肥薩線を新幹線(及び在来線との並列)で復旧させる意義
私も肥薩線の鉄道での復旧を強く願っています。鉄道会社や政治・行政の関係者の方々にも広くご覧頂きたいと想い、改めて記事を書くことにしました。
(※とある行政機関にも今回申し上げる内容の意見は既に投稿しています)
以下よりこの記事の本文です。
肥薩線の復旧・復活に際して、以下の理由から鉄道軌道整備法など各種制度を用いて
「フル規格新幹線の車両が走れる線路(在来線より大きな車両で軌間1435mm)」
と
「在来線の線路(フル規格新幹線に比べ小さい車両で軌間1067mm)」
を並列して復活してほしい。
注:
(ややこしいですが、「フル規格新幹線車両が走る線路」も最高速度を時速199km以下での運行を行ない「在来線」扱いとすることで鉄道軌道整備法による災害復旧支援を適用するための方法案です。線路・車両設備の規格(線路幅や「建築限界・車両限界」)は「フル規格新幹線」ですが法律上の扱いを「在来線」とするために最高運転速度を時速200km未満(199km以下)とする。
従って、
曲線を九州新幹線など現在建設・運行されている新幹線路線よりきつめにする、新幹線の線路も一部単線にするなどの工夫を取り、整備費用を抑える想定をして申し上げています)
【理由1】
肥薩線は本来長距離移動も担う路線であったこと・人吉市の観光客は被災・コロナ前で年間140万人ほどあったこと
以上のことから、
復旧・復活の際九州新幹線の博多―熊本間運行列車を延長運転する形で肥薩線を再度長距離鉄道網に組み込むのが有効だと考えたため
【理由2】
鉄道は本来、遠距離移動や遠方での訪問性が良いこと、そして遠方の土地の認識性を高めるという優れた性質がある。(逆に言うと、鉄道を残すことができれば遠方の人からも熊本や人吉などの認知度を維持し高めることにつながる)
そういう遠距離の認知度や交通利便性を更に高めるため、新幹線整備の際、沿線空港を取り込むように整備するべきと考えている。
このような交通網の組み合わせも見越した東九州新幹線・九州横断新幹線の整備の前段階として肥薩線の新幹線併設を行なうという意義
【理由3】
地方空港・航空等との組み合わせも行なった鉄道網の整備を通じて
地方→大都市 に偏る経済・文化的構造を 地方←→地方 地方←→大都市 大都市←→大都市 という複層的なものにしていくことで、地方に居ても生活や仕事・産業が成り立つようにしていくため(過疎化の歯止めに)
※これには
公共交通機関同士を鉄道が紐付け連携していくような鉄道整備を通じて鉄道も含めた公共交通全体の再生利活用を図る
また、
地域地方格差是正(いわゆる地方創生)を図ることによって全国的に地方交通の経営改善を図っていく狙いも含めています
【理由4】
鉄道駅周辺に「まち」が集まる性質を利用し、鉄道網の再構築と併せ人口を全土的に網羅することは間接的なミサイル防衛など、間接的に安全保障の確保につながる。加えて、鉄道の交通分担率を高めることで交通分野におけるエネルギー使用効率化を図り、エネルギー資源の輸入依存度を抑制する。その方面からも日本の外交における優位性を高め、日本が戦争や紛争に巻き込まれないようにしていく。
また、
(新幹線・在来線共に)鉄道網を含めた交通網の複層化をしておくことは天災・人災時に迂回・予備機能(リダンダンシー機能)を大きく発揮する事になり、災害時に様々な対応がし易くなる
以上が肥薩線を鉄道で、そして新幹線併設も含めて復旧するべき意義でした。
被災した地方ローカル線を新幹線で復旧させるなど突飛で相手にされない考えであろうとは私も覚悟しています。
ですが、鉄道整備の活用法次第では上記の可能性を感じているのでその考えを広くお伝えしたいと思いこの記事を書いた次第です。
※2022年8月24(水)追記
「標準軌フル規格新幹線車両の線路」の起点は必ずしも新八代駅及び八代駅にこだわる必要はないと考えます。
例えば吉尾駅付近から分岐し肥薩線の線路に合流するような整備案も考えられます。そうすることで整備費用の効率化を図れるでしょう。
また、鉄道復旧の際は、必ずしも「元々線路があったところ」に線路を敷き直すだけでなく、新たに線路を敷いたりトンネルを掘ったりする箇所もあって良いと考えます。
参考例:
●四国の土讃線山間部では
自然災害からの復旧の際、元あった箇所とは違う箇所に線路を敷き直したりトンネルを掘り直したりして復旧したそうです。
●山陰本線・福知山線の都市近郊部を複線化する際は、
川沿いに敷設されていた旧線ではなく、新たに線路を新設して対応しています。
●九州内でも、鹿児島本線 田原坂ー植木 間では
上下線で違う箇所に線路が敷かれています。これは、最初は単線で敷設された後年複線化する際、違う位置に線路を敷いた結果、上下線で線路の位置が異なることになったと聞いています。
鉄道復旧する際は、河川改修などの事業と一体で行なう案も出ていると聞いています。河川改修事業等の一環で肥薩線を鉄道で復旧する際、「線路が元々あったところ」以外の場所にも線路を敷き直すことが出来る制度であると良いのですが・・・。
なお、
もし「標準軌フル規格車両が走れる線路と従来的な狭軌線路との並列」が難しい場合、思い切って標準軌フル規格対応線路の一部単線に絞って再整備するのもありだと思います。
※2022年10月25日追記
タイトル画像と関連し、九州全体の鉄道整備案全体像を描いた画像を以下に掲載します。なぜこのような「妄想」などと言われかねない路線図案を描いたのか、その理由も画像内に書いています。
※2023年12月13日水曜日追記
この記事を投稿した後も、肥薩線復旧に関する続編記事を投稿しています。
こちらも併せてご覧頂けると幸いです。