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劇場アニメ「ベルサイユのばら」の感想。
話題になっていた「ベルサイユのばら」の新作アニメを観てきました。
ベルサイユのばらといえば、
原作
TVアニメ
実写映画
宝塚
小説
と、いろいろなバリエーションがあるのですが、私は上記全てを制覇(笑)しています。
今回の劇場アニメも早くからチケットをとり、期待に胸を膨らませながらいってまいりました!
全体的な感想
原作自体が9巻もある大作なので、これをわずか113分にまとめようというのがそもそも無理だったように思います。
原作のあらすじを忠実に再現してはいるのですが、それだけにあれこれ詰め込みすぎて、原作を知らない方には理解しにくい仕上がりになっていました。
たとえばデュ・バリー夫人にアントワネットが初めて声をかけるシーンですが、前後関係の説明もセリフもなく、ただアントワネットが泣きながら走り出していました。
これだと、アントワネットが宮廷でいじめられているようにしか見えません。
いっそ省略してもよかったのでは?
ポリニャック夫人も賭博のシーンで登場していましたが、限られた時間の中で賭博は必要だったんでしょうかね?
そしてちょっとビックリだったのがロザリーです。
ド・ゲメネ公爵が子供を銃で撃とうとするシーンにたまたま居合わせただけで、それ以降いっさい出番なしでした。
そんなぐらいなら、最初から登場しなくてもよかったのでは?
絵柄について
公開前から賛否両論ありましたが、正直なところ、この絵柄はなじめません。
なんというか、背中がむずむずするような違和感というか、つまり「これじゃない」感なんですよね。
同じように感じた方いるかしら?
一方で、原作そっくりなとても美しいカットも数点あり、これには思わず目を見張りました。
全般的に、美しく見える絵と間抜けな顔(暴言失礼!)に見える絵が混在していて、同一人物とは思えなかったんですよね。非常に残念です。
あと、どのキャラもやたらと涙を流すのが気になりました。
ベルサイユのばらって、どのキャラにも芯の強さがあるはずなんですよね。
そんなにメソメソ泣いてていいんかい!とツッコミ入れたくなりました(笑)
これは違うと思ったこと
衛兵隊を率いるオスカルとアントワネットの決別シーンがなぜか喧嘩腰なのがいただけないです。
「オスカル、近衛連隊に戻りなさい」ってなぜそんなに上から目線??
そりゃあ王妃様ですけど……二人の間には深い絆があり、それぞれが真逆の立場になってしまったことを悟りつつも、哀しい別れを告げるシーンのはずです。
あんな風に命令して険悪なまま別れるなんて、個人的にはどうしても納得できません。
あと、アンドレにいたっては、怒り狂った民衆に棒で殴られて失明するというおざなりな扱いでした……。
主題歌について
主題歌はそんなに悪いわけじゃあないけど、ちょっと軽いかな~という印象です。
TVアニメの主題歌があまりに華やかで美しいので、この壁を乗り越えるのは無理かもしれません。
いっそTVアニメの歌をそのまま使ってほしかったです。
見終わって思ったこと
ベルサイユのばらは長いお話なので、テーマを絞らないと視聴者に伝わらないと思います。
恋愛をテーマにするのか、歴史をテーマにするのか、どちらかに絞ってほしかったですね。
また、恋愛については、
フェルゼン⇔アントワネット
オスカル⇔アンドレ
が主軸なわけですが、どちらも追いかけてしまったせいで、どちらも薄まった印象でした。
どちらかのカップルをメインにしていたら、もっと深く掘り下げられたのかな?
この映画を見る限りでは、なぜそれほどお互いに惹かれ合うのか理解できないと思います。
総合評価
期待が大きすぎたせいか、ちょっと期待外れだったかも……点数をつけるなら、60点かな。
でも!
やっぱり見てよかった!(見てない方はぜひ一度!)