蝋人形の館(2005)「お前も蝋人形にしてやろうか」とは言わない映画。
いつも拝見させて頂いている渋谷裕輝さんの記事で絶賛されていたので、もう絶対に観る!と心に誓った作品。記事はこちら↓
結論めちゃくちゃよかった。ストーリー展開から映画全体のレトロで荒廃的な雰囲気、適度なグロ描写。ちょいと香ばしさを感じるタイトルとジャケ写ですが安心してください。
〈あらすじ〉
〈感想〉
※以下ネタバレを含みます※
ドラマ「スーパーナチュラル」でサム・ウィンチェスターを演じたジャレッド・パダレッキが出てきてびっくり。ウェイド役の俳優さんです。若いなぁ。思わず「サム!」と叫んではいないけどさすがに。このドラマ、ホラー好きはハマると思う↓
だからそんなウェイドが一番最初にサイコ兄弟に捕まって蝋人形にされる時も焦りは感じなかった。だっていつもなら兄のディーンや天使のキャスが助けに来てくれて、サムは地獄に堕ちようと悪魔に乗り移られようと無敵なんだから…
茶番はこれくらいにして本編に戻ろう。
ボーとヴィンセントは人々を生きたまま蝋人形にしてしまうサイコパス兄弟。彼らの住む街の住人は全員蝋人形にされている。生きたまま蝋で固められているのでポロッと手がとれれば断面は肉肉しいし、人形が燃えたら眼球はドロォっと溶ける。そんなヤバい街に迷い込んでしまった若者たちがこの兄弟と死闘を繰り広げる。
蝋人形しかいない街や蝋で出来た洋館の造りが個人的には大好きで、レトロなアメリカの田舎町でありながら古びたテーマパークみたいな雰囲気がとても良かった。またサイコ兄弟は結合双生児として生まれてきたので、弟ヴィンセントは分離手術を受けた際に顔に大きな傷を追っており、常に蝋でできた仮面を被っている。アイコニックなビジュアルが良い。
前半はカーリーとウェイドのカップルが主軸となって話が進む。どっからどう見ても怪しさしかなくとんでもなく臭そうな男の車に乗せてもらったり、訪れた知らない街で人のものや展示物にベタベタ触ったりとデリカシーのなさがやや気になったが、どうなるのかなというワクワク感で飽きずに見ることができる。ウェイドは襲われて蝋で固められるが、ぎりぎり死なないくらいに痛めつけられているので、蝋人形となった後も目だけをキョロキョロと動かす。そこに仲間の一人がやってきて「今助けてやる!」と蝋を剥がそうとすると…
パリス・ヒルトンがお色気担当として出演しており、完璧すぎる使われ方をしている。とにかくどこでも発情して彼氏とイチャイチャ…まぁ良いと思う。映画冒頭から死亡フラグをこれでもかと乱立しているので、どうやって殺されるのかなぁと考えてしまう。なかなかダイナミックな最期でした。
後半はカーリーとその兄ニックがメインとなり、兄妹VS兄弟の構図となっているのも面白い。兄ニックは最初こそワルっぽく描かれているが、実は友人の罪を被って逮捕されていたことや妹カーリーを想う熱い気持ちが描かれおり、ちょっとベタだけど格好いい。勝気なカーリーと荒っぽいけど情に厚いニック。この二人のタッグが見ていて小気味よいのだ。ドロドロと溶けていく蝋の館からの脱出劇は緊迫感があり迫力満点。ボーとヴィンセントの死体は重なりあって溶けていき、奇しくも生まれた時と同じ姿になっているところも抜け目ない。
何とか脱出し救急車に乗るカーリーとニック。ラストで実はサイコ兄弟は3人兄弟でもう一人いるという事実が発覚する。それはもちろんカーリーとウェイドを乗せてくれた男であり、ニヤニヤしながら手を振っている姿が一瞬写って映画は終了。私は「カーリーたちが乗る救急車をこの男が運転している」というバッドエンドかと思って身構えたが、そうならなくて本当に良かった。この二人には助かってほしかったので。
どうしてこの3人目の兄弟(レスターというらしい)がカーリーやウェイドやニックたちを襲わずに逃したのか。鑑賞した方でご意見があれば是非コメントください!
この男はあくまであの街に獲物を誘導する役割だから直接手は下さない、と私は解釈したのだがどうだろう。冒頭の兄弟の幼少期のシーンにも彼はいなかったので後から生まれた一番下の弟なのか。あと動物の死骸を集めていたことは何かの伏線?ただの生業なのか。謎が多いまま終わってしまったので皆さんの意見が聞きたいと思った。
渋谷さんもおっしゃっていたように、蝋人形が出てくるまでに時間がかかり過ぎていて、前半がずっと若者たちのドラマパートになっているのがやや勿体ないなと感じた。もっと序盤から怖いイベントが起こっても良かったと思う。
あとは最後に警察が「この街は地図にも載っていなくて分からなかった」的な言い訳をしているが、そんなことある!?と思わずつっこんでしまう。めちゃくちゃ行方不明者とか出てたでしょ?笑
まぁその辺りはご愛嬌。
今ならNetflixで配信中です。ぜひご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?