リトルデビル(2017) ※ホラー映画ではありません。
どこかで情報を仕入れて気になっていた作品。オーメンやエスターを思わせる「何かがおかしい不気味な子供」という設定ながら、数多のホラー映画のパロディをふんだんに取り入れたコメディー作品だ。Netflixオリジナル。どこかトム・クルーズみのあるアダム・スコットが主演を務める。
B級映画ではあるが最後までまぁまぁ飽きずに観られるストーリーだし、仕事終わりにリラックスしながら観るにはちょうど良い。ホラー映画好きなら「ふふっ」とほくそ笑んでしまうシーンが盛りだくさん。最後にちょいと一捻り。ネタバレは避けます。
〈あらすじ〉
<感想>
不動産屋で働くゲイリーは、妻の連れ子である6歳の少年ルーカスとの関係に悩んでいた。ルーカスは一切笑わないどころか一言も発さず、ゲイリーへの態度はそっけない。あの手この手で息子と仲良くなろうとするゲイリーを妻であるサマンサは優しく見守っている。
人差し指を立ててシーっとしてくる不気味なお爺さんや、突然の手元のアップ+大きな音など、どこかでみたことのある演出をちょこちょこ挟んでくるのが面白い。途中ルーカスが砂嵐のテレビに手を当てているシーンは完全にポルターガイストだし、ストーリーとは全く関係ない双子の少女が出てきてシャイニングを無理やり入れてくる笑。お腹を抱えて笑うような派手さはないけど、このくらいのゆるいテンションのコメディー嫌いじゃない。
妻のサマンサは典型的なおバカ美人タイプ。息子ルーカスが教師に暴言を吐いて飛び降り自殺させてもゲイリーを棺桶に入れて裏庭に埋めても、とにかくルーカスの肩をもつ。ゲイリーとベッドでいちゃいちゃしながらさらっと「あの子はねぇ、カルトにハマってた時に気づいたらお腹にいたのよ。若いから無知だったのよ〜」と唐突に爆弾解除してくる。元カレたちはほとんど不審死を遂げているが「あの子は辛い思いをしているの。子供を悪者にしないで!」とのたまう始末。視聴者のイライラを全て背負ってくれる貴重な役どころだ。
この映画で印象的なのはゲイリーのパパ友たち。ある同僚はかなり大柄なトランスジェンダーの男性で、始めはちょっとノリがうるさいが途中からステップファーザーどうし良き相棒に。ゲイリーはルーカスとの関係性に手を焼いて子育てセラピーに通い始めるのだが、そこで出会った仲間も皆ダメンズ臭がすごい。だけど一応ゲイリーを助けるために集まってくれたり(役には立たない)、最後はなんだかんだ良いパパになっていてほっこり。男たちのバカさ加減が見ていて微笑ましい。
色々あってルーカスは悪魔の子だと確信したゲイリーはルーカスの殺害を企てる。プールで溺れさせようと考え一緒にプールで遊ぶが、そこで初めて笑顔を見せ楽しそうに遊ぶルーカスに情が湧き、ゲイリーは息子を殺害しようとしたことを後悔する。
ル「裏庭に埋めてごめんね」
ゲ「良いんだ、わかってる」
ゲ「浮き輪に砂を入れてごめんね」
ル「良いんだ、わかってる」
父子の会話がシュール過ぎて面白い。お互い寛容すぎるw
親子が打ち解けてから物語は一気に急展開を迎える。ルーカスが悪魔の子というのは間違っていないが黒幕は…。最後は呆気ないほど平和な終わり方をするので、不意打ちでほっこりしてしまう。そこはオーメンのダミアンのようにカメラに向かってニヤッとして欲しかったけどなぁ。
Netflix独占配信中。ぜひ肩の力を抜いてご覧ください。
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