『熱源』川越宗一 感想
兄が「これ面白かった」と言って貸してくれました。
川越宗一さんは2015年に北海道を旅行し、その時に白老町のアイヌ民族博物館を訪れたことがきっかけで、この「熱源」が生まれたそうです。
ありがてぇ!
そして、この元となったのは、金田一京助がヤヨマネクフの口述をまとめた「あいぬ物語」。
「あいぬ物語」読んでみようかな。
*あらすじ*
北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太。極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。
明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。
*感想*
愛する地元、北海道、アイヌに関するお話なので、愛着は最初からありました。
が、本は分厚くて、カタカナの名前覚えるのが苦手なので、なかなか読み進められなかった・・笑
でも読んでるうちに面白くなってきて、半分以降になるとササっと!でした。
アイヌ、ポーランド、ロシア、和人(日本)。
"自分と違う人"を怖がって(嫌がって)、絶対的に戦争は起こってしまうのかなぁ。
そんな中でも、自分は自分として生きる
(アイヌがアイヌとして生きる)ために、命がけで誇りを捨てずに生きる。
何かを変えようとする人たちの熱さ!
その熱はどこからくるのか…
ひとりひとりの人間性が溢れていて、すごく魅力的でした。
イペカラも最高に好きだな。
本当に幸せになってほしい。
*言葉*
・皆死体に近づけない。最愛の人との別れは変わり果てた姿に触れることもできず、遠くから見守るだけのものだった。
・自分は空っぽだ裏返せばなんでも詰め込めるということかもしれない。
・生きるための熱の源は、人だ。人によって生じ、遺され、継がれていく。それが熱だ。
・強いも弱いも、優れるも劣るもない。生まれたから、生きていくのだ。すべてを引き受け、あるいは補いあって。生まれたのだから、生きていいはずだ。
・「戦争も何もかも、生きてる人間が始めたんだ。生きてる人間が気張らなきゃ、終わんないだろ。あたしもあんたも、まだ生きてる。なら、できることがある。」
今日はこのへんで。
ありがとうございました。
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