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思考の障害について

こんにちは。
今回で精神障害のアレコレ最終回です。
入力や構成に時間がかかる割に、出来上がった記事は短いとか悩みは尽きませんでしたが(笑)自身も振り返りとともに良い勉強になりました。

さて、思考の障害とは何か?
それは思考の流れや順序がおかしくなる思考過程の障害と、思考の内容や体験がおかしくなる思考体験の障害からなります。
まともに会話できないこともあるため、軽度の方であれば病的に思われず、変な人だと周囲に勘違いされている人が多いようにみえます。
とりあえず、きちんと話を聴くことから始めましょう。

観念奔逸(かんねんほんいつ)

話題が次々に脱線して言いたいことにたどり着かない症状がみられます。
一般的な人がテンションが上がって、話が脱線することがありますが、あれとかなり酷似しています。
躁うつ病でよくみられる症状です。

滅裂思考(めつれつしこう)

話の内容が関連のない話題にどんどん変わっていく症状がみられます。
観念奔逸は話が脱線していきますが、滅裂思考は話に関連性がありません。
統合失調症によくみられる症状です。

思考制止(しこうせいし)

本人はアクセル全開のつもりでも、動きも会話も思考もスローにみえてしまうという症状がみられます。
頭も回ってないので、アイデアも浮かびません。
なのに本人はアクセル全開なので、疲れ切ってしまいます。
なのに「やる気あんの?」と他者に言われ大変凹むことが多々あります。
うつ状態でしばしばみられる症状です。

思考途絶(しこうとぜつ)

唐突に考えがストップしてしまいます。
プツプツ途切れる会話が特徴で、統合失調症によくみられる症状です。
症状の一つなので、正しく伝えるように言っても、本人にはコントロールできないものです。

思考化声(しこうかせい)

考想化声(こうそうかせい)とも言います。
自分の考えが声となって聞こえるため、自分の考えが人にも声となって伝わってしまうと思い込み、怖くて外に出られなくなってしまうこともあります。
統合失調症によくみられます。

迂遠(うえん)

言いたいことにはたどり着くものの、とにかく話が長くなる症状です。
それでも最終的には言いたいことにたどり着くわけですが、ひたすら話が回りくどいです。
認知症、不安症によくみられます。

保続(ほぞく)

思考が一つの事に集中し、別のテーマに移れないという特徴があります。
最初の話に思考が引っ張られて別のテーマに移れないので、与太話をせず本題にスパッとはいってあげましょう。
認知症によくみられます。

支配観念(しはいかんねん)

これは正常な人にもよくみられる症状で、強い疑念や不安などに近い症状です。
まわりからの指摘である程度抑制できます。とはいえ、強い感情なので不安感などは完全に消えるわけではありません。
不安症の人によくみられる症状です。

強迫観念(きょうはくかんねん)

思い浮かぶ不安などに対し、自分でも「この思いはおかしい」と以上であることを感じてはいます。
物事に対する考えや意識に合理性を欠くものというのが特徴です。
「〇〇したはずなのに、気になる。100%したはずなのに、大丈夫なのはわかっているのに何で気にしてしまっているのだろう?この思いはおかしい」と考えてしまうのが強迫観念です。
強迫性障害によくみられます。

作為思考(さくいしこう)

自分が考えているのではなく、他人によって考えさせられていると感じる症状です。
統合失調症によくみられます。

思考吹入(しこうすいにゅう)

他人の考えが自分の頭の中に「吹き込まれる」と感じる症状です。
妄想とセットになるとトラブルを引き起こします。
統合失調症によくみられます。

妄想(もうそう)

明らかに間違った内容を強く確信しており、訂正不可能な思考を持ちます。
本人は本気で信じ込んでいるので、おかしいと自覚していません。
多くの精神疾患でみられます。
一次妄想と二次妄想にわけられ、一次妄想は何の脈絡もなく発生する妄想です。
妄想気分(根拠のない不気味な恐怖感を感じる)、妄想知覚(知覚により何の脈絡もない妄想を引き起こす)、妄想着想(急に妄想がひらめく)があります。
二次妄想は、状況・感情・性格に反応して発生するため、妄想が発生した脈絡がわかりやすい妄想です。
統合失調症によくみられます。

妄想にはこの他にも代表的なところで、
微小妄想、心気妄想、貧困妄想、罪業妄想、誇大妄想、被害妄想
関係妄想、注察妄想、被毒妄想、追跡妄想、嫉妬妄想、憑依妄想
などがあります。




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