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『ヤングケアラー 介護する子どもたち』の記者の姿に心揺さぶられる
『ヤングケアラー 介護する子どもたち』(毎日新聞取材班)を読みました。個々のケースがそれぞれに人生の深みを感じさせ、ケースごとにつまみ読みしていたら止められなくなった本でした。
ヤングケアラーは、「自分が10代のときは大変だった」だけでは終わらず、その時期のことが一生を左右してしまうんですよね。必ずしも負の影響ばかりではないので、一口に「かわいそう」と言うのはおかしいのだけど、それでも、ケアの日常を知ると胸が痛みます。
私が「ヤングケアラー」という言葉に初めて出会ったのは、このインタビューでした。2019年の末。
当時は「ヤングケアラー」という言葉も存在もほとんど知られておらず、記事では「親が長時間ないしは夜間に働いていたなら、年長の子が学業をさしおいて家事や幼い弟妹の世話をせざるをえない」と表現しました。
この問題にそんな出会い方をしたこともあって、本書のタイトルで、ヤングケアラーを単に「介護」する子どもたちとまとめてしまっているのが気になったのですが、その意図や葛藤も本書にはあまさず書かれていました。
なにより、社会で見えていなかったものを可視化する「調査報道」のすごみを知りました。報道のしかたに様々なジレンマを抱えながらも、政治を、行政を、世の中を動かそうと奮闘する記者さんたちのお仕事ぶりもつぶさに描かれ、フィールドはまったく違うのだけれど、同じ「書く者」として心揺さぶられる一冊でした。
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