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本の紹介、感想

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2016年5月の記事一覧

中世を舞台にしたエンタメ小説のおすすめ5選(+α)

中世を舞台にしたエンタメ小説のおすすめ5選(+α)

先日、中世以前の音楽について書かれた本のオススメをしてみたので、ちょっと中世系で攻めてみたい。
本当はルネサンスでもやってみたいのだが、ちょっと手に負えないような気がする。

ということで、とりあえずは、道筋として、中世を舞台にした小説で楽しんで読めそうなものの紹介、さらにできれば、中世について書かれた本でのオススメの回も作りたい(これはけっこう無茶だと思うけど)。

で、今回はとりあえず、

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中世音楽以前に関する音楽書15(+α)選

中世音楽以前に関する音楽書15(+α)選

先日、中世からバロックにかけてと、現代音楽の両方の作品が絶妙に混じったプログラムのコンサートを聴きにいきました。
「僕たちは古楽と現代音楽の対話を通して『数』と『トランス』という壮大な命題に想いを捧げる」


で、古楽も現代いずれの時代の音楽も大好物なのですが、ルネッサンス以前(このコンサートではヒルデガルド・フォン・ビンゲンとか中世のエスタンピとかペロタンとかファエンツァ写本とか演奏されたわけ

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中国のシャーロック・ホームズと中国の翻訳文学の摩訶不思議

中国のシャーロック・ホームズと中国の翻訳文学の摩訶不思議

「上海のシャーロック・ホームズ(ホームズ万国博覧会:中国編)」(樽本照雄編訳:国書刊行会)を読んで

今更言うまでもないことですが、世に名探偵は数いても、シャーロック・ホームズほどファンが多く、原作からその伝記、生活など様々なことを研究するシャーロッキアンなる人種を生み出しているのが、この名探偵のユニークさなのは明らかです。

今回紹介する、樽本照雄編訳「上海のシャーロック・ホームズ」はなんと

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フーガを書いてみませんか

フーガを書いてみませんか

フーガを書くための教科書を読む「フーガを書いてみたいな」だったら、グレン・グールドの数少ない作品の一つの題名ですが、今回は「フーガを書いてみませんか」ということで、みなさんに実際にフーガを書く意欲を高めてもらうため(?)に、学習フーガのための教科書やフーガに関連する書籍を紹介をしてみようかと思います。

というのも、
山口博史氏による
「厳格対位法 パリ音楽院方式による」
小鍛冶邦隆、林達也、

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ボッティチェリの「プリマヴェラ」を分析する知的冒険の書(後編)

ボッティチェリの「プリマヴェラ」を分析する知的冒険の書(後編)

少し前編を書いてから時間が経ってしまいましたが、後編です。

前編はこちらです。

前回は、日本人のボッティチェリ好きから始めて、「ボッティチェリ《プリマヴェラ》の謎」がどんな本かを紹介しました。
で、今回は、この本を読んで私の頭に浮かんだ疑問を挙げてみたいと思います。
だからって、この本がおかしい、ということではないですよ!勘違いしないように。。。。(どちらかというと私が歴史的経緯を知ら

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