本屋開業の種⑦ 区立図書館で見た現実
(本文要約)
■ 図書館司書の資格は持っていなかった
■ 図書館は「NO」とは言えない
■ 本屋とは違う「ロングセラー」がある
(本文)
■ 図書館司書の資格は持っていなかった
図書館で働くようになった、と言っても私には図書館司書資格がない。
資格がないのにどうして働くことができたのかというと、以前に船橋にあるNPO法人情報ステーションが運営する民間図書館でボランティアとして働いていた経験があったから、なのだと思う。
図書館運営を民間委託している図書館の場合、このように図書館司書資格がなくても採用されて働けるケースはあるので、図書館で働きたいという方は一度民間委託している企業のHPを見て求人を探してみてほしい、と思う。
閑話休題。
区立図書館で働き始めたのは1月頃。
はじめは、書架整理といって返却された本を棚に戻す、予約の入った本を探して拾いに行く、五十音順に並べ直す、といった単純作業を行っていた。
そのうちカウンター業務と呼ばれる、貸出・返却を受け付ける仕事も任せてもらえるようになっていった。
■ 図書館は「NO」とは言えない
カウンターでは、自分の興味のない分野の本を知ることができたり、興味のある分野の知らない作品に出会えるなど「予期せぬ出会い」の宝庫で、座るたびに楽しい発見があった。
図書館員として働き始めて初めて知ったのが「リクエスト」という制度だった。利用者は、新刊の本だったら好きな本を自由にリクエストできる。一部例外はあるものの、図書館は利用者が納める税金で運営されているため、利用者が望むリクエストは仕入れなければならないことになっている。
私が勤務していた区立図書館には、西尾維新氏の新刊が出たら必ずリクエスト予約し、入荷したら一番に借りる、という利用者がいた。
新刊情報が解禁されると、必ず来る。リクエスト予約をし、入荷されたらすぐに借りに来る。
図書館でしか会わないので、そのあと買ったのか、買わなかったのかまで知ることはできなかったのだが、利用者の姿を見るたびに
「好きな作家さんでも買わないんだなぁ」と感じたことを今でも覚えている。
■ 本屋とは違う「ロングセラー」がある
もうひとつ、印象的だったのが本屋ではすでに買われなくなったであろう本がずーっと緩やかに借り続けられているということだった。
これは、図書館ごとに地域性があるのかもしれないが、私が勤務していた区立図書館では『「週4時間」だけ働く』という本が常に4~6人の予約がいる、という状態だった。
はじめは興味なかった私も、ついに覚えてしまった本だった。(画像クリックするとamazonに飛びます)
図書館で働いていると、気に入られた本は何度も借りられるため、結果的に興味がなくても覚えてしまったということが少なくない。
もうひとつ、図書館でよく目にしたのは佐伯奏英さんの時代小説だった。
本屋に行くと「ベストセラー」はあっという間に姿を変え、「ロングセラー」は年間ベストという形でしか知ることはできないが
図書館だとこういった形で必要とされている本を知ることができる、というのも新鮮な発見だった。
…とここまで図書館の話ばかりとなってしまったが、まだ本屋をやろうとは微塵も思っていない。
結局、区立図書館で二年ほど働いている間に結婚・妊娠し、退職。
退職後は、並行していたライター業の方にシフトしていく。
今日はここまで。
一年間、全く触っていなかったnoteですが、またはじめることにしました。
このテーマでの投稿はいつまで続くかわかりませんが、自分の履歴書として、現在の自分まで書き続けたいと思います。