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福祉現場におけるハラスメントについて

福祉の現場におけるハラスメント問題は、現場で働く職員にとって大きな課題です。
特に利用者やその家族とのコミュニケーションが多く、職員が日常的にストレスを感じやすい環境であるため、通常よりハラスメントが発生しやすい傾向があります。
ここでは、ハラスメントの種類や原因、職員ができる対策について、職員目線でわかりやすく解説しています。


1. ハラスメントの種類


(1)パワーハラスメント(パワハラ)
パワーハラスメントは、職場で上司や同僚から何らかの指示や指導、嫌がらせを受ける行為です。
例えば、職員にとって過大(過少)な仕事や、無理な指示、個人を否定するような発言が含まれます。
福祉の現場では、多様な職務が多岐にわたるため、緊張感とストレスを抱え込むことで発生しやすいです。

(2)セクシャルハラスメント(セクハラ)
直接手を出すというより、日常的に下の世話をしているためか、時折そのような内容の発言をする職員がいます。
言う方はたいした内容ではないと思っても、聞かされる側の受け取り方によってはセクハラに該当します。注意しましょう。

(3)カスタマーハラスメント(カスハラ)
カスタマーハラスメントは、利用者やその家族から不当な要求や暴言を受ける行為です。
福祉の現場では、利用者やその家族が職員に対して高い期待を持っていることが多く、職員が十分に対応しなかった場合にカスハラが発生しやすいです。
暴言や過剰な要求が続くと、職員の精神的な負担が大きくなります。

このほかにもマタニティハラスメント(マタハラ)、モラルハラスメント(モラハラ)、シルバーハラスメント(シルハラ)など多岐にわたり存在するのですが、そこは(30種類近くあるので)割愛します。


2. ハラスメントの原因

福祉の現場でハラスメントが発生する原因として、以下のような要素が挙げられます

(1)職場のストレス
福祉の現場は、利用者の命や生活に直接関わるため、職員が大きな責任を感じる場面が多くなります。
責任感や、それに伴うストレスからイライラしてしまう場合もあります。
多かれ少なかれ、イラついた経験をお持ちの方も多いと思います。

(2)上司・先輩からの圧力
職場での経験年数や役職によって上下関係が強調されることが多く、特に忙しい現場では上司や先輩からの指導が過剰になりがちです。
その大半は良かれと思ってでしょうが、言葉遣いや口調から怒られているような感覚に陥ることも少なくありません。

(3)利用者や家族との距離感
現場の職員は利用者やその家族と長時間関わるため、密接な関係が当然生まれ、一定の距離感が保てないことがあります。
これにより、良くも悪くも言いやすい環境が生まれます。


3. 職員ができる対策

障害福祉現場で働く職員がハラスメントを防ぐためには、以下のようなものがあります。

(1)適切なコミュニケーション
職員間、または利用者(その家族)との良好な関係を築くことができ、ハラスメントを防ぐことが出来ます。
同僚への相談も遠慮せず、必要に応じて、助けを求める姿勢も大切です。

(2)境界線
利用者やその家族との関係が密接なのは好ましいですが、一定の境界線を置くことにより、ハラスメント防止につながります。
距離感を持ち、業務の範囲や責任を明確にし、感情的なトラブルに発展しないようにしましょう

(3)メンタルヘルス
ハラスメントにより精神的なダメージを受けた場合、早めのケアが必要です。
福祉現場では、メンタルヘルスサポートの体制を充実させることが求められています。
例えば、カウンセリングサービスや、ストレスケアのための教育プログラムに積極的に参加し、心身の健康を維持することが大切となります。

(4)早期解決
ハラスメントを受けた場合、上司や人事部門に相談することで早期解決を図りましょう。
多くの職場では、ハラスメント相談窓口が設けられており、匿名での相談も可能です。
制度を利用することで、適切なサポートを受けられます。

(5)研修や教育の受講
福祉の現場では、ハラスメント防止に関する研修や教育が積極的に行われています。
新入職員だけでなく、ベテラン職員も定期的に研修を受けることで、職場全体の意識を高め、ハラスメントを防ぐことが可能です。

4. おわりに

福祉の現場のハラスメント問題は、職員の働きやすさや利用者の満足度に大きく影響します。
職場全体でハラスメントを防ぐ取り組みが必要であり、職員としては未然に防ぐように積極的に行動することが重要です。
正しいコミュニケーションやサポート体制の活用、教育による意識改善、より安心して働ける環境作りを目指していきましょう。

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