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モーニング月例賞9月期 佳作を受賞しました 『鸚鵡の舟』


ヒエー!!!!

あー。えがったえがった。
なんとか年内に佳作をいただくことができました。

Dモーニングを購読中の方、そちらでお読みいただけます。
目次が『コウノドリ』の次らしいです。本当でしょうか。本当だったらどうしよう(畏怖)

ま、コミックDAYSで読めちゃうんですけども…!!

高2の時に作ったプロットを開放。つまりはちゃんと女子高生が描いた女子高生です。今は全然女子高生じゃないけどね!!じ、11年前…!?

以下、読んでくださった前提で恒例の補足をば。
自分で自分の漫画を解説するのは野暮だという風潮もあります。
それを承知の上で、私はヴォルス(1913-1951)と同じく「画と詩とは次元を異にするもの。それらは相互補完の関係にある」という種の人間。ドローイングに込めた思いを正確にお伝えするにはどうしても「書かざるを得ない」のです。

…などと言いつつも望むらくは、考察勢のみなさまに隅々まで分析していただける未来なのですが…。
言語で補足せねば成り立たないということはつまり、私の漫画は「未だ画成らず、また詩にも至らず」ということでしょう。
いやあ、修行が足りません。

①ヨヨはKオタ。結構ガチめの。

②カラヤンへのオマージュ。ココはクラシックオタ。
①ここで『劇場版パトレイバーⅡ』ワイバーン迎撃シーンにおける「This is Torebow, you're under my control」を想起なさった方、あなたとはいい酒が飲めそうだ。

②数学オリンピック的なデカめの大会で最優秀賞をかっさらってるリリ。そしてヨヨも何気に英語弁論大会で無双している。 

③「宝照院聡心導世大姉」この戒名からリリの生前の人柄を感じ取っていただけると嬉しい。

※リリの頭部の状態が良いのはエンバーミング(遺体衛生保全)されているから。脳死にまで至る崩落事故。おそらく見る影もなかったはず。
①三つ子の長女リリは公立の進学校。次女ヨヨと三女ココは中高一貫の私立。
①ウホッ。いい女。

②画素の関係で字つぶれちゃってますが、ダンス部の部活バッグです。そりゃモテるよ。
①読書家のヨヨ。ポッキーは極細派。

②高身長系女子のココとヨヨ。実在モデルならソフィア・スタインバーグ(180cm)、セラムンなら圧倒的にまこちゃん(175cm)推しなあたくしのヘキがフルスロットル。
①まちがいさがし中乙女
①夫(高校教諭)の一言「ああ…ここの先生デスク戻ってきたら記述問題の丸付けか…ウッ…かわいそう…」

②物理応用コースの担当教諭。ヨヨは自身の進路に迷いがありつつも腐らず勉強している。
①わけがわかりませんがこのコマ、全p中で最も作画に時間がかかりました。味わってくださいこの濡れ髪を。あのすみません、読み飛ばさないでください。あーちょっと言ったしりから!ちょ、行かんといて!次p行かんとって!あああーーー!!!

②「うすた描き文字」に寄せてます。これはみなさん結構気づいてくれてるらしい。だばだばだばだば。
①ヨヨはミイヒ(右)推し。

②久野のTシャツの柄「さすがに暑い」

③『彼氏彼女の事情』の芝姫つばさが好きすぎて名前を寄せてしまったキャラ、柴原椿。
お気づきでしょうか?ココと常に行動を共にするクルクル薄茶髪の気つよつよガールの存在に…。そう、彼女です。
家では末っ子のココも、学校では椿嬢の世話を焼く穏やかお姉。私も一人っ子っぽく見られないように外では姐御を演じてきたものでした。

④エセつば九郎
①放課後の教室で遊戯王的なサムシングにいそしむ男女。これこそが2人を繋ぎ止める固い絆!ディープな趣味でわかりあえるってぇのは幸せだな。ていうか久野、お前めっちゃ背高くね??
①ロケーションにピンときた方、さては母校が同じですか?ちょっと肩組もうや。
①普段は好きな子を前にしているとは思えないくらいあっけらかんとしていて余裕綽々な態度をとれるくせに、こういう肝心な場面では全然目を合わせられない久野。
①久野を意識しだしてから照れてばかりだったのに、この渾身の告白にはえもいわれぬ違和感を感じてしまい、真顔のココ。
①管楽器の演奏のコンディションに直結する要素ばかり。
①「うみぼーず(海坊主)」とは…アオウミガメの別称でもあり、また「船の行く手に現れる化物の名」でもある。

②St.E.F.は「Saint Elmo's Fire(セントエルモの火)」の略。地中海の船乗りたちが船のマストや帆桁の端にともった火を見て、守護聖者である「聖エルモ」が現れたと信じたことに由来する自然現象。
①と②でココを取り囲む状況を比喩的に示す。

③「モブがモブでないこと」が吾輩の堅固なポリシー。通行人の顔は絶対に省略しない。妥協しない。人類、生命、いや万物みな主人公であります。
①ノンデリ系ギャル・ヨヨ。
①末っ子気質はありつつも案外冷静で生真面目なので、これまで感情的にキレることはあまりなかったココ。奥手な彼女にとって、ようやく実りそうな恋がどうしようもない事情で頓挫するというのは死活問題。
無性にイライラした時、体がないから物に当たろうにも当たれない。
①良いコンビニ。
①数あるウボァーーーの中でどのウボァーーーに当たるのか…って? 愚問だよ!!!早乙女拓也のウボァーーーもなにもかも、元を辿ればFF2でしょうが!
これはあれだ。アブ・キヨ・ドコムスの三大学園ハンサム実況をローテしながら作画しただけだ。じゃあ拓也か。拓也です。
①一番気に入ってるコマ
①浮かぶリリの幻影と、それをさも当たり前かのように見つめているココ。
ここまで一度もリリに配慮する発言がなく、リリの遺体に話しかけることもなかったココ。何故か。紛れもない、彼女には常にリリが見えているからだ。
「リリ」はもはや三人称ではない。
良い演奏をする人はおしなべて感受性が段違いに高い。そんな彼女がリリの念を背負わずに生きていられるはずがない。
①ベルギーの作曲家アンドレ・ウェニャンの「ラプソディ」より。ココは↓シモン・ディリックさんの音を理想としている、という裏設定。何度聴いても惚れ惚れします。
本作はこの曲の展開を意識して作っているので、こちらをご視聴いただきながらもう一巡していただければこれ幸い。
①長年温め続けてきた決め台詞で照れる宝。毎度クリティカルなアドバイスをくださるハラさん曰く、男性はこういうとき目見れないです、とのこと。
対して、照れはするけれども宝をめちゃくちゃガン見してるココ。一旦付き合うとわりかしがっつり目見れちゃう女。


おしまい!
ご清聴ありがとうございました。

例に漏れず激重SFプロット(しかもリリが主人公)を提示しちまったところ、担当ハラ氏の機転により「アイデンティティクライシスを経て折り合いをつけながら少しずつ進んでゆく」前向きな物語へとメタモルフォーゼし、無事に受賞へと漕ぎ着けました。舟だけに。

なお『鸚鵡の舟』タイトルの意味は複合的で

・亡くなった姉の声の模倣
・インコも実はオウム。リリはタイハクオウム、ヨヨはルリコンゴウインコ、ココはクルマサカオウムの特性から性格を反映させている。1ワードで三者三様の三つ子を暗喩

等々。この辺りの感じ取り方はみなさまに委ねたいと思います。題名に美学有り。
※ちなみに「瑠璃橋高等学校」はルリハインコ、「桧扇学院高等学校」はヒオウギインコから。

そして我が友、読んで開口一番に一言。


「いや、ヨヨへの思い入れ強すぎやろ(笑)」


バレましたか。あそう、ダダ漏れですか。
はい。ヨスガ派です。
最も根深い悩みを抱えているのは彼女ですからね…。

ヨヨが医師を目指す決意をしたのは急な思いつきでもなんでもなく、リリ絡みで重めの過去話がございます。
それはまたいずれ単行本とかで…ということになったので、ひとまず匂わせて終い。

三つ子のバックボーンを全く描ききれていないので正直言って不完全燃焼ですが、連載を目指す身としては賞レースの短編は不完全燃焼な方が良さげな模様。
なんか足りねえ!歯がゆいわ!もっと詳しく描きやがれ!と読者の方々に思っていただければ成功、だそうです。

思って……いただけたでしょうか……?


ちば賞2次落ちしたり実家のネコ氏(3歳)が難関手術したり、その他諸々、ハートかき乱されし2024年。
そんな心の不確かさを凌駕するくらい、漫画面での学びも多かった。

年明けからは原稿料を賭けた「短編コンペという名の天下一武道会」が開幕します。
勝つ。ぜってー負けねえ。

おお、主よ!
天にまします我らが主よ!


はよ、長編描かせろーーー!!!





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