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丁寧で親身な接客を!対話でより豊かな体験を届けたい

ワインのプロたちは、どんな思いでワインと向き合ってお客様と接しているのか?スタッフの思いやこだわりを伝える「わたしとワイン」

GINZA SIX店:南林幸代

柔らかな雰囲気をまとう南林は、学生時代にワインの奥深さに魅了され、2019年にこの世界に飛び込んできました。

持ち前のコミュニケーション能力の高さと、お客様のことを誰よりも考えホスピタリティ溢れる接客で、“丁寧な対話”を信条としています。

ワインへの情熱はもちろんですが、丁寧な接客を心掛けてきたからこその重みのある言葉を端々から感じました。

今回、そんな彼女の仕事に対する思いや大事にしていることを尋ねました。

中国で体験したワインの奥深さ

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大学時代、中国語と中国文化を学ぶため、北京の大学へ1年間留学していました。当時はワインのことなんて何も知らないまま飲んでいたんですが、たまたま訪れたワインバーで、初めてワインと向き合う体験をしました。

それが品種の飲み比べです。

同じ品種でも生産者が違えば味が違う、ヴィンテージが違えば味が違う…これがワインと初めて向き合った瞬間でした。

私は、社会人になるにあたって、まずはひとつの専門性を極められる企業に勤めたかったので、ワインの奥深さを知った時に「勉強すれば終わりがないし、どこまでも追及できる」と思い、ワイン業界で働きたいと思いました。

それからというもの、「たくさんの人にワインの美味しさを知ってほしい」という思いが、日に日に増していきました。

「ワインは好きだけど、全然分からない」という声が、私の周囲には多くて、そんな人たちに、「美味しいワイン」を伝えたいと思うようになりました。

私の中では、自分の好きなことを仕事にしたかったんですが、そこには「相手が満足をする」ということが抜けてはいけないので、お客様のことは常に考えた上で、仕事に取り組んでいます。

お客様との対話すべてが接客そのもの

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この仕事の面白さというのは、「お客様がワインを好きになってくれること」ですね。

ショップに訪れるお客様は、ワインの知識が豊富な方もいれば、ワインを全く知らない方もいらっしゃいますが、ワインを好きになってくれるお客様と向き合って、本当にいいものをお客さんにきちんと届けることにやりがいを感じます。

今まではブルゴーニュの白ワインだけを購入してくれたお客様が「そういえば、この前紹介してくれたワイン美味しかったから、他にも美味しいものがあれば紹介してほしい」と言ってくれると本当に嬉しいですし。

やっぱり提案したワインの評価は気になるので、できる限りお客様からのフィードバックを聞くようにしています。そうすることで、お客様との対話も楽しめますし、私自身の成長にも繋がると思っています。

私はコーヒーも好きなんですが、コーヒーも産地や焙煎、淹れる人によって味わいが異なるので、ワインと似ています。

コーヒーも学生時代に飲んだエチオピアの「イルガチェフェ」がとても華やかで、苦みがなくて感動しました。「コーヒー=苦い」という概念が変わったことで、コーヒーが好きになったので、そういう豊かな体験を届けられるように心がけています。

声をかけるとか、ワインの説明をするだけではなく、お客様との対話すべてが接客そのものだと思っています。

お客様に対して思いやりの心を持つ

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私が接客する上で意識していることは、お客様の行動、そして対話の中から瞬時にワインの知識レベルを合わせて、できるだけ分かりやすい言葉を使うようにしています。

ワインには「タンニン」や「ストラクチャー」など専門用語がありますが、そのレベルの知識をお客様が求めていないと思うので、お客様がほしいと思う情報を対話の中から探すということを常に意識して、お客様をお迎えしています。

もちろん、私よりもワインを詳しいお客様もいらっしゃるので、知識レベルを合わせられるように、日々勉強を重ねていくこと、そしてワインに関する情報、現在のトレンドを追うようにしています。

「お客様の立場に立つ」ことは、お客様に対して思いやりの心を持つことでもあると思うんです。何を目的で入店されているのか?を考え、お客様の目線の先から会話のきっかけを探しています。

また、先輩方から学ぶことも多く、お客様と対話をする時にワインの味わいだけではなく、ワインが生まれた背景や生産者のお話しもされていたんです。

その姿を見てから「売る」だけではなく、生産者の思いを「伝える」こと、つまり、生産者と消費者をつなぐこともスタッフの役目だということを教えていただきました。

多彩な世界を見せてくれるワイン

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私にとってのワインは、いつも新しい世界を見せてくれて、心と生活を豊かにしてくれるモノです。ワインは個性豊かで生産者も多く、ヴィンテージによって味も違います。熟成する環境下においても、飲んでみなければ分からないし、その味わいはひとつとして同じものはありません。

そういう意味で、いつも新しい世界を見せてくれるモノですね。

あとは、ワインがあることによって生活が豊かになると思っていて、普段の食卓にワインがあるだけで生活が彩られるというか、すごく特別な気分にしてくれる存在です。

例えば、ワインがあるだけで、このワインに合う料理を作ってみようと思いますし、いつもよりいい惣菜を買いたくなるんですよね。一食一食を大事にしようという気持ちにしてくれます。

その結果、忙しい生活の中でも丁寧な生活をしてみようと思うので、そういった面で自分の心を豊かにしてくれます。

せっかくなら料理と合わせて飲みたいですからね!

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最後に思い出の1本を伺ったところ、この世界に入ったキッカケを作ってくれた1本を紹介してくれました。

思い出のワイン

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シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルド・ブリュット

大学生の頃、ユーゴ&ヴィクトールでシャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルド・ブリュットとデザートのペアリングによる感動体験が忘れられないようです。