「私だけ大変」から「私たち、大変だったね」へ
食料品を買うために
息子(6歳)と2人でスーパーに行った。
レジの前で、
息子が「ゲが出そう(吐きそう)」と言って
マスクの上から両手で口をおさえる。
咳き込んだ息子は、吐いた。
店員さんが息子が吐いたモノを
キレイに拭き取ってくれた。
「すみません」
「ありがとうございます」
「すみませんでした」
を私は繰り返して、
吐いたモノがついたマスクとTシャツを脱いだ息子と
スーパーを出た。
家に帰った私は、
夫にスーパーでのコトを話した。
「大変だった〜」と夫に言ったあと
そこのソファに座っている息子に
「(私も息子も)大変だったよね」と声をかけた。
10年前、私が児童福祉施設で働いているときに、
イライラしてモノにあたった子が流血した。
もうすぐ夕ごはん、という時間だった。
急いで車に乗って、病院に連れて行った。
処置を終えて、施設に帰る。
夕ごはんは
大根おろしがのった和風ハンバーグだった。
(入所施設なので、職員は子どもたちと一緒にごはんを食べます。)
流血騒ぎから1〜2ヶ月後、
夕ごはんがまた和風ハンバーグだ。
「このハンバーグ見ると
都丸さんと病院にいったことを思い出す」
とあのときに病院に連れて行ったその子が、
少し気まずそうに
少し笑いながら私に話しかけてきた。
私も全く同じことを思っていた。
流血騒ぎは大変だった。
でも、大変な時間とデキゴトを共有して、
次の和風ハンバーグまでの毎日を一緒に過ごした。
その積み重ねがあったから、
大変だったデキゴトを
少し笑いながら「思い出すね」
と言い合える関係になれたと私は思っている。
だから私は、息子に聞こえていても
「あなたが吐いて、私は大変だった」と言うし、
吐いたあなたも「大変だったね」と息子に言える。
私たち大人が「大変だ」と感じるとき、
その大変さを作り出しているかもしれない
目の前にいるその子も
きっと「大変」なのだ。
「大変だったね。私も。あなたも」
と子どもと伝え合えるデキコトが起こったら
その分、また、積み重ねることができる。
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「なんで私だけ」をサポートする。
社会福祉士 えり
福祉大学の福祉心理専攻を卒業。
特別支援学校教諭一種免許を活かし、
福祉型障害児入所施設で8年間勤務。
夜勤をしながら子育てをすることは難しいと感じて
出産を機に退職。6歳児の母。
子どもの凹を支援しながら、凸を伸ばす方法を発信中。
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