静かに叫ぶプラットフォーム
学生の頃からそうだった。政治に関する発言の仕方がわからない。そんなの自由だと言われればそれでおしまいだけど、それで終わらせたくないから考えよう。
私たちの世代(10〜20代)は政治的な表現を自信のSNSであまり発信しない。今の主流はInstagramだ。そこで行われるのは互いの日常の観察。ノンキャプションの写真投稿。DMでの他愛ないやり取り。もはや生活だ。Twitterでは関心ごとへの情報収集や友達との公でのやり取り。どちらもいつだって誰かが見てて、いつだって誰かの目を感じて発信している。
間違ったことはしたくないし、自分がSNS上で作ってきた世界観や人格を崩したくなくて、投稿の雰囲気に合わない政治的発言なんてまっぴらごめん。そんな感じ。だからTwitterをしてたとしても、他人の政治的発言の投稿をいいねをするだけ。それが精一杯の政治的行動。自分のフィードやタイムラインには流したくない。これ、一般人だけじゃなくて、大体の芸能人もそうだよね。一緒なんだよ、若い人のすることって。デジタルネイティブ世代だから。
いや別にSNSで政治的発信をしろなんて言うつもりはない。でもそういう誰かの目を気にして無意識に避けてしまっていることで、世論って作られていると思う。こうして今の政治を野放しにしてきたように。
だから、何か別のプラットフォームが必要なのではと最近すごく考えている。Instagramでも、Twitterでもない、別の何かが。
静かに叫ぶプラットフォーム
昨年の総選挙でもやはり10〜20代の投票率が圧倒的に低かった。
総選挙を機に目新しくてキャッチーなプラットフォームも少なからず出てきた。自分の考えを2択の選択肢を通して具体的にして、あたかも性格診断のように指示党を決めるようなサイト。Instagramのストーリーズで投票したことを示すスタンプ等、若者と政治の距離は少しずつ近づいてきている。
でも、どうしてもイベント気分でしかみんなが乗らない。「GO VOTE」で終わり。政治ってもっと日常的なものなのに。
みんなが今、息をするように開いて利用している代表的なSNSと肩を並べるくらい、身近に考えれる場があればなとずっと考えている。
1. 代表的な意見(視点は様々)が見える。2. その意見にリアクションを起こすことができる。3. 数が増えれば署名として機関に提出できる。
上記ぐらいのシンプルな機能でなにか作れないかなぁ。新しく考えを発信するっていうのをデフォルトにするとハードルが高い気がするから、まずは意見にリアクションすることから。既に Change.org のように署名を集めるプラットフォームはあるけれど、なんだろ、私たちには情報量が多くてハードルが高くて分からないで止まってる人も多いと思う。とっても素晴らしいサイトであることには間違いないです。私もよく参加しています。
自分のお気に入りのSNSは決して関与せずに、日常的に政治に触れられる、そういうプラットフォームが出来ればと思っています。ほんとは周りの目なんか気にせず発言できることが一番なんだけど、できないなら新しく考えたいよね。技術的なものは一切ございませんので、すみません、だれか。(いきなり手放す)
「政治とは私のこと、そして君のこと」
最後に、私の大好きな本から引用。いつも政治について考えるときに思い出す言葉。考えが変わった言葉。これからも大切にしたい言葉。
「でも勘違いしないでほしい。私はダールみたいに原理主義であれと思っているわけではない。監視し、思考し、参画し続けることからしか民主主義政治は生まれない。ただしそれは目に見える政治に限った話ではない。もっと生活全般なんだ。誰かと誰かが話すとき、そこにすでに〈政治〉が横たわっている。冗談のなかに、喧嘩のなかに、つねに〈政治〉は始まっている。それを忘れないことだ。そしてー大抵の人々はそれほど〈政治〉を意識していない。語り合うのは目に見える政治の事象ばかり。肝心の自分の生活における〈政治〉には無自覚だ。だから曖昧にしか意志を持てない。」(ピロウボーイとうずくまる女の風景/森晶磨)
決してイベントなんかじゃない。毎日の中に政治はある。何を買うか。どこで買うか。誰と話すか。何を話すか。全ての選択が政治なのだ。
神戸の1003というお気に入りの古本屋さんで初めて買った記念すべき本。著者の森晶磨さんのTwitterも日々面白いので是非チェックしてみてください。(誰)
では。