![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90086750/rectangle_large_type_2_e8e39f60e1ec753f3f76c3bf0fb06597.jpeg?width=1200)
【読書感想文】年収を増やすだけではなく、仕事がもっと楽しくなるかも。『バカでも年収1000万円』
今回紹介するのは、伊藤喜之 著の『バカでも年収1000万円』です。
著者はアライブ株式会社という名古屋の企業の取締役である伊藤喜之さん。伊藤さんは学生時代にスポーツで優秀な成績を残すも挫折し、その後のサラリーマン生活も散々で、ずっと「バカリーマン」として生きてきたと言います。しかし今では一企業の取締役に就任し、タイトルの通り年収1000万円を突破しました。
この本には、そんな伊藤さんがどんなマインドで仕事と向き合い、取締役までのぼりつめたのかなどのノウハウが詰まっています。
ちなみに私がこの本を手に取った理由は、私が勤めている企業の役員が本書を10年以上にわたり何回も読み返していると全社メールで公言していたからです。「役員が愛読する本ってどんな本なんだろう?」と興味を持った私は、そのメールを読んだ後すぐに近所の図書館でこの本を予約し、読んでみました。
年収1000万円を叶える「バカ6大奥義」
著者が語るノウハウはたくさんの種類があるのですが、中でも目を引くのは「バカ6大奥義」と呼ばれるもの。
その内容は以下の通りです。
毎週木曜日に降りてくる「成功の糸」を掴む
「超速行動」でエリートたちを置き去りにする
「弱点レーダーチャート」を使って、どんな大物ものもやっつける
99%の人がやらない「人に貸しを貯金する技術」を使う
夢や目標を捨てて身軽になる
「逆さまの法則」で成功を掴む
それぞれの詳細について知りたい方は本を読んで欲しいのですが、個人的には1の
「毎週木曜日に降りてくる「成功の糸」を掴む」が特に面白いと思いました。
「毎週木曜日」というのに理由はなく、正直何曜日でもいいそうなのですが(笑)、とにかく週に1度「今までに取らなかった選択を取る」と決めるのがいいそうです。そのやり方とメリットについて、著者はこう述べています。
「木曜日にくる今までチョイスしなかった選択肢は、できるできないにかかわらず、引き受ける」と決めていた彼(著者の後輩・Aクン)は、顧客(創業200年に及ぶ有名企業の社長)から仕事の相談を受けることがありました。
その日は、なんと木曜日。彼は自分にはできないかもしれないと思いつつ、恐る恐る「すぐやります!!」と言って、即、実行に移したのでした。
すると、その社長は驚きながら「もうやったのか!お前は変わっているな。仕事のデキはいまひとつだけど(笑)、すぐやるヤツは、なかなかいない。よし、今度メシに行くぞ!」と彼を誘い出したのです。
百戦錬磨の大物社長と「1対1」で食事をする機会はそうそうありません。Aクンは、その後もたびたび目をかけてもらえるようになりました。
Aクンはこういいます。「いつもならビビって何もできなかったでしょうが、木曜日にくる今までなかった選択肢を選んでみる!木曜日には、いままでと違うことをするというルールを決めていたからこそ、社長のオファーを無条件に受け入れることができました」と。
たったそれだけで、大きな人脈が築けたのです。
確かに「いつもの」を選び続けている限り、新しい発見を得ることはありませんよね。「いつもの」を選び続けていれば、「いつもの」世界しか見ることはできません。「いつもの」世界しか見ることができなければ、自分のキャリアや人生を進化させることも難しいかもしれません。
しかしいつもと違うことをやろうとすると、恐怖心が先立って尻込みしてしまう。だからその対策として「毎週○曜日はいつもと違う選択肢をとる」というルールを作ってしまうことで、自動的に新しい選択ができるようにするのです。
このルール化は個人的にとてもいいと思いました。私もよく「コンフォートゾーン(快適領域)を出る」ということを意識し、会社でもしゃべったことのない人となるべく話しかけるようにしているのですが、やはり億劫になることもあります。しかし「毎週木曜日はしゃべったことのない人と話をしてみる」というふうに決めていれば、「やらなきゃ感」が強まると思うのです。あと「週に1日だけでいい」というのが、変にプレッシャーにならず、適度に楽しみながら挑戦できる秘訣になるのではと思いました。
「幼いころの勝ちパターン」をビジネスに応用する
もう一つ、この本を読んでいて印象的だった部分があります。それは、見出しに挙げた「『幼いころの勝ちパターン』をビジネスに応用する」という言葉です。
著者いわく、「どんな人にも、その人特有の勝ちパターンがある」「『自分はこういうプロセスをたどると、こういう結果が出る』という、『その人特有の規則性や一貫性が、だれにでもある」とのこと。なので「仕事で思うような成果が出ない」などと悩んだら、自分の過去の成功体験を思い出し、そこに至るまでどういう過程をたどったのかを一度整理してみるのがいいそうです。
これには目から鱗が落ちました。確かに言われてみれば自分にも一応成功体験はあるし、もしかしたら「勝ちパターン」があるのかもしれません。ただ過去の成功が今の仕事と関係していると思わなかったので、まったく整理をしないままでいました。今の仕事でもっと成果を上げるためにも、一度自分の成功体験とそのプロセスを整理して、勝ちパターンを洗い出してみたいと思います。
本書『バカでも年収1000万円』は、 読んだらすぐに走りたく出したくなるような(?)、著者の情熱が詰まった1冊です。タイトルだけだと「年収を増やすノウハウが紹介されているのかな?」と思うかもしれませんが、個人的には「ここに書いてあることを実行したら、もっと仕事が楽しくなりそう!」と感じました。
なので年収を増やしたい方はもちろん、仕事の成果が出なくて行き詰まっている方、仕事がつまらないと感じている方、そしてこれから働き始める新入社員の方や就活生の方に読んでもらいたいと思っています。
***
そのほかの読書感想文はこちら。