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それぞれの初釜

1月15日は私の稽古場の初釜
1月16日は茶道裏千家大阪東支部の初釜でした。

お茶は一人ではできない

いろんな段取りをしてついに初釜(新年最初の稽古にする茶事)
私の稽古場では先生もご高齢で(なんと90歳を超えます)
人数も少なくて
床飾に結び柳を飾ったり…などはできませんが
あるものをうまく選び出し
(なんと干支茶碗発見!このタイミングを逃したら
 いよいよ活躍が難しかったよね)心を込めて準備をした。
今できることをできる方法でやる、こういうのが大事だと思います。
本当は学びになるから一度は懐石を創って振る舞う機会はあってほしいものです。

八寸をわけわけし(アレルギーと数の問題で多少の差をつける)
松と梅の形にすると華やかに。
ここに一口のお餅を2個いれて出汁を張る

濃茶は各服点てで

茶事の簡単な形式なので、
(準備)
⇒食事(基本は懐石、今回は簡略、他お弁当形式の点心もあり)
⇒濃茶
⇒薄茶
という流れにしました。
濃茶は5人分ほどを大きな茶碗にいれて(ペースト状に)練るんですが
ご時世的に各服点てで・・・。要は1人ずつなんですが
これは難しいんです。(たくさん余っちゃうし)

先生の指名を受け、最初の点前を担当
各服ということで、それぞれご自分で練ってもらう流れに
1椀目を先生のために心を込めて練りました。

やり方は即興で考えて
あわせてみなさまにはそれぞれが点てやすいように
あらかじめ器にお茶の粉だけ張っておき
その器を各自の前に置く
茶筅と茶巾を皿において、
順番にお湯を汲んで、茶筅で点てるというスタイルにしました。

自分の練ったお茶を自分で味わうのはなかなかないので
これはこれでいい学びになるでしょう。
(いわゆる抹茶のような湯の量ではないのでこの調整が難しい・・・)

素敵なお道具たち

写真に残っていないものもありますが
干支のお茶碗があったり、
中里太郎左衛門さん(12代だったかな?)のお茶碗
大樋焼きのお茶碗や
昨年同様、寿峰さんの黒楽など もろもろ楽しかったです。
(正月のは正月しか使いにくいこともあります)


高麗卓。映えるねー。
注連縄つけられたら言うことなし!


棚は高麗卓、蓋置は三宝というぴったりの組み合わせ
(しめ飾りまでは用意できなかったのは残念)
水指は染付の色絵ということで、普段より少し華やかに
茶入は丹波焼、棗は若松 見事な宝物ですが
毎年やっていると「道具がない~」と悩むのはよくわかります。
(仲のいい先生と貸し合いするのが大事ですね)

信楽焼。一般的には土色系。
何度も焼き締めてこの緋色にしたとのこと

特筆はTOPの画像にもした信楽焼きの緋色(再掲)
奥田英山先生がお造りになったものをうちの先生が一目惚れして
当時一挙に2枚もお買い上げw(⇒なんかあの頃よく買っていた)
元ネタは京都にあったものを参考に借りて作り上げられた作品と聞いております。
信楽でこの緋色を出すには、何度も何度も焼き締めたとのこと
鮮やかで美しい色合いで、見た目より軽いこともあり
(でもこれは脆いだろうなぁ・・・)
他何をいれようかなぁ?なんて思いながら見ていました。


お干菓子。


その後はそれぞれの点前の稽古がてらでのお茶を
最後に先生にお礼を述べ、社中一同で道具御礼を気持ちばかりお渡ししました。
年齢他でなかなか思うようにならないことがありますが
先生にとって楽しんでいただけたのは何よりです。

翌日は裏千家淡交会の初釜

バタバタしながらも、久々に淡交会の初釜に参加
(ご準備に尽力されている皆様ありがとうございます)

久々の大阪美術俱楽部さん
昨年は中止されたとのことで、今年は点心は持ち帰りだったものの
濃茶と薄茶をいただくことになりました。
(今回は別の用もあったので洋服にて参加)

さすがさすがの見事なお道具たち

大阪東支部の初釜なので、それこそ大阪東青年部会員としては
日常的にお世話になっている方々ばかりですので
目立たぬようにひっそりしておりました。
待ち時間に会記を書き写しましたが
めっちゃ時間かかるやんー
紙とペンの方、よくあんなにさらさら書けるなぁ
と尊敬しました(スマホは茶道用語の変換が大変)
会記は筆で書くので、ご担当の方も本当に大変・・・。

あら!な再会

ということで、青年部でも甘えまくっている
皆様がいらっしゃるわけですが
濃茶席に入ってびっくりしたのが
「あ!新ちゃんやん!」

もう15年くらい前の青年部でご一緒してたんです。
おととしかなぁ、偶然ばったり住吉大社での献茶のお手伝いで再会して、
まさかの覚えてくれてたのですが・・・
相当ご活躍されているようで、謎の母の気分・・・。
お話も楽しくよかったです。

薄茶に行けば宋文先生
華やかなお道具の使い方
楽しいお話に愛あるお道具の話や文化のお話
今年神農さんに新年のお参りに行ったんですが
私は呼ばれたんだろうなぁ・・・。

濃茶はきんとん(招福) 右の虎に注目!

またお菓子はいつもこしらえてもらっている
末広屋一祐さんの虎の干菓子もあり
果ては17年前にタイガースが優勝したときの
記念で作られたお茶碗が出てきたりw
こういう「やっぱり大阪」っていう感覚って結構好きです。

ええ道具も大事。でも想いが大事

二つ伺って、やはり大事にしたいと思ったのが
ええ道具、お着物は大事
でも島根から取り寄せてるお花があったり
この会のためにつくる世界観っていうのは大事で
そりゃ戦国時代の茶入や美術収集家さんはいるかと思います。

でも茶道具って、やっぱり使ってみてなんぼのところはある。
(大阪東は凄い先生が多くいらっしゃるので青年部は華美になりがち)
今回左入や旦入のお茶碗が出ていたりしましたが
これはこれでありがたく堪能しました。

でもこういうのは一代ではできひんのです。
自分はどんな世界を作るのか?
先生から受け継いだ和のやさしいカルチャーを次の世代に渡すために
私は何ができるかを創っていこうと思いました。
それにしても、楽しい時間を過ごしました。

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