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西九州新幹線問題解決のために(各整備方式検討~フル規格新幹線と在来線等との両立策)

私はこれまでにも西九州新幹線(九州新幹線西九州ルート・九州新幹線長崎ルート・長崎新幹線)に関する考察を投稿しました。

今回の記事では
現時点での考えや作成した画像等を再編集し、改めて投稿します。従って、上記の記事と重複する内容があることをご了承ください。そして、今回の記事で追加して申し上げる内容もあります。

記事本文


佐賀県をはじめ「関係6者」は武雄温泉以東、フル規格では合意していない →フリーゲージトレインで合意

フリーゲージ直通が出来ないのならば
フリーゲージ合意前の段階に戻った手順を取るべきとのこと

参考になったインターネット記事を引用します↓

こじれる長崎新幹線、実は佐賀県の“言い分”が正しい
杉山淳一の「週刊鉄道経済」からの引用

※2019年05月17日 07時00分 公開された記事です。

佐賀県は新幹線の整備をこれまでも求めていないし、今も求めていない――。4月26日、政府与党の長崎新幹線検討委員会で、佐賀県知事の発言は衝撃的だった。佐賀県に対する、政府、長崎県、JR九州の配慮の全否定だ。とんだちゃぶ台返しだ。いや、佐賀県から見れば、ちゃぶ台すらなかった。しかし、佐賀県の考え方は一貫して筋が通っていた。どんな譲歩案を示したところで、それが新幹線建設を前提とするなら、受け入れられない。
 佐賀県が長崎新幹線のフル規格新幹線化やミニ新幹線化に反対していることは承前。その理由は佐賀県の費用対効果、負担金だと考えられていた。だからこそ「長崎県が肩代わりすればどうか」「JR九州の負担を増やしたらどうか」などと議論されてきた。政府もそろばんを何度もはじき直して、佐賀県の主張する負担金額より低い見積もりを示してきた。


カネの問題は全て邪推
 長崎新幹線建設計画の経緯については後述するが、確かに費用対効果という面で佐賀県のメリットは少ない。対福岡圏という意味では、新幹線による所要時間の短縮は15分程度。現在、博多~佐賀間は特急「かもめ」で37分だ。37分を22分にするための佐賀県の負担は約1200億円。これは政府与党の最新の試算である。しかし、自治体負担分については地方債を発行でき、地方債の元利償還金については国からの地方交付税が充当できる。差し引き、佐賀県の実質負担金は660億円程度だという。これでも佐賀県は首をタテに振らない。
 これは佐賀県が新幹線の費用対効果を認めていないからだ、と多くの人々は考えていた。そもそも長崎新幹線については、長崎県と佐賀県の費用と効果のバランスが悪い。博多からの時短効果は長崎県が大きい。しかし新幹線の建設距離は短いから費用も少ない。佐賀県は時短効果が小さいにもかかわらず、建設距離は長崎県より長く費用負担も大きい。不公平な枠組みである。そんな背景もあって、長崎新幹線の正式名は「九州新幹線(西九州ルート)」となった。長崎を前面に出してはいけない。佐賀県に配慮しよう、というわけだ。
国が「フリーゲージトレイン開発が遅れた責任」を取り、賠償金として費用負担するという案も出たらしい。これはひどい。フリーゲージトレインの開発者は真摯(しんし)に取り組んでいるはずで、現在もそうだろう。勝手に期限を切られただけで、遅れたわけではない。
フリーゲージトレインの技術自体は必要で、実用化すべきである。国が「未完成の技術を盛り込んで新幹線計画を進めた責任」を取るなら分かる。「開発遅れの責任」と、技術者に転嫁してはいけない。これは技術開発に関わる者全てを侮辱している。ものづくりニッポンを掲げるなら、絶対に言ってはいけない。誰が言い出したか知らないけれど、失言の責任を取るべきレベルだ。
 ただし、これらも含めてカネの問題は全て邪推だった。もともと佐賀県は新幹線を必要としていない。カネの問題ではない。費用負担がゼロでも新幹線はいらないと言い切った。いったい、どこから認識がすれ違ってしまったか。
佐賀県の反対の理由は事業費負担だ。そう思わせた原因は佐賀県にもある。これまで佐賀県は、佐賀県側の事業費を挙げ、効果に対して大きすぎると訴え、報道されてきたからだ。これでは「駆け引き」を疑われても仕方ない。しかし、ここにきて「はじめからなかった話」と言い出した。これは戦術の変更に見える。
 果たして「佐賀県が今までも新幹線を求めていない」は本当だろうか。知事の発言だから、そこは間違っていないはず。しかしそこで疑問がある。佐賀県の合意なしで、なぜ長崎新幹線は着工できたか。整備新幹線の着工の条件は「費用対効果の算定」「運営事業者のJRの合意」「沿線自治体とJRの並行在来線の処理の合意」である。つまり、自治体の合意なしでは整備新幹線を着工できないはずだ。
 実はここに落とし穴があった。鳥栖~佐賀~武雄温泉間は、もともと並行在来線問題がなく、合意すらされていない。合意は武雄温泉~長崎間だけだった。
長崎新幹線の経緯を振り返る。建設については1972年の全国新幹線鉄道整備法に基づいて建設基本計画路線に指定された。ルートについては73年に「博多~筑紫平野(新鳥栖)~佐賀市付近~長崎」と定められた。85年に国鉄はルートの具体案を示した。このときのルートは早岐経由で、佐世保市への配慮があったという。佐世保市が、試験運行中に放射線漏れ事故を起こした原子力船「むつ」の修理を受け入れたからだ。
 しかし、87年に国鉄が分割民営化すると整備新幹線建設の枠組みが変わる。国鉄は国策に沿って新幹線を受け入れるけれども、JRは民間会社だから国策で強制できない。まずは新幹線の受け入れについてJRの合意が必要になる。そこでJR九州は「国鉄案では合意できない。早岐経由では遠回りで採算が取れない」とし、現在のような短絡ルート、フル規格新幹線ではなくスーパー特急方式を提案した。
 
 スーパー特急方式は事業費が小さく、在来線にも直通できるメリットがある。また将来、フル規格新幹線へ昇格可能だ。そこで北陸新幹線長野~金沢間、九州新幹線鹿児島ルートもスーパー特急方式で建設予定だった。


並行問題を解決していない
 92年、運輸省は博多~鳥栖~佐賀~武雄温泉を在来線経由、武雄温泉~長崎間をスーパー特急用新線に直通させるルートを策定。国、JR、沿線自治体の合意が得られた。武雄温泉~長崎間のうち、並行在来線となる長崎本線の肥前山口~諫早間については、新幹線開業後20年間はJR九州が運行する。これも長崎県と佐賀県が合意している。しかし、鳥栖~佐賀~武雄温泉間は在来線ルート経由として佐賀県は合意している。在来線を使うから、この区間に並行在来線問題さえ存在しなかった。
 一方、新幹線建設予定の自治体からはフル規格新幹線化の要望が高まった。そこで北陸新幹線、九州新幹線鹿児島ルートはフル規格新幹線で建設が決まった。長崎新幹線のスーパー特急区間も同様にフル規格新幹線化の要望が強まった。しかし、鳥栖~佐賀~武雄温泉間の在来線直通を念頭に置いているため、フル規格新幹線化はできない。
 そこに新たな光が差し込んだ。フリーゲージトレインの実用化だ。フリーゲージトレインなら、武雄温泉~長崎間をフル規格新幹線に昇格させても、博多~武雄温泉間の在来線直通の枠組みは保てる。しかもフル規格新幹線に昇格した九州新幹線鹿児島ルートに新鳥栖から直通できる。さらに山陽新幹線、東海道新幹線に直通できる。そこでフリーゲージトレインの採用が決まり、武雄温泉~長崎間はフル規格化された。
 ここで佐賀県はどうしたかといえば、静観である。佐賀県内は在来線を使うという枠組みは変わらないからだ。佐賀県内は在来線のまま。他はお好きにどうぞ、である。


手続き上は佐賀県が正しい
 ところが、フリーゲージトレインは開発が遅れ、国は実用化を断念する。もともと実用段階にない技術を前提とした建設計画が甘かった。(関連記事:フリーゲージトレインと長崎新幹線の「論点」
 ここで佐賀県と長崎新幹線フル規格支持側の見解が分かれた。
 佐賀県としては、フリーゲージトレインが実用化されないならば、その前の段階に戻るべきだと考えている。フル規格新幹線として工事中の武雄温泉~長崎間をスーパー特急方式に戻せ、と。
 長崎県、政府与党プロジェクトチームは、フリーゲージトレインが実用化されないならば、両端の武雄温泉~長崎間、新鳥栖~博多間はフル規格新幹線でつくることだし、佐賀県内もフル規格新幹線をつくればいい、と考えている。
 さて、どちらが正しいだろう。これまでの経緯をおさらいすると佐賀県の方が正しい。
 佐賀県は92年の合意に忠実であるだけだ。鳥栖~佐賀~武雄温泉間にフル規格新幹線をつくるとすれば、JR九州との合意はできているだろう。費用対効果の算定もフル規格が有利と示している。しかし、「沿線自治体とJRの並行在来線の処理の合意」について、話し合いすら行われていない。整備新幹線の着工条件を満たしていない。
 山形・秋田新幹線のような在来線乗り入れ方式のミニ新幹線にすれば並行在来線問題はない。しかし、長崎本線をミニ新幹線にすれば在来線列車の運行に支障が出る。軌間変更工事中は運休するし、新幹線優先のダイヤにすれば在来線列車に影響する。
 まずは新幹線を建設するにあたり、鳥栖~佐賀~武雄温泉間の在来線をどうするか。その話し合いを始めなくてはいけない。しかし、この肝心な手続きをすっ飛ばして、佐賀県に「フル規格新幹線にしますか」「ミニ新幹線にしますか」という選択を迫っている。これでは佐賀県が同意できるわけがない。佐賀県が交渉のテーブルに立つ義理もない。
 佐賀県以外の人は「なぜ佐賀県はかたくななんだ」「良い条件を引き出そうとゴネているだけではないか」と思うかもしれないけれど、それは間違っている。私のように事業費負担の問題だと思う人がいるかもしれない。それも間違っていた。
 佐賀県は「間違った手続きには応じない」。それだけだ。佐賀県の態度は法治国家として正しい。


それでもフル規格新幹線をつくるべきだ
 佐賀県は正しい。しかし、日本の将来を見据えれば、鳥栖~佐賀~武雄温泉間のフル規格化は実施すべきだと思う。理想的な形は、きちんと佐賀県と並行在来線問題を話し合い、フル規格新幹線を建設することだろう。佐賀県は費用対効果に疑問を持っているけれども、視野を京阪神直通まで広げれば、佐賀県にも利点の多い話だ。
 私の1度だけの観察しか根拠がないけれども、新鳥栖駅で九州新幹線と在来線特急「かもめ」を乗り継ぐビジネスパーソンは多かった。山陽新幹線直通列車からの乗り換え客だろう。新幹線があれば、佐賀県に活力が生まれると信じている。どうか佐賀県もフル規格新幹線の利点を理解してほしい。新幹線は佐賀県だけの問題ではなく、国民の財産でもある。国民にとって佐賀県にアクセスしやすくする手段は必要だ。
 それでも佐賀県がフル規格新幹線を拒むなら、武雄温泉で新幹線と在来線の乗り換えが発生し続ける。この方式は所要時間がほとんど短縮されず、運賃、特急料金が上がる。この状態は避けたい。(関連記事:迷走する長崎新幹線「リレー方式」に利用者のメリットなし
 当面の解決案は2つ。一つは92年の合意の段階に戻し、スーパー特急方式に戻す。武雄温泉駅で乗り換えるよりマシだ。武雄温泉~長崎間は高規格路線だから、現在の在来線特急「かもめ」より所要時間がちょっとだけ短くなる。ただし、フル規格で着工した武雄温泉~長崎間を「元の計画に戻す」費用がかかる。
 もう一つは、佐賀県の意向とは関係なく、新たな直行ルートで長崎新幹線を建設する。新鳥栖ではなく、博多南駅付近から武雄温泉駅まで直進する。膨大な費用が必要だ。しかし、もちろん佐賀県の事業負担なしで建設する。新鳥栖も、佐賀も、肥前山口も通らなくていい。佐賀県は新幹線を求めていないから当然だ。佐賀県の中心地に寄り添う必要はない。
 博多南~武雄温泉間直行ルートであれば、長崎~博多間、長崎~京阪神間の所要時間はもっと短縮できる。長崎県にメリットの多いルートだから、長崎県の負担を増やしてもらおう。新ルートとして捉えて、鳥栖~佐賀~武雄温泉間を並行在来線とはしない。JR九州が運行する。そのかわり、独立した1つの路線として営業成績が思わしくなければ、自治体に対して存廃の話し合いに応じていただく。
私はどちらかといえば後者が良いと思う。私はいままで、「九州新幹線西九州ルート」と呼んでいたけれど、今回はあえて「長崎新幹線」と書いた。その理由は、佐賀県抜きで新幹線をつくってもいいと思ったからだ。
 それでも、私の本音は現行の長崎本線に沿ったフル規格新幹線だ。佐賀駅も経由してほしい。佐賀県も政府与党プロジェクトチームも、はじめから正規の手順で協議をやりなおしてほしい。何よりも佐賀県に新幹線の価値を正しく評価してほしい。

出典:こじれる長崎新幹線、実は佐賀県の“言い分”が正しい
杉山淳一の「週刊鉄道経済」
2019年05月17日 07時00分 公開
[杉山淳一,ITmedia]

以上の指摘等も踏まえ

佐賀県からの合意形成を得るには

並行在来線問題を起こさない(在来線をJRのまま維持・活用できる)方法を取ること

新幹線整備では様々な整備方式(5択)が出ているので再検討した上で改めて整備方式を決めること

以上のことが必要では
この問題意識に基づき、自分なりに整備方式(5択)を再検討してみたい
一般人レベルでも再検討する意識を創るのが必要だと思ったため

整備方式検討1:リレー方式

他の整備方式に決まるまでの暫定的方式であることが望ましい

理由:
リレー方式での固定だと交通基盤への整備投資が緊縮的で佐賀→福岡博多天神方面に考えが偏る。整備方式5択検討も通じてより広い範囲の維持活性化を模索することが大切だから。
例えば、
最終的にフル規格に決めるとする場合、並行在来線地域への対策として駅の新設や在来線と路線バスの接続・連携などの策を取り、並行在来線地域の利便性対策を取ることもできるが、リレー方式で固定してしまうとそのような策もなく衰退する懸念もあります。

整備方式検討2:フリーゲージトレイン

説明を画像で行ないます。
※投稿後追記事項等がある際は追加します。

まずは局所的な使い方から実用化すべきと考えます

補足説明:
新幹線昼行列車のように列車・車両数が多くなる使い方、今は難しいと思います。また、元々交通インフラ投資をケチるための方法でもあるので、フリーゲージに傾倒するのは正直好ましくないです。
画像内に書いたような非日常で周遊的な列車など、客単価の高く列車・車両数が限られる使い方から実用化していくと良いと思いました。そのような列車の一種の付加価値も上がるでしょう。より非日常感を体験できますので。
個人的には
●在来線同士では
 ・食事提供型観光列車(運行コースを定期的に変えられるような列車)
●新幹線ー在来線間では
 ・周遊観光列車(信越本線廃止区間などを通行)
 ・夜行列車(長崎ー西九州新幹線ー久大本線ー大分ー宮崎方面)
などで使用できないものだろうかと考えました。


整備方式検討3:フル規格新幹線車両の在来線直通

ミニ新幹線車両ではなくフル規格大型車両を在来線に直通できるようにする

補足説明:
フル規格車両を在来線に直通する区間と線路構造物を完全に新設するフル規格の区間を組み合わせるような方法もあって良いと思います。なお、今回の個人的想定では
肥前山口(江北)駅―佐賀駅間を上記の在来線直通区間とすることも想定しています(後述)。

整備方式検討4:スーパー特急

考察や提言の要点:
西九州新幹線の全線をスーパー特急とするのではなく、部分的な区間を暫定的に「スーパー特急」方式として線路構造物を新規建設、その後フル規格車両が走れる線路を繋ぎ合わせ最終的に全線全区間でフル規格車両が直通できるような「段階的な整備」を行なう。
「一気にフル規格」というよりも
段階的に整備し最終的に全区間フル規格車両直通
という手法のほうが合理的で合意形成も創りやすいと思いました。

スーパー特急方式を採り入れると段階的な整備でき、最終的にフル規格にすることもできる

また、「スーパー特急」として暫定的に新規建設する線路構造物は標準軌フル規格新幹線用線路と狭軌在来線線路を並列する手法も採り、新幹線と在来線を共存し、お互いに補い合う関係性を創り出す

新規建設線路構造物にフル規格新幹線と狭軌在来線線路を「単線並列」するイメージ図
新幹線高速走行による風圧等が問題になる場合は真ん中の空間を余裕持って取るなどの工夫を
途中で列車交換する可能性のある箇所は局所的に複線にしてダイヤ設定し易くし安全性も高める

局所的にスーパー特急方式で線路構造物を新設し、最終的に全線フル規格にするのも一つの方法と考えます。併せて在来線の維持活用も図る。その段取りの例を図面で申し上げます↓


スーパー特急からフル規格への段階的整備を図る段取り画像4枚をGIF形式にしました

※こちらの図では肥前山口(江北)―佐賀駅間もフル規格線路構造物を新設する想定で図を描きましたが、
個人的には後述するように肥前山口(江北)―佐賀駅間は在来線にフル規格車両が直通できるよう在来線を改修する方法(標準軌フル規格新幹線車両の在来線直通)を採ることも想定しました。


整備方式検討5:フル規格

考察や提言の要点:
●肥前山口(江北)駅にも新幹線駅設置・久留米駅で鹿児島ルートに合流するルート選定を希望します
個人的な希望は佐賀空港経由久留米合流です
先に申し上げたスーパー特急の段階的な整備で最終的にフル規格にするという方法も良いと思います
●福岡(博多)方面だけで無く東九州(日田市など大分県)方面への接続利便性も考慮してほしいです(新鳥栖合流だと ゆふいんの森 等と接続出来ない)
●並行在来線対策として、路線バスとの接続も考慮した駅の新設なども考えました(新幹線と在来線が両立できるために。後述します)

西九州新幹線全線フル規格にする場合のルート案

(参考)
西九州新幹線問題と関連し、佐賀空港などに関して考えたことも紹介します↓

今後は新幹線と在来線を空港間連絡鉄道としても

↑画像中、下の段の文章は特にスマホでは小さくて読みにくいと思いますので、こちらにも内容の概要を書き足します。

今後全国的な新幹線整備の再、広域的な鉄道である新幹線とJR的在来線を空港間連絡鉄道としても活用していく(必要な区間は路線新設)
 →空港間を跨いだ航空便の乗り継ぎも出来るようにする
 →地方同士間を結ぶ直行便の就航もし易くなる
今の地方空港国内線の殆どが羽田・伊丹~各地間路線ばかり。鉄道アクセス無い故空港アクセス範囲が狭く最低限の航空便しかつなぎ止められないためだろう。
新幹線等鉄道の空港経由を通じて、これまで関わりの乏しかった地方同士の関わり(特に経済面)を創ると交通需要も増えるし、佐賀・長崎を含めた全国の生き残りにも。
 →オンライン・リモートの類いが普及するとしても公共交通網があり、対面交流できる地域でこそ経済取引も生まれる。行くことが出来るということから興味関心が湧き、それがきっかけになるから。
今は在来線新設が難しいとしても鉄道網を広域的に活用する観点を持つのが大事


以上で、「5択」の整備方式に関する個人的な考察と提言を終えます。

一旦はフル規格だけで考えるのを立ち止まり、各自5択に関して再検討する過程を経ることが主に佐賀県側からの合意形成を引き出すことにつながると思います。
5択の検討を通じてフル規格新幹線と既存の在来線を両立・共存できる方法を模索することが大事ではないでしょうか。

次よりフル規格実現のために必要だと思った考え方を申し上げて参ります。(note記事では今まで投稿できていなかった内容に入ります)

西九州新幹線フル規格実現したいならば

整備方式の再検討をすることに加え、フル規格整備がされても在来線を維持出来ることが大切
→新幹線と在来線の両方JRで運行できる様な策を模索し提言すべき

そのためには、佐賀・長崎だけで考えるのではなく鉄道路線網広く見渡す観点もあると良い
鉄道網は単一路線で成り立つものではなく、いくつもの路線が組み合わさることでより価値を発揮するから。新規に鉄道網を敷設するならば既存路線網の足りないところを補強するような新設をし、より広い地域に鉄道整備効果を広げる観点もあって良い。この観点から以下の図を見て頂きたい↓

西九州と東九州を西九州新幹線久留米接続で結んでほしいです

西九州新幹線の問題においては
天神・博多・本州方面ばかりに関心が偏っている。特に新幹線に否定的な考えを持つ人の場合、
「新鳥栖まで行けば(福岡・本州方面に)乗り換えできる」とも言っている。
しかし、佐賀・長崎から東九州方面に行くという考えに乏しい。

これからは対大都市だけでなく、
各地方や地域同士のつながりを創り出しそこから経済・観光的交流を生み出すことも各地域の維持活性化に必要。大都市一極集中を是正するためにも

このため、鉄道整備のチャンスである西九州新幹線を用いて、佐賀・長崎(西九州)から東九州への鉄道による利便性向上を図る観点から

新鳥栖ではなく久留米での合流を提言したい

個人的には佐賀空港経由久留米合流を主張します

理由1:
長崎駅からの系統を佐賀空港経由にすれば佐世保・ハウステンボス・肥前鹿島からの特急を佐賀駅経由で在来線特急も残せる。つまり、新幹線と在来線特急が重複せず両立できる

理由2:
新幹線の佐賀空港経由は将来的に他の地域の新幹線も沿線空港経由にすることで国内地方航空(空港)と新幹線網を組み合わせ、地方間同士の様々な交流を創り出す基礎にもなる

※筑後船小屋ではなく久留米合流としているのは新幹線の駅数や総延長のバランスを考慮したため

※航空との競合関係を避け新幹線網と連携していくには
得意とする距離(新幹線は500~800km迄、航空は新幹線等の鉄道では遠すぎる距離)で棲み分ける
●東京・関西以外の地方空港間路線の充実をする(佐賀など九州~東北・四国~東北・北海道など)

国や与党などは佐賀駅経由に拘るようだが、個人的には改めて佐賀空港経由久留米合流を主張したい

今回の在来線維持活用策の前提

ルート選定も改めてやり直す必要があると思われる。なお、2021年11月の試算結果には疑問が残る。

2021年11月22日佐賀新聞の報道

九州新幹線長崎ルートの新鳥栖-武雄温泉の整備方式を巡り、国土交通省は22日、フル規格で整備する場合に想定される三つのルートの建設費や所要時間を比較した検証結果を佐賀県に示した。政府与党やJR九州が推す佐賀駅経由のルートが最も投資効果、収支改善効果が優れているとする内容。検証は県からの提案を受け、佐賀市南部の佐賀空港経由と、市北部の長崎自動車道方向に回るルートを対象とした。
 県庁で約半年ぶりに開かれた整備方式に関する「幅広い協議」で、国交省の川島雄一郎幹線鉄道課長が、山下宗人県地域交流部長に比較検証を説明。
 概算建設費が最も高いのは空港経由で1兆1300億円。トンネルに4070億円、駅舎に1360億円かかると試算した。佐賀駅経由の6200億円の1・8倍に上る。市北部経由は平野部か山間部を通る場合で幅があり、5700億~6200億円。
 長崎-博多間の所要時間は、佐賀駅経由の51分と比べ、市北部経由が51~52分と同等だったのに対し、空港経由は58分だった。
 「1」を上回れば投資に見合うとされる投資効果が最も高いのは佐賀駅経由で3.1。市北部経由が2.6~2.8。空港経由は他ルートに比べ、半分以下の1.3だった。
 整備したことでJR九州が得られる収益「収支改善効果」も佐賀駅経由が年間86億円で最も高い。次いで市北部経由の年間62~75億円で、空港経由は現行の在来線特急と変わらない年間0億円と試算している。
 各ルートの建設上の課題も抽出した。空港経由は、筑後船小屋駅(福岡県筑後市)から西に有明海へ向かうため、ノリ漁場への影響低減や干潟の環境保全、軟弱地盤の大規模改良工事が必要になるとした。市北部経由の平野部は、埋蔵文化財が多く慎重な工事が必要で、文化財の発掘や保護が必要。佐賀駅経由は、駅周辺市街地の支障物件の移転が課題になる。
 国交省は観光振興や不動産開発の見込みについて業界大手へのヒアリング結果をまとめた。観光では、佐賀駅経由が在来線やバスの2次交通網を生かして誘客を期待できるとする一方、空港経由は観光バスを利用する空港利用の団体観光客への影響はなく、新幹線ができても航空便が増加するとは言い切れないとした。市北部経由は観光地へのアクセスが悪く、観光需要は見込めないとした。
 新駅周辺の不動産開発についても、佐賀駅経由はタワーマンションや商業施設の開発が十分見込まれるとしたが、空港経由と市北部経由は開発の可能性は低いと見積もった。
 また国交省は、前回協議で佐賀県から提案された最高速度時速200キロ程度で走行するフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)開発の可能性に関し、時速270キロの開発を断念した段階と同じ耐久性や経済性の課題が残り、「開発に予算や時間を費やすことは現実的ではない」と回答している。(取材班)

出典:佐賀新聞LiVE
フル規格3ルート比較を提示 国交省、佐賀県との協議で 佐賀駅経由優位とする内容
2021/11/22

この記事によると、佐賀空港経由だとトンネル建設だけで4070億円かかるとのこと。
だが、どこにトンネルを掘るのか不明(トンネルを掘るような場所は無い)
とはいえ、
個人的にスーパー特急方式を検討した際、

●久留米分岐佐賀駅合流をすると久大本線と直接接続でき、新幹線整備効果がより広がる(佐賀空港経由も久大本線と合流できる)

●スーパー特急の場合、例えば久留米―佐賀間など局所的に新設線路を繋ぎ合わせ段階的にフル規格線路への整備もできる(例えるなら、高速道路が局所的に造られ最終的に全てつながるようなイメージ)

以上のことから
佐賀駅経由久留米合流を想定した在来線活用策を描いてみたい

※ルート(経由地)は 武雄温泉―肥前山口(江北)―佐賀(駅)―久留米 で想定

新幹線と在来線の両立を図るために(1)

どうしても佐賀駅経由になってしまう場合、そしてどんなルート案の場合でも共通すること
今の在来線に乗り「新幹線と在来線が両立できるような改善策」を模索し、提案する
これを各自行なう
この問題意識に基づき個人的に考えたことを挙げてみます。

●在来線駅の新設・既存駅をより適した位置へ移設
●在来線に並行する路線バスがある箇所ではできるだけ運賃・各種乗車券やダイヤ面での連携
●駅周辺に生活や仕事する施設を集めることを地道に行なう
●在来線普通・快速と新幹線の各駅停車を一定以上の頻度で運行し、両者の接続を良くする
●ICカードによる回数券的割引サービスを再開・充実(無人駅によるサービス低下をある程度補完)

[想定例]
月あたり利用金額2000円利用ごとにボーナスポイント付与
2000円到達時     60p
4000円到達時    120p
6000円到達時    180p
8000円到達時    180p
10000円到達時   200p
これ以降も
2000円到達ごとに  200p
月当たりの利用金額に応じて割引率が増す仕組みで最終的に約10%の割引率で安定する設定に

新幹線と在来線の両立を図るために(2)

新幹線と在来線が両立するために先程のような案を考えました。また、鉄道用語に「緩急接続」「遠近分離」という概念があるそうです。
簡単に言うと
 新幹線・特急・快速・普通の間での乗り換え
 列車ごとに遠距離乗客と近距離乗客を分ける運行方法 
のことです。これを
新幹線←→在来線・特急や快速←→普通・在来線←→路線バスの間で構築する事や、そのような関係性で鉄道網を捉えることも新幹線と在来線が両立するために必要な方法の一つだと考えました。

そして、これ以降では

在来線駅の新設
在来線に並行する路線バスとの乗り換え接続の案

この二つを中心に、図面に描いて私なりの考えを説明します。これ以降では画像での説明が中心となりますのでご了承ください。

凡例

佐賀(駅)ー久留米・鳥栖間

西九州新幹線フル規格ルートは久留米での合流を
新設する線路上の在来線駅は全て路線バス等に接続する箇所に設置

補足説明:長崎・佐賀県方面の特急・新幹線列車運行系統の想定
在来線特急
佐世保・ハウステンボス・肥前鹿島―
  江北―佐賀(駅)―新鳥栖―鳥栖―博多

新幹線
長崎―新大村―武雄温泉―
  江北―佐賀(駅)―(上記新設線路)―久留米―新鳥栖―博多
※個人的な希望は 
長崎―新大村―武雄温泉―
  江北―佐賀空港―久留米―新鳥栖―博多 

長崎に行かない特急系統を長崎本線新鳥栖・鳥栖経由
 長崎に行く運行系統を新設線路経由
 とすることで在来線と新幹線(新設線)の両立を図る

新規建設する鉄道(新幹線と並列する在来線)が
公共交通機関同士を紐付けるようなルート・駅選定を心がけました
新規建設する鉄道(新幹線と並列する在来線)が
公共交通機関同士を紐付けるようなルート・駅選定を心がけました

※補足 佐賀駅~久留米間について

整備方式検討4:スーパー特急
においても説明したのですが、こちらでも佐賀駅ー久留米駅間の整備段取りを以下に説明します

1・佐賀駅ー久留米駅間を先行してフル規格複線に対応した構造物を造る
2・先に単線で在来線(狭軌)を開業し、普通列車と西九州新幹線長崎方面に接続する特急列車を運行する
3・残りの区間が全線フル規格でつながる段階になった際に、在来線線路と並列して標準軌フル規格の線路を敷き、西九州新幹線全線フル規格へ

という段取りを想定しています。


佐賀駅ー久留米駅間の話をしたので、話題を鳥栖付近に変えます。
以下の図は
佐賀駅~久留米・鳥栖駅のことを考えた際、鳥栖駅付近の路線バスを再編するほか新駅設置などの策を取ることで在来線と路線バスの接続性を高める案を描いたものです↓


肥前鹿島ー佐賀(駅)間


肥前大浦ー肥前鹿島間


諫早ー肥前大浦間


(主に在来線)鉄道とバスの連携・活用

これまで在来線と路線バス停の接続を中心に描いてきましたが、「鉄道と路線バスの接続」を概念図に表しました。↓

この関係性(緩急接続・遠近分離)は新幹線と在来線にも通じると考えます


終わりに

今回申し上げた提言が西九州新幹線問題解決及び最終的な全線フル規格車両が走れる線路での整備実現に貢献出来れば大変幸いです。

佐賀県にとって西九州新幹線全線フル規格(の線路をつなげる)ことの意義や利点は何かと考えました。それは、タイトル画像に書いたことの通り、

各種整備方式検討やルート選定の再考を通じ
新幹線(整備)と既存在来線や路線バス、そして空港との両立・共存的活用をする下地を創ること
ルート選定の工夫で大都市圏以外の地方同士間を結ぶ交通体系も構築すること(大都市一極集中的経済構造からの脱却を図る社会基盤に)

この二つだと思いました。
単に長崎本線に沿うだけのフル規格新幹線新規建設の前提だと、確かに日常生活に必要な在来線の利便性維持への懸念が拭えません。
また福岡市方面の利便性向上だけに考え方が偏るのを改めると、ルート選定の工夫で地方同士(西九州ー東九州・[佐賀空港経由の場合]九州ー四国・本州日本海側など遠方地方)とのつながりを創るきっかけにもなり得ます。
懸案事項(並行在来線問題)払拭と、これまで見逃されて来た可能性を提言することが大事だと思っているので西九州新幹線問題について記事を幾度も投稿した次第です。

関係者から一般の方まで広く読まれることを願い投稿します。

なお、
今回のデータ作成の際に久留米市の「公共交通マップ」を見つけました。公共交通機関の必要性を訴えているページがありましたので、こちら参考資料として添えたいと存じます。

久留米市公共交通マップから出典しました


記事本文に入りきれなかった要素

記事の本文ではお伝えしきれなかった内容をこちらで申し上げます。

この記事の基になったPDFデータを公開します。そして、記事本文には入りきれなかった画像等もこちらで公開します。

このPDFデータを皆様にも公開したいと思います。
そして、記事本文には組み込めなかった画像をこちらに公開します。

蒸気機関車(SL)列車とフル規格新幹線車両が既存在来線上を並走するイメージ図

秋田新幹線秋田~大曲間は狭軌線路と標準軌(但し車両は在来線規格の大きさのみ走行可)が並列しており、それを利用してSLとこまち号が並走するイベントも行なわれたそうです。

単なるミニ新幹線ではなく、既存在来線にフル規格車両を直通できるようにすればこのような企画(イベント)も行えるようになり、活用次第では地域興しのきっかけにもなるかもしれません。

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