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#9 40歳、不惑の誕生日を迎えて

今年もカリフォルニア、ベイエリアで誕生日を迎えています。
トップの写真は滞在中のおうちの近くから見える夕日。

毎日同じようで違う夕日を見ながら、年を重ねることって、同じようで違う毎日の積み重ね。日々変化し続けることなんだなぁと、改めて感じています。

1.オトナでもなく、若者でも子供でもなく

子供のころ
10代の頃
20代の頃

40歳は立派な”大人”だと思っていました。

不惑の年


仕事でもキャリアを積み、子供は小学生でくらい。
公私ともに大忙し。
もしかすると自分の時間はないかもしれない。

そんなイメージを持っていました。

でも実際は。。。
周りの方々を見ても、40代だろうが50代だろうが
はたまた10代だろうが20代30代だろうが
年齢に関係なく、その生き方は様々だということを、しみじみと感じます。

いくつになったらこう有るべきという、かつての常識は、もうなくなってきているようです。

私の周りには、自分に正直に、生き生きとやりたいことを追求している人が多く、年齢も肩書も「なにそれ美味しいの?」レベルで気にしていない方々ばかり。

私自身もどんどん自分に正直になってきて、自分に正直に生きるほどに、毎日が生きる喜びと感謝したくなる出来ごとでいっぱいになっています。

昨年こちら記事でも沢山の方々に誕生日を祝っていただき、「生きている、そのこと自体が奇跡で愛なんだなぁ」としみじみ感じた体験を書いていますが、今年は昨年以上に愛と感謝を感じる誕生日となりました。

改めて振り返ると、嬉しくなかった自分の誕生日が、この5−6年どんどん嬉しくなっているなぁと感じます。

2.生まれてきた事、それだけで祝福


ちょっと陳腐かもしれませんが。。。
友人の生まれたての赤ちゃんを抱く時。その子達が会う度に成長していくのを見る時。胸がいっぱいになるような、宝物と出会う幸福感を感じます。

本当に命はそれだけで奇跡で、祝福なんだって。

でも自分自身もそんな祝福であることを、大人になる過程で、私達はつい忘れがちです。

なんのために生きているのか?
私はここにいていいのか?
存在価値をどうやって出していったらいいだろう?

そんな風に日々葛藤し、悩み、自分でないものになろうと努力をしたり、気持ちを無視して頑張り続けたり。。
時に自分の命さえ絶ちたい衝動にかられることも実は過去にありました。

友人の6歳の男の子がてらいもなく、「I know you love me, mama!」(ママが僕の事を愛してるってしってるよ)とニコニコして言うのを見た時。

なんて素晴らしいんだろう!自分が愛されていることを心から信じられること、そして愛してることを恐れず伝えられること。

これが出来たら、私達は何も怖くないんじゃないか、人生何があってもやっていけるんじゃないか。。そう感じました。

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初めてアメリカで迎えた誕生日。
CIA(the Culinary Institute of America)留学初年度でしたが、予期せずそsクラスのガールズがお祝いをしてくれました。

オトナになっても、こちらの人たちにとって、誕生日ってやっぱりスペシャル。だから、お祝いしなくちゃだめよ!みたいな勢いでレストランに連れて行かれ。。。

ハッピーアワーで乾杯し、ハッピーバースデーを歌いながらケーキをプレゼントしてくれました。

こんな体験は初めてで、めちゃくちゃ嬉しかった気持ちを今でもはっきりおぼえています。

生まれてきたこと、今まで生きてきたこと
それ自体が祝福で、存在そのものが祝福である

誕生日はその事を思い出させてくれます。

もちろん、産んでくれた母、育ててくれた家族、今までの人生で関わってきたすべての人があって、今の自分があって、その事への感謝を再確認する日でもあります。

私の中で、自分の誕生日を喜べるということは、自分の存在をまるごと愛することとリンクしていて、年々嬉しさが増した背景には、自分をどんどん好きになってきたからだと思っています。

3.ビジョンなき留学から2度めの誕生へ

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私の中でCIAに来たことは、変化の大きなきっかけでした。
でも実はCIA入学、そして卒業後何をするか、全くビジョンがありませんでした。

当時、自分自身にも周りにももっともらしい理由をつけていましたが、実際は、変化が欲しかったのだと思います。

もちろん、料理が好きで、そのレベルを上げたいという気持ちや、CIA卒のという「箔」をつけるのもいいかな?という想いもありました。

何より、見学に来たとき、ここで料理を学びたい!と強く感じたのです。

ここでの出会い、クラスメイトやインストラクターシェフ、学校のオフィスのスタッフ、キッチンスタッフ、ナパに来て知り合った沢山の方々との出会いはかけがえのないものです。

でも、一番大きかったのは、ここで自分自身と出会えたことでした。
ある意味、新たに自分として生まれ直したようでした。

CIAでは何のために留学をしたのか、自分はどうしたいのか、何を感じ、何を伝えたいのか。そういうことが曖昧では許されない世界でした。

この学校は職業訓練校の側面もあり、レジュメの書き方から、5年後、10年後のビジョンを描いてピッチ的なことをするコースもあって、34歳にして改めて将来どうなっていたいのかそれが今の自分ややっていることと、どう繋がっていくのかを考える事になります。

4.Mind(頭と思考)Heart(心と感情)をつなげるー多様性にオープンになる

とは言え、この時はまだ思考を使っていました。

「自分」がどうありたいかよりも、どんな形だったら「周り」から認められるか。

どんなキャリアだと、今までやってきたことと「整合性」が取れるか。

Heartの声ではなく、Mindの声ばかりに意識が行っていました。

しかし、ナパで、またその後に住んだバークレー近くのベイエリアでの出会いがさらに私を、本質へと近づけてくれます。

Mindではなく、Heartの声を聞く大切さや、どうしたら両者の声が聞けるようになり、バランスをとっていくことができるのか。

Heartのエネルギーの持つ力を研究しているHeartmath研究所というのがあったり、ヴィパッサナー瞑想の施設が2−3近くにあったり。

ベイエリアは、「スピリチュアル」や「ヒーリング」も盛んですし、一方テスラやGoogleに代表されえるテクノロジー系も先端をいく企業やそこに勤める人が多くいたり。

農業も主要産業ですが、大規模農業で機械化が進み、地下水を深くから汲み上げて散布するような農家もあれば、自然農法で、少しずついろんな作物を育てる人もいる。

環境アクティビズム、人種問題、格差問題、ドラッグの問題など、様々な社会問題が目に見え、身近に感じられる環境。

そんな中で私の価値観は、多様性に開かれていきました。

ほんとに何でもあり。

正しいとか間違っているもなく、いろんな考え方や思想も様々な色合い、度合いがあり、それを主張している人達にとってはそれはTruth(真実)なのだと、Mind(頭・思考)だけでなく、Heart(心・感情)で、Body(体/感覚)で納得したのです。

だからこそ、自分にもどんどん寛容になることが出来るようになってきました。

どんな自分もOKと受け入れられるようになると、人がどんな在り方、考え方をしていてもOKと受け入れられるようになります。

逆も真なり。

周りの人がどんな在り方で、自分と考え方が違ってもOKになると、自分を責める声もどんどん小さくなってきます。

そうすると、本当にやりたいことや、ビジョンが自由に浮かび上がってきます。

5.ビジョンとつながるには○○を外す

多くの場合、私達のビジョンをブロックしたり、自分の気持を見えなくするものは、この「自分を責める声」。

他人のどんな批判よりもすごいドリームクラッシャーが「自分責め」と「罪悪感」なのではないか。。。と私は感じています。

そしてこの「自分責め」の声や言葉は、本来自分の内側から出てきたものではないのです。小さい頃に周りの誰かに言われたとか、誰かが誰かを責めるのを聞いたとか、そういう体験を通して「価値観」を作り、その「価値観」を覆すもの、考えは持ってはいけない・・・

無意識のうちにそうプログラミングをしてしまっているのです。

6.日本での出会い 過去現在未来の自分を大切にするということ

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(こちらは今日自分を内観した時に浮かび上がったイメージを描いた水彩画)

2019年、4年と少しのベイエリア生活を終え、東京に帰った時。私はここで出会った自分をまた見失うのではないかと不安でした。そんな時にメンターの1人にもらった言葉。

「えりちゃんがここで感じて築いてきたものは、えりちゃんがどこに行っても、えりちゃんの中にある。もうここに来る前のえりちゃんとは違うよ。だから日本に帰っても大丈夫」

それを聞いた時は、半信半疑でした。でも、実際に帰ってみると、その言葉通り自分との繋がりが切れることはなく、外側や周りの人を見る見え方も以前のものとは違いました。そして私が周りの人に与える印象も。

そして日本での出会いがさらに、私の変化を後押ししてくれて。。。

今の自分だけでなく、過去の自分がフタをしてきたもの。感じないようにしてきた気持ち、伝えられなかったリクエスト。それらを今の自分が感じ、声に出して伝える事の大切さを教えてくれました。

最初は怖かったし、昔のことを蒸し返しても仕方ない。。と思う部分もあったけれど、向き合ってみる、伝えてみると、うまくいかなかった人間関係が急にスムースになったり、やりたかった事がいつの間にか実現したり、会いたかった人に会えたり、現実が変わってきたのです。

過去から現在まで、そしてこの先の未来も、自分を大切にするということは、ちゃんと自分を観る、無視しないってことなんだなと言うことが、現実として腹落ちしたのです。

昨年の誕生日までの1年の変化も振り返るとすごく大きかったなぁと思いますが、そこから今年の誕生日までの変化は、外側の変化よりも内側の変化が、またすごく大きかった!と感じています。

恋愛パートナーシップに関する考え方も変わってきて、より落ち着いて、満たされた想いを味わえるようになって来ましたし、働き方や何を仕事にするかという部分も、より大きな枠で考えられるようになってきました。

なによりも、どんな自分も無条件で好き!と心から思える状態は昨年より進化しています。

駄目な部分も、出来ない自分も、黒い気持ちを持つ自分も、「そんな時や駄目なとこもあるよね〜、いやむしろ可愛いし」とか、あ、「またこの子出てきたのね、ヨシヨシ」とか。

そして、周りにいい顔ばかりしなくなり、やりたくない事、心地悪い事を、相手に伝えられるようになったのも大きな変化かなと思います。

だから、今、時分史上一番生きるのがラクで楽しく、自分史上一番自分の事が大好きで、そしてこれはどんどん更新されるな。。。

そんな予感でいっぱいです。

こんな私を形作ってくれた、すべての人と出会いに感謝を込めて。

2021年9月12日

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