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ミンナのウタ(2023) 良い意味で予想外な作品。

 公開当時に映画館で鑑賞済み。アマプラで見放題配信となっていたので久しぶりに鑑賞。

 GENERATIONSのことは詳しくなく何人か顔は知っている程度。ファンサのアイドル映画かと思いきや清水崇監督らしいJホラーに仕上がっており、良い意味で予想を裏切ってきた映画。イケメンたちの演技もまぁまぁかな(お前は何様だよ)怖さはホラー映画初心者にはちょうどいいくらいだろうか。皆さん素敵だけどリーダーの亜嵐くんが特にかっこよかった。

〈あらすじ〉

人気ラジオ番組のパーソナリティを務める「GENERATIONS」の小森隼は、ラジオ局の倉庫で「ミンナノウタ」と書かれた古いカセットテープを発見する。その後、小森は収録中に不気味なノイズと少女の声を聞き、行方不明となってしまう。事態の解決を急ぐマネージャーの凛は、元刑事の探偵・権田に捜査を依頼。メンバーたちに話を聞くと、彼らもリハーサル中に少女の霊を見たという。やがて霊の正体は「さな」という女子中学生であることが判明するが、彼女が奏でる呪いのメロディによって恐怖の連鎖が引き起こされていく。

映画.com


〈感想〉

※以下ネタバレを含みます※

 序盤からかなりテンポがよく怪しい雰囲気が満載だ。GENERATIONSのメンバーはそれぞれ本人役で出演。一応メンバーの紹介シーンはあるものの、私のような素人にはそれだけでは誰が誰だか区別がつかない。関口メンディーさんはバラエティ等で見かけていたので分かるけど。でも物語が進むにつれて理解できるので大丈夫。

 番組の収録中やダンスレッスン中に怪奇現象に襲われ、やがてメンバーの一人が失踪してしまう。捜査をするために元刑事という探偵を雇う。普通はちゃんと警察に捜査を依頼すると思うが。この探偵役のマキタスポーツが尋常じゃないくらい良い味(出汁?)を出しており、彼のユーモアを交えた高い演技力のおかげでただのチャラチャラした映画にならずに済んでいる気がする。探偵はGENERATIONSの存在を知らないため、何度も名前を間違えながらもメンバーとやりとりし捜査を進める。そのうちにある「歌」の存在が浮かび上がる。

 メンバーのセリフの中には邦画あるあるの説明文が入っていたり、亜嵐くんとメンディーさんが声を揃えて「…カセットテープ!?」と口にするなど余計だなという演出もあるにはある。これも邦画ホラーあるあるだが怪奇現象の実態を突き止めるという構成になっているので、純粋なホラー映画というよりは謎解きミステリーのような展開になっているところもたまにキズ。得体の知れない敵にただひたすら襲われ続ける不条理なホラーの方が個人的には好きだ。

 歌を作ったのは”さな”という一人の少女。まぁ色々あって←自分の歌を拡散し、聴いた人を自分の世界に引きずり込もうとしている。おかっぱ頭にセーラー服のさなちゃんのルックスもまぁまぁ怖い。

 そして主人公さなちゃんよりも観客をビビらせたのがさなちゃんの母親(サムネの女性)。ネットを騒がせた突然走り寄ってくる例のシーン。映画館で観ていた時にずっとぺちゃくちゃ話していたDQN男が、このシーンでいきなり黙ったので面白かった記憶がある。映画館で喋るやつなんてそのまま襲われてしまえ。

 ラストで血まみれのさなちゃんがゆっくり階段を降りてくるシーンや、さなちゃんの弟の名前が”としお”であることは呪怨のオマージュとしか考えられず、清水監督の遊び心とホラーファンへのサービス精神を感じてしまった。

 リングや呪怨の衝撃には及ばないが、ここ最近のJホラーにしてはまぁまぁ良作なのではないだろうか。1時間40分という尺もちょうど良い。続編の「あのコはだぁれ?」も良さそうなので気になっている。

 ひとまず今作は現在アマプラで無料で観られるので是非ご鑑賞ください。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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