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enonon
2021年12月2日 10:55
一面の草原は絶えることを知らない。どこまでも、どこまでも、うんざりするほど。巨大な大陸と無限の空の間のわずかな隙間を疾走する2040トンの鋼鉄の塊。燦然と輝く太陽に照らされる一直線の糸は、地平線へ聳える。平坦な大地と南の山脈。重厚な青空。無機質な潤沢。雲はまばらに線路を横断するように北から南へ流れる。地球の大気の循環、天球を巡る太陽や惑星、それらは100年も1000年も前、人類
2022年1月21日 11:20
アンガローニ5日目。飽きた。何もかも飽きた愛おしい彼女の顔も姿さえも、飽きた。朝食はじゃがいもペーストと黒パンから選べる。選択肢はそれだけ。「ねぇねぇ、お姉ちゃん。・・・好き。」ブハッ。また飽きたーとかいうかと思いきや。朝食の冷めたコーヒーを吹いてしまった。「ゲホッゲホッ。あんた狙ったでしょ。」もういい加減、同じ部屋に5日間もいて、2人ともおかしくなっているんじゃなかろうか。