大切な人が、大切な人を失った時に「私」にできること
「親友の母が癌で亡くなって、親友がうつ状態になりました。
私に何ができるかわからなくて・・
誰か教えてください。」
インスタのストーリーを見てたら、不意にこの言葉が目に飛び込んできて、
気づいたら、手が返信してました。
それで、必要な人が他にもいるかもと思って、今この文章を書いています。
【母が母を失った日】
去年の5月に、祖母の誕生日の前日に、私の母は祖母を亡くしました。
祖母の誕生日を祝うために、中国に行ったはずが、葬儀になってしまいました。
一昨年の11月ぐらいから、体調がすぐれなかった母は、
まず、この打撃に耐えられませんでした。
それでも、親友の支えがあって、その場は持ちこたえました。
【大切な親友の死】
そして、その傷が癒えない中で、それでも頑張って立ち直ろうとしている中で、4か月後の9月。
母の祖母が亡くなった時に、支えてくれてた大事な親友がまた亡くなりました。
そして、母は本当に自分の中の何かが壊れていったんだと思います。
暗い回想シーンは、ここまで。
で、ここからが、
私達にできること、
です。
(注:筆者は心理学者ではなく、あくまで実践してよかった経験談)
【① うつ状態を怖がらない】
まず、怖がらないことが大事、だと思います。
風邪と同じように、心が病気になってしまったのです。
心に台風が来ている状態が、うつ状態、と思えばよいです。
台風がいつかは去るように、うつ状態も適切な対処と時間さえあれば、
確実に去ります。よくなります。
うつになると、すぐ自殺に結び付ける人が多いですが、「うつ状態」、なので、そう簡単にまだ死にません。
だから、
「ああ。どうしよう。うつになちゃった、」
じゃなくて、
「ああ、そんなにも大きな打撃を受けたのにもかかわらず、まだ生きている、生きててくれて本当にありがとう」
ってことにまず感謝しましょう。
心に台風がきたのです、今までどれほど我慢していたのでしょう。
それでも、
まだ生きているのだから、本当に偉いんです。
大切な人が自分の中の心の台風と戦っているのです、暗い顔せず、応援してあげましょう。
もちろん、すごく大変です。
ブラックホールの中にいるんじゃないか、ってそういう気分です。
でも、台風がいつかは過ぎ去るのと同じように、
心の病もいつかは過ぎ去ります。
【② 放置しない】
放置しないこと、大事です。
“今は何をいってもきかないだろうから、
少しの間、一人にして、それから話にいこう・・。“
こう考える人も結構いるんじゃないかなって思います。
っていうのも、うつ状態になっている人がよくいう口癖が
「一人にして、放っておいて」っていう言葉だからです。
でも、信じちゃ絶対だめです。
うつ状態は心に台風が来ている状態です。
そんな状態で、一人にして置いたら、
そのままブラックホールに突入して、渦に飲まれてしまいます。本当に。
だから、絶対一人にしないでください。
実際、母がうつ状態になったとき、母の友人も家族も二極化しました。
頻繁に母に話しかけたり、食事をつくってくれたり、メッセくれる友人と、
一方は、ほとぼりが冷めてから話しかけようとした友人たち。
どちらも、母を思って行動をとってくれたのですが、
最終的に母を救ったのは母の傍にいた人たちでした。
私の力だけでは絶対に母を取り戻すことができなかったので、
本当に感謝しています。
【③ 1人で面倒を見ない】
1人でうつ状態の人の面倒を見る=1人で台風から人を救出すること。
一歩間違えると、自分自身も台風に巻き込まれます。
なので、友達3、4人とか、家族とか、チーム組んで、定期的に話を聞いてあげること、
肯定してあげることがすごく大事だと思います。
1:1での療養は結構しんどくなるので、
誰かと一緒に支えてあげられたら一番かと思います。
私の母も母の友達の力と母の兄弟の力が大きかったです。
そうやって思ってくれる友達がいるだけでも、
その人にとっての一つの光になると思います。
【④ 薬に注意】
病院の薬も全部が全部飲んだらいいわけではなく、精神科の薬は量を間違えると脳が麻痺することにもなるので、そこは注意が必要です。
うつ状態に効く万能薬はなく、
むしろ、共にしてあげることが大切です。
自然の中で一緒に散歩したり、音楽を一緒に聞いたり、その人が好きな料理を作ってあげたり、笑わせたり、一緒に絵描いたり、読み聞かせしてあげたり、
赤ちゃんと向き合う感覚で、
向き合ったら自分の心も楽かなって、思います。
(ちなみに、私は、偉人の伝記を読み聞かせしたり、ヒーリング効果が高い賛美歌を流したりしてました。)
スルーされても、ひたすら話しかけて、ひたすら自分で相槌を打つ、
いつかは、その声、届きます。
【⑤ 優しく聞いて、はっきり話す】
聞くのは優しさが大事だけど、
話す時は強さも大事だなっていうのを感じます。
うつ状態の人はもうすでに、自分で自分を否定しまくっているので、「そうだね、そうだね」って
同調しすぎると、どんどん渦に入ってしまうときが多いです。
だから、はっきりと話してあげることも大事です。
例えば、自分を否定したり、世界を呪い始めた時とかは
「いや、そんなことはないよ、あなたは価値があるよ」とか
「それは違うよ、世界は素敵なんだよ、もっと生きてみないと」とか
口調が柔らかいと圧に押されるので、
そういうマイナスの度を越えたダークな発言がでてきた時は、はっきり話す必要があります。
ちなみに、まだ優しさスイッチで大丈夫な時は、
「私は本当に自分のまちがいを犯したと思ってる、あの時、あーしてたら、」とか、
過去の後悔を話している時です。
そういう系はまだ、かわいい方なので、
そういう発言に対しては、
「そっかそっか、そう思うときもあるよね、」って優しく受け止めてあげたらいいと思います。
【⑥ ひどい言葉はすべて脳内スルー】
「もう、放っておいてよ。」
「あなたにはこの気持ちわからないよ。」
「もう、死なせてよ、、、1人にして」とかとか、
結構ひどい言葉を言うときもあります。
これはまだ軽い方で、
もっと、「おお。そこまでいうか。」っていうのもあったり。
でも、気にしないでください!笑
発熱した人が「つらい、つらい」っていっているのと同じです。
言葉にできる分、元気があるということだから、まだこれは安心です!
怖いのは、何もしゃべらなくなって、
無気力状態で遠く一点を見つめている時ですね。
この時はやばいですね。
だから、ひどい言葉言われても、
「今日はしゃべる元気があるんだね、よかったよかった、、、。で、今日は何食べる?お肉か、お魚か、どっちがいい?」
的な感じで、音楽でもかけながら料理すれば、料理もできて一石二鳥です!
【⑦ 毎日、好きって伝える】
「好き」ってパワーワードだなぁってつくづく思います。
なにか相槌に困ったら、好きって伝えたらいいと思います!笑
本人に対して
「今日も好きだよ!」って。
一緒に散歩する時に、
「この花、すごく好きな花なんだよ!一緒に見れて幸せ!」とか。
雨の日とかは、
「今から私の一番好きな曲を弾いてあげるね!流すね!」とか。
今日が会える最後の日と思って、
毎日「好き」って伝えてください!
【⑧ 一歩前進したら、百歩前進した並みにほめる】
努力を繰り返してると、だんだんよくなってくるんです。
例えば、前は何回呼んでもご飯食べることを拒んだのに、自分からご飯の時間にちゃんと食卓に座るようになったりとか。散歩しよう、って自ら言い始めたりとか。
ちょっとずつだけど、よくなってくる。
そんな時に。
全力でほめてあげてください!
「わああああああああ本当すごいじゃん! 昔はごはんを食べる力もなかったのに、こんな短い時間の中でお腹すくようになったんだね!元気になってる証拠だね!こんなに早く回復しているなら、もう、すぐ、よくなるね!本当に、すごいよ、頑張ったね、さすがだね!!!!!」
ほめることは最高の薬です^^
【⑨ 関心=愛】
関心を持つことが愛です。
うつ状態になっている時は
「自分が必要な人もこの世界にはいないし、
自分自身も誰からも必要とされてないんじゃないか。世界のお荷物なんじゃないか。」
っていう考えで一日中生きています。
だから、毎日毎秒、
「あなたが生きていることに価値があるよ、」
って話してあげましょう。
実際、私の母が本当に死を決心した時が過去に二回あって、その時は、私の一言と弟の一言によって救われた、と話していました。
「ママ、ママが死んだら私も死んじゃうよ。
私、最高の人生が待っているのに、これから、最高にママを幸せにするのに、死んじゃうよ。ママ、私が死んでもいいの?
ママは、これからたくさん幸せになるから、生きているだけでいいんだよ。
生きているだけで、私の心の支えになるし、価値があるんだから。」
【⑩ 最後に】
コロナに、震災に、、、、
今大切な人を失ったり、
大切な人が大切な人を失う場面に直面することも多いと思います。
そんな時、1:1で向き合うと自分自身も辛くなると思うので、何人かで電話したりメッセ送ったり、笑わせたりすることが大事かなって、思います。
時には「あなたにはこの気持ちわからないよ、放っておいて。」って
ひどい言葉を本人が投げてくる時もあるかもしれませんが、「ま、そーゆー時もある!笑」って割り切りましょう!笑
考えの転換には時間が必要かと思いますが、周囲の支えがあれば、必ず乗り越えられるし、乗り越えた時には、もっと強くなっているので^^
人は失うものが人生の中で多いけど、その悲しみも一つの試練。
悲しみが多い人ほど、優しくなれるんだ、と思います。
失ったものが多い人ほど、今あるものを大切にできるんだ、と思います。
時には泣いたり、人生投げ出したくなったり、
自暴自棄したくなったりする時もあるけど、
たくさん泣いたらその分だけ笑える日が必ず来るから。まずは、たくさん泣いたらいいと思います。
我慢したって、悲しいのは悲しいし、つらいのはつらいじゃないですか。
つらいもんはつらいんですよ、(笑)
だから、つらい時は泣いたらいいんです、いっぱい泣いてください。
泣いた分だけ、また笑える日がくるから、大丈夫です!
泣くことは恥ずかしいことじゃないし、
涙の分だけ、人は強くなるし、優しくなれると思うので。
それから。
たくさん泣いている人見たら、気をつかって傍を離れるよりは、
その分だけ、明日笑う、と思って、
とりあえず隣にいてあげたらいいと思うんです。
なんて声かけていいかわからないときは、
とりあえず、ティッシュとかハンカチとか
差し出したらいいと思います。
言葉がなくても、心は感じるから、
寄り添うことで、何かが変わると思います。
だから、
大切な人を失って悲しんでいる人がいたら、
ぜひ、傍にいてあげてください。
何もできなくていいんです。