた。
自分の意見や思いなんて、考えたって仕方がない。
だって仕事にそれは求められていない。
「幹部の中での流行語」や「リアルな顧客の課題」を盛り込んだ方がずっと、企画は通りやすくなる。
私のやりたいことや思いは、こっそり忍ばせる程度。
そんなことを長くしているうちに、いつの間にか自分の考えや思いのある場所がわからなくなって、アクセスできなくなっていった。
気づきたくなかったんだ、不都合な事実に。
これ以上疲弊したくないから。
すっかり泥や澱がつまって通りが悪くなったパイプにもう一度水を通せるようになってきたのは、コーチングを知って、学びながら実践しているから。
時に不都合な事や気づきたくなかった感情に出くわすこともある。
うわ、こんなのがあったんだ自分の中に。
そんな風にゲンナリすることもある。
でも、自分の中で起きている出来事で、知らない方がいいことなんて、きっとない。
気づいてしまったことで心が乱れたり、落ち込んだり、傷つくことがあっても、それは自分の中で起きていることだから、きっといろんな角度から眺めれば、なんとか対処できるはず。
試行錯誤して、やっと自分へのアクセス方法がひとつ見つかった。
それは、歩くこと。
近所の緑道から神社を抜けて、駅前に出て本屋を眺める。
時間があればカフェに寄って、今度は公園を抜けて緑道に向かう。
往復8000歩くらいの、散歩道。
イヤフォンを耳に突っ込んで音楽を聴くことはせず、
リュックに最低限の荷物を詰めたら、両手をあけて、ちょっと大きめにぶんぶん振って歩く。歩幅は大きめ。
問いを一つ立てて、どうかなあ、こうかなあ、と考えながら、けっこうなスピードで歩く。
すると、太ももだけじゃなくて脳にも血がめぐっていくのを感じる。
不安はだんだんどうでもよくなってきて、なんとかなりそうな心持ちになれる。
思考がマイナスに偏りそうになっても、青空の下なら軌道修正しやすい。
頭の上に物理的な「抜け」があると思考が広がりやすいのかも。
1回の散歩で、だいたい一つの問いに対して、帰る頃にはなんとなくの答えが自然と出ている。
なんならそれをこんな言葉で発信したいな、というフレーズまでわいてくる。
どうやら車じゃなくて、歩かなきゃいけないらしい。
そう考えたら、歩くことが「チャンス」になった。
さあ今日は何を考えようか。
大切なことだからもう一度繰り返すと、
自分の内側に起こっていることで、気づかない方がいいことなんて、きっとない。
見つけたら、対処する。
大切なのは気づくこと。気づくための方法を知ること。
あなたにとって、自分の考えや思いにアクセスしやすいアプローチは何ですか?
とっさに浮かばなかったなら、一度歩いてみて。
目安は8000歩。
そうしたら、「幸せホルモン」以外のものも分泌されるかも。
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