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〜重要なのは人との繋がり〜学生起業のメリットとデメリット|en-Talk#5 株式会社Blanc.C 代表取締役 舘野知紘さん

en-Talk〈エントーク〉は、場所や人、環境を問わずに起業家と話すことが出来る、起業や新規事業について一緒に考え、共に成長が出来るフラットな場を提供しています。

〈こんな方にオススメのイベントです〉
◇起業したいけれど、まだちょっと不安で踏み出せない
◇起業したいとおもっているが、自分のアイデアに自信がない
◇起業するにあたり、仲間をみつけたい
◇企業で新規事業をどうやってつくるか、ヒントを得たい


今回は5月5日(水)にオンライン開催した「en-Talk #5」のイベントレポートをお届けいたします。

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第5回の登壇者は…株式会社Blanc.C 代表取締役 舘野知紘さんです!

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プロフィール
栃木県立宇都宮女子高校在学2年時に第6回とちぎアントレプレナーコンテストに出場し、1052件のエントリーから最優秀賞に選ばれる。3年時9月にジェンダーフリーアパレルメーカー株式会社Blanc.C(ブランドットシー)を設立し、虎ノ門にてブランド初の展示会を開催。
2020年の3月に宇都宮女子高校を卒業し、ファッションの視点からジェンダーバイアスの改善を目指す。栃木銀行主催第5回とちぎんビジネスプランコンテストにて特別賞(3位)、東京女子大学ビジネス・プランニング・コンテストにて東女賞(最優秀賞)を受賞。

1. 事業説明

ジェンダーフリーというコンセプトを軸にアパレル事業を立ち上げた舘野さん。始めに、自社の展開するアパレルブランドBlanc.Cのポイントについてお話してくださいました。

舘野さん:
Blanc.C(ブランドットシー)は、一言でいうと「ジェンダーフリーアパレル」というものになります。ジェンダーフリーとは従来の「男らしい」「女らしい」といった価値観に捉われず、自分の生き方を自己決定できるようにしようという考え方のことです。

当アパレルには、大きく3つのポイントがあります。1つ目は中性的なものを主軸として、これまでは性別が限定されてきたデザインも全て男女兼用・6サイズ展開で販売することです。

2つ目はフォーマルスタイルを取り扱うFレーベルとカジュアルスタイルを取り扱うCレーベルの2つを展開していくことです。この2つのレーベルによって、公的な場にも個人の日常にもジェンダーフリースタイルを発信していけると考えています。特にFレーベルに関しては直近の課題として、制服・ユニフォーム事業に力を入れたいと思っています。学校制服の改革をはじめとして、公共の場におけるジェンダーバイアスを解消していきたいです。

3つ目のポイントは、セクシャルマイノリティの積極的な雇用です。現状、運営に携わっているのは私1人ですが、将来店舗運営が叶った際には、セクシャルマイノリティの方を従業員の3割以上に雇用したいと考えています。多様性を尊重し、よりお客様と同じ目線に立って商品を販売できる環境を目指していきたいですね。

2. 学生起業のメリット・デメリット

自身が高校在学中に起業をした経験をもとに学生起業のメリットをお話して下さいました。

舘野さん:
メリットの1つ目は「多くの方からの応援」です。現時点では学生起業家が少ないためそういった活動をしている学生には、ある程度スポットが当たります。若くして挑戦している珍しい人として接してもらえ、大変有難いことに「応援するよ!」「できることありますか?」と言って頂けることが多いです。

2つ目は「挑戦を可能とする安定した生活」です。起業したときは(現在もですが)学生の身分だったので、まだ勉強さえしていれば生活は安定していて、背負っているものが何もなかったというか。自分が失敗してもある程度は生活が保障されているという点では安心感がありました。

3つ目は「軌道修正へのハードルの低さ」です。例えば40〜50代になってから起業するのを考えると、特に家庭などがある場合失敗できないという意識からなかなか軌道修正できないような気がします。一方、早い段階で始めた場合は、固執するものも少なく、より柔軟に事業の方向性を変えることができるのではないでしょうか。私は今向き合っているビジネスに対して情熱を持って取り組んでいますが、もし今後「自分の道はこっちだな」と他の道が見つかったら、気持ちは揺れるかもしれません。

最後は「メディアからの注目」です。学生起業家が珍しい環境があるので、メディア露出の機会は巡ってきやすいと思います。メディアに取り上げていただくことで、自分の力ではお会いするのが叶わなかった人に出会えたり、立つことのできなかった舞台に立ってお話ししたりできたのは自分として大きかったですね。

次は、学生起業のデメリットについてお話していただきました。

舘野さん:
デメリットは「資本金や運営賃金の確保が困難」だという点です。学生起業に限らずベンチャーの方が悩むところですが、学生起業に関しては「信用に乏しい」のが大きな原因になってしまいます。

銀行にお金を借りるにしても、投資家に会いに行くにしても、やはり頼りなさそうに見られがちなんですよね。学業と両立をしていることで「起業1本じゃないんだ」と思われる場合もあります。

資金面について私の場合は海外大学への進学が控えており、国内に居ない状態で事業の為の資金の借り入れをすることはリスクになると感じたので、ビジネスコンテスト等に出場し賞金を頂くことでで資金を確保している状態です。大学で学んだ後帰国した際には、クラウドファンディングにも挑戦したいと思っています。

3. 重要なのは人との繋がり

「事業」と向きっていく中で、重要なのは人との繋がりだという気付きがあったそうです。

舘野さん:
その他のデメリットとしては、「専門知識が乏しい」ことです。私は普通科の高校に通っていたので経営についても服飾という分野についても学んだことがありませんでした。そんな中でアパレル起業することになり、最初は不安でいっぱいでした。

また、日本では「自分のことは全て自分でやり、全部ひとりでやって他の人には迷惑をかけないようにする」「迷惑かかることはやらない」という教育が少なからずあると思います。私もその教育を受け、これまで人に頼る任せることはが良くないことだと思っていました。

しかし、その不安は人との繋がりで解決するのだと、起業して1年が経ちやっとわかってきました。ビジネスコンテストで出会った審査員の方々に起業について教えて頂いたり、事業を進めていく上でのサポートをして頂いたりしているうちに、「全てを自分でやる必要はないんだ」と思えるようになったんです。

起業家は基本的に業務を自分一人で背負いこむのではなくて、自分の持っている知識を確認しながら、知らないことは他の人に聞いたり、任せたりして進めていくべきなのだと今は理解しています。

更に、これまでは起業のベースとなる知識・資金・人脈といった要素はそれぞれ3点独立していると思っていました。しかし今は、知識や資本は人の元にあり、人脈の1点から補うことができるという考えを大切にしています。そのため、最近は人との繋がりを育むネットワーキング大切にし、様々な人と関わることで自分の在り方を見つめ直しています。

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今回のen-Talkは学生起業家の登壇ということもあり、いつもより学生の参加者が多かった印象です。質疑応答では「ファッションというツールに着目した社会課題解決方法」についての質問があり、舘野さんのご意見はもちろん、参加者の皆さんからも意見を出していただくことができ、大いに盛り上がりました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

▼6月のen-Talk詳細はこちら

皆様のご参加、心よりお待ちしております!

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