ラストが印象的な映画集(ネタバレなし)
映画において一番大事な部分はどこだろう。視聴者の心を一気に惹きつける導入部分も大切だが、やはり鑑賞後に一番印象に残るのはラストではないだろうか。
今回は定番どんでん返し映画から個人的に好きなものまで、思わず唸ってしまうようなラストが秀逸な作品を紹介していく。重大なネタバレは避けるのでぜひご自身の目で確認してほしい。
1. シックスセンス(1999)
もしも今あなたがこの作品の結末を知らないのであれば、それは信じられないほど幸運なことである。記憶を消してもう一度観たいと願う人も多いはず。その手に持っているスマホを放り投げて、「シ」の文字すらも検索することなく、今すぐ映画を観てほしい。私は予備知識なしで鑑賞できた幸運な人間なので非常に面白かった。
2. ユージュアル・サスペクツ(1995)
こちらもどんでん返し映画の定番中の定番だ。物語の構成が非常にスタイリッシュで会話を中心に進んでいくスタイルがスマート。同じく検索厳禁だ。呆気に取られるラストシーンはカッコ良すぎて思わず息を呑むほど。結末を知った後に見返してもその緻密なプロットを楽しむことができる。私は3回以上は観ているかな。
3. シャッターアイランド(2010)
こちらもど定番。知らんなぁという方は何も調べずにGOですよ。レオナルド・ディカプリオはこういう役が本当にハマる。普通の中に潜む異常や狂気を表すのがとても上手い。そしてこの映画はラストのセリフが意味深だ。「え、どっちなの…?」と思わせるセリフと表情が一気に映画全体を切ないものにさせる。当時はまだ映画系のサブスクが主流ではない時代で私はDVDを購入した。
4. 真実の行方(1996)
こちらも定番だろう。二面性を持つミステリアスな青年を演じたエドワード・ノートンの演技は世界中で高い評価を受け、主演のリチャード・ギアの存在をかすめてしまった。弁護士という仕事の本質や善悪とは何かについて考えずにはいられない、法廷サスペンス映画だ。
5. インセプション(2010)
有名どころをもう一つ。難解な脚本でありながらSF、アクション、そしてホラー要素も取り入れた秀逸な作品。初見では理解しきれないかもしれないが、繰り返し観るごとに深みを増していく不思議な映画でもある。やはり際立つのは主演のディカプリオの怪演。正常と異常の間を行き来する演技には感服する。そしてこの映画のラストといえば!そう、あの駒がくるくる回るシーン。一瞬ぐらついて倒れそうに見えるのだ。専門の考察サイトができるくらいに様々な憶測が飛び交っているが、監督は未だに明言していない。果たして彼は戻って来られたのか…
6. ドラゴンタトゥーの女(2011)
こちらはJOKERと並んで私のオールタイムベストな一作。ルーニー・マーラ演じるコミュ障天才ハッカーのリスベットのキャラクターがもう、それはもう最高なのである(興奮)
ASDらしさ全開のリスベットはめちゃくちゃ無愛想で時に凶暴だが、ダニエル・クレイグ演じるミカエルに少しずつ心を開いていく。ミカエルは既婚者だがリスベットと身体を重ねるようになり(妻とは離婚協定中)、リスベットはミカエルに友情以上の感情を抱くように。映画ラスト、リスベットがメッセージカードを添えたクリスマスプレゼントを持っていくと(序盤ではこんなことをする女性ではなかったのに!)、ミカエルはもともと関係のあった愛人と腕を組んで建物から出てくるのだった。リスベットはおそらく人生で初めて他人に心を開きかけたのに、ミカエルにとっては妻以下、そして愛人以下の存在だったのである。ショックを受けたリスベットはプレゼントをどさっと道端のゴミ箱へ捨て、深くヘルメットを被りバイクで走り去る。かなり長尺な映画のため、私たちがこのシーンを観る頃にはすっかりリスベットの秘めたる優しさにメロメロになっているのに、待ち受けるのはなんとも切ないラストシーン。何度観ても人生の不条理さに溜め息が出る。
作中でなかなかにエグい強姦シーンが出てくるので人は選ぶけど、リスベットのことを一人でも多くの人に知ってほしいと思う。私は原作も読んだし限定版のDVDも購入した。ボンドとは全然違うダニエル・クレイグのどクズさが際立つ笑
7. ゴーストランドの惨劇(2018)
こちらもオチが読めない秀逸な作品。「そうくるか!」という斬新な発想はあっぱれだ。痛々しくてしんどい展開が続くものの根底に流れるのは確かな家族愛。絶望の中に見える希望に救われる。
8. ビバリウム(2021)
こちらは独特な世界観を持つ映画だがご存知の方も多いだろう。映画史上最も不快で気色悪い子供が出てくるが、彼の正体と目的は私たちの想像を軽々と超えていく。ちなみに主人公カップルが迷い込んだ世界では食べ物は無味無臭。私はコロナの後遺症で同じ症状を味わったので、その間この映画のことをずっと思い出していた笑。
いかがだっただろうか。今回紹介した映画はどれも自信を持ってお勧めできるクオリティだ。おそらくほとんどサブスクで観られるので、気になった作品があれば絶対に口コミなどを検索せずにご覧いただきたい。ドラゴンタトゥーの女に関してはそのうち偏愛記事を出そうと思う笑
最後までお読みいただき、ありがとうございました。