第1回(2024.10.03)授業へのフィードバックから

昨日今学期の第1回の授業が終わりました。今年も沢山のフィードバックをいただきました。人数が多いので読むのも大変でしたが、とても楽しんで読みました。
その中からいくつかご紹介してみたいと思います。

今回の授業では、心理学が科学的な学問として成立するまでの道のり(あるいは成立させるための歴史上の多くの研究者の努力)についてお話をしました。

  • 心理学と科学の定義や関連性についての話が面白かった。

  • 心理学の面白さがわかった気がした

  • 科学か科学的ではない物の違いがわかった

  • 科学において、客観性と再現性と反証可能性が重要であることが学べた。

  • 心理学は科学かという問いが、そもそも科学とは何かということについて考えさせられて興味深く感じた。

  • 心理学や科学がそもそもどんなものなのかがわかり興味深かったです。

  • 科学や心理、心情など言葉の定義、意味自体を考えさせられた

  • 心理学がどのようにして再現性や客観性があると証明するのか疑問に思いました。頭の中をモデル化しても言えることは、こうなる可能性が高いということだけなのではないかと疑問に思いました。 授業がとても面白そうでこれからが楽しみです。

本学は東京科学大学になりましたが、科学的な方法とは何か、ということをきちんと考えた(教わった)ことがない学生さんが意外と多かったように思います。4年次に研究室に入るまでに是非そのように考える「回路」を頭の中に持って欲しいと思います。

  • 今日の授業で興味を持ったところは心理学が科学なのかどうかといった議論の部分。直感では心理学は科学と感じたが客観性や再現性、反証可能性に基づいて判断すると科学じゃないなと思った。

実際に実験をやる側に立って考えるとよくわかりますが、それでもできるだけ反証可能な仮説を立てて、できるだけ客観性・再現性のある方法を研究をやっているみなさんは(数年後の諸君も含めて)考えるのです。

  • 答えがない問いについて考えるときに正解になりそうなものを考えるのではなくて、今までの経験とかを振り返って自分なりの答えを出せるようになりたいと思いました。

この授業もそうですが、学生諸君には在学中に是非「考える練習」をしてほしいと思っています。これから在学中だけでなく、おそらく一生、「そんなこと20年間生きてきて教わったこともないし考えたこともないよ!」という質問がたくさん降ってきて、それでも自分が20年生きてきた「引き出し」を総動員して何らかの(自分としてはベストと思える)答えを出す。これが今を生きる学生諸君に求められていくことだと思います。ですから、授業の中ではできるだけ「無茶振り」をしていこうと思っています。

  • 心理学はは人間についての学問とあったが、動物とかの心理に関する学問も聞いたことがあるので、それは心理学では無いのか気になった

  • パブロフの犬のように有名な行動心理主義が人間相手には主流ではないということで、心理学の研究はもっと複雑で奥深いものなのだと感じた。

今回初めて私も知ったのですが、動物心理学という分野があるそうですね。ただ、単に「心理学」と言った時には人間を理解しようとするものがほとんどのように思います。例えば行動主義でもネズミやハトを実験に使いますが、あくまで人間についての知見を得ることを最終目標にしていたと考えています。

  • 分析心理学が具体的にどのようなものか知りたいです。

旧東京医科歯科大学の先生で実際にこの分野の臨床に携わっている先生方がたくさんいるはずです。せっかく合併したので、そういう先生と知り合いになって質問してみるのが良いと思いますよ。

  • 行動経済学に関して興味があるのですが、おすすめの文献などがあったら紹介していただきたいです。

  • 自分は行動経済学に興味があるので積極的に学んでいきたい。

この授業の第10回が、行動経済学との接点です。あと大和先生の実験経済学も是非受講して下さい。

  • 講義中で「梅室先生はやさしいか」という命題が出たが、再現性について、日によって気分が変わるので再現性がなりたたないとおっしゃっていましたが、日付まで条件付けすることで、再現性がなりたつのではないでしょうか?

そこまで限定して再現性を担保すると、その研究から言える「事実」も、ある特定のとても限定的な条件下においてはやさしい、という、あんまり役に立たない知見になりそうな気がしますね。

  • 部分強化についての例えとして、アイドルのブログの話はとても納得できるものでした。ただ、掃除したらお小遣いがたまにもらえる状況と毎回もらえる状況を考えると、後者の方が掃除をする回数が増えて習慣化しそうな気もします。連続強化より部分強化が有利な状況というものに、法則性があったりするのでしょうか。

あの話のポイントは、「お小遣いをあげるのをやめても掃除をしてくれるか、それとも掃除もすぐにやめてしまうか」です。お小遣いをあげるのをやめても後々まで行動が残りやすいのが部分強化、ということです。

  • 要望 ・スライドを事前に配布しない場合は見やすいようにプロジェクター付近の電気を消して欲しいです。 ・フィードバック記入時に見れるように授業終了時には公開して欲しいです。

プロジェクターの近くの照明は少し工夫しましょう。ただ、ホワイトボードが今度見えなくなるんですよね… あと「自分で疑問に思ったことや印象に残ったこと」くらいは自分でメモして下さい。世の中それほどいつでも至れり尽くせりではありませんから。「資料はお渡しできません」なんて、普通です。

  • 人が多くて部屋がちょっと暑かったので、換気をもう少ししていただけると嬉しいです

今日は開始前にエアコンのセッティングをしませんでしたね。これから季節の変わり目は逆に空調の調整が難しい時期でもあります。暑い、寒いは授業中でも遠慮なく言って下さい。

次回月曜日からは認知主義に入っていきます。お楽しみに。
良い週末を!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?