【読書】「しろがねの葉」千早茜
第168回直木賞受賞作。
石見銀山で女だてらに働く女性の成功譚、を期待して読んではいけない。いつの時代だって生きるのは大変だ。生きている時代なりの男性にも女性にもつき纏う大変さ、を時に熱く、時に突き放して物語られる。
天才山師に拾われた主人公「ウメ」の、女性であるばかりに抱える焦燥感を絶えず感じつつ読み進む。
主人公のみならず登場人物がしっかりキャラが立っていて、好きな登場人物に感情移入しやすいだろう。
気に入ったフレーズを引用。これから読まれる方のために、誰が語ったかはあえて書かずに、
物語終盤、ウメが自身の来し方を回顧しいくつもあった「輝き」に思いを馳せる。いい場面だった。
何物にも代えがたい自身の「輝き」が人生を照らす。