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【40回】読書日記(190127)
○河合克敏「とめはねっ!」(小学館)
「帯をギュッとね!」「モンキーターン」と河合克敏作品は好きだ。
柔道の次に競艇。「えっその題材は!」と驚いたものだ。けれども、競艇の次が「書道」だとは。
好きな理由は2つ。
「目の付け所」が違う。しかも自分にとって未知の題材なのに、おもしろい物語に仕上がっている。だから読みたくなる。
もうひとつ。絵が好きだ。人物にせよ背景にせよ、無駄な線が少ない。シンプルなのだ。そもそも高校生のキャラクターに鼻の穴まで描くのに、写実的すぎない。それがいい。例えば、主人公大江縁を描いてみた。
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線が少なくシンプルでどんどん描きたくなる。ただし、女性キャラクターは髪の毛で線をたくさん引いているため、ちょっと模写にはコツがいるかもなあ。
この漫画を読んで、書きたいこと。
1つ目は、「書道について知識が増える」
2つ目は、「恋愛結末の工夫」
3つ目は、「教師の視点」
というわけで、別に3回にわけて記事を書きます。
○池上彰「池上彰の『天皇とは何ですか?』」(PHP、2018年8月)
僕の好きなジャーナリスト池上彰。「天皇について」の入門書。
天皇は国民の象徴です。
そう言われても、具体的に何をしているの?と子どもに聞かれたらどう答えよう。
天皇は「国民のそばにいらっしゃる、国民をお祈りする存在」と答えようか。
天皇が「国民のそばにいらっしゃる」ことが「国民の象徴」につながる理由。
僕の感じ方ではあるが…。
天皇陛下のお言葉がまず心に残る。
2016年8月のお言葉だと
「天皇の位についてから、ほぼ二十八年、この間私は、我が国における多くの喜びの時、また悲しみの時を、人々と共に過ごして来ました。私はこれまで天皇の務めとして、何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが、同時に事にあたっては、時として人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切なことと考えてきました。」(p135-136)
平成は大きな災害が続いた時代。雲仙普賢岳の噴火、阪神淡路大震災、東日本大震災。
そのとき、天皇陛下は、国民の目線に立って、被災地を訪問してくださった。
先日の胆振東部地震でも。昨年11月に厚真町を訪問されたとき、84歳である。84歳となれば、旅に出るのもしんどい。それなのに、国民のために、きっちりとお見舞いに来てくださる。
真っ暗になっていて、ロウソクを立てて過ごしておられました。電気が消えている人たちがたくさんいるから、自分たちもそうするというお話でね。計画停電が始まったら、一定の時間帯は、電気を使わないようにされていた。(p232)
東日本大震災後に計画停電が行われたとき。皇居は計画停電から外されていたのにも関わらず、国民とともにいらっしゃることがわかるエピソード。
また、同じく東日本大震災で救助にあたった警察や消防、自衛隊の人たちに、「ご苦労さま」ではなく「ありがとう」とおっしゃったエピソード。(p229-230)
僕は被害当事者でもないのに、例えば、厚真町をご訪問されたニュースを映像で見たときも、なぜか心がしびれるジーンとくるものがあった。
天皇陛下が国民の立場を考えていらっしゃる。今、国民がどういう被害にあい、自分ならどうしたら、国民の気持ちになることができるか、考えて行動していらっしゃるからではないか。
天皇陛下は「頑張れ」とは一言もおっしゃっていない。にもかかわらず、陛下にお会いした被災者の人は「頑張れと言われました」と言う。自然に励まされた気持ちになるというエピソード。(p231)
国民の、目の前にいる人の立場に立つことができるからこそ、声をかけられた人たちに励ましの気持ちが届くのではないか。
天皇陛下が上皇となる。まさか「院政」のときに聞いた「上皇」という単語を、生きている内に現実のものになるなんて想像もできることではなかった。新しい制度。特例ではあるもの。
なのに、天皇制を廃止せよと言う議論にはほとんどならない。日本という国にとって、国民にとって、天皇は間違いなく、象徴なのだ。
「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」(p191)
天皇陛下はこうおっしゃる。
象徴天皇が途切れることが最もおそれること。ならば、男性だろうと女性だろうと、その時代に応じて、天皇陛下になっていただけたらいいと考える。