私は、私のために生きることにした
振り返ってみると私の人生は、常に誰かのためにあったような気がする。
心が震える記事に出逢い、改めて私は私の人生をどう生きていきたいのかを考え直した。
この記事は、今野良介さんの記事、「読みたい本を、作ればいい。」という記事を読んでの感想です。
https://note.com/konnor/n/n6257110d7b88?magazine_key=mc36ba0a5c8ad
1、私の根本だった「家族のため」
私にとって、重大な存在である家族。5人姉弟のうち、姉、弟①、弟②の計3人が知的障害者だ。
幼少期の私は、必然的に障害のある姉と弟達の世話をした。成人してからは、加えてすぐ下の妹がうつ病と摂食障害を患い、しばらく妹のフォローもしていた。物心ついた頃から社会人になっても、どこかしらで「きょうだいのために」の思いが根強くあった。
さらに二十代後半には母が脳卒中で半身麻痺となり、退院後から施設入所まで、入所してからも今に至るまで、母の介護関連における主介護者は私となった。
常に家族のため、きょうだいのために生きてきた私は、これまた必然的に介護の仕事を選び、就職した。
介護職として、今度は「利用者のため」に1日の大半を働くようになった。
私の人生の半分以上が、常に自分以外の「誰かのため」にだった。
2、表現との出逢い
もうひとつ、私には大切な事があった。お絵かきと、作文だ。
物心ついた頃から、とにかくお絵かきをしていた。チラシの裏、文庫本のカバー裏など、白い紙には絵を描かずにはいられない位にお絵かきに夢中だった。小学生から高校生まで、絵を描く事は生活の一部だった。
お絵かきの他に、作文も好きだった。
自分の頭の中にあるもの、感情、そういったものを絵や文章として表現する事が好きで、得意だった。
高校生以降、携帯電話の普及に伴いインターネットも盛んとなった。
ブログにも夢中になっていた。
就職に伴い、時間的な制約も重なって、自然とお絵かきや文章で自分の思いを表現する事から離れていった。
その間、家族にも様々なことが続き、自分をさておき家族や他人のために頑張っていた。
そんな折、筆文字に興味を持つようになった。
筆ペンで書ける筆文字の教室を探し、出逢ったのが「お絵かき書道」だった。
このお絵かき書道との出逢いが、私の大きな転機となった。
筆文字を学んでいく中で、思い出した夢。
「クリエィティブな仕事がしたい」
それと、もう家族のためではない、自分のための人生を生きたいという気持ちが強くなっていた。
夢中で筆文字を学び、私は晴れてお絵かき書道家となり、念願だった作家活動を開始した。
3、現実は過酷だった
お絵かき書道家として作家活動を開始してしばらくした頃、世の中の流れが大きく変わってきた。コロナ禍だ。
本業である介護職にも、もちろん大きな影響があった。
感染対策に必要不可欠なマスクが足りない。
排泄介助や薬を塗る際に必要なディスポ手袋が無い。
相手にしているのは、抵抗力や体力の無い高齢者。持病を抱えている利用者が多く、万が一感染してしまったら命に関わる。
職場にウィルスを持ち込むのはご法度だが、利用者から感染する可能性もある。
緊急事態宣言以降、明らかに症状が進むのが早くなった認知症高齢者。
職場にクレーマー家族から「感染者が増えているのに何をやってんだ」といった、訳の分からない苦情の対応。
利用者や家族だけではない、私たち職員だって不安だし、怖い。
しかしストレス発散できる術はなく、耐える日々。
さらに職場内でも色々あり、ストレスはピークに達した。
そんな状況で、作家活動はできなかった。
作家活動は、休止とした。
そしてしばらくした後に、体調を崩した。
4、休職して気付いたこと
少し休んで仕事に戻ったが、完全に回復していなかったらしく、この頃になって心身のバランスを崩し、休職となった。
時間が確保できたので、noteを書きながら、いろんな方たちの記事も夢中になって読むようになった。
その中で出会ったのが、今野さんの記事だった。
「誰かのため」に仕事をする。
「誰かのため」に生きている。
「誰かのため」に何かをする、この事に私はほとほと疲れ切ってしまった。
記事を読みながら、今野さんの文章から「楽しい」という気持ちが溢れていて、読んでいる私もワクワクしながら、夢中で読み進めていった。
段々と、読了する事への寂しさも感じた。
しかし読了した後は、すっきり爽やかな気持ちになっていた。
今野さんがいきいきと、楽しみながら本を作っていく工程を読んでいるうちに、私は自分の人生を振り返り、ハッとした。
自己犠牲と奉仕を履き違えたまま、私は生きてきた。
その結果が心身のバランスを崩し、痩せ細った今の私の姿だ、と。
5、これからのこと
自信を持って言える。
この本はめちゃくちゃおもしろい。
誰にとって?
私にとってだ。
どんな本よりも、間違いなくおもしろい。
私がだ。
今野さんの記事より引用させて頂いた。
ここの言葉たちが、私に気づきと決意を促してくれた。
私も、私の人生をめちゃくちゃおもしろいものにする。
誰にとって?もちろん私にとって。
間違いなく、私がおもしろいと感じる人生にするんだ。
誰かのために「私」を無視して、心を擦り減らしていくのはもうおしまいだ。
私は、私のために生きる。そして、誰かのためにできることを、これから模索していこうと思えた。
以上で、note読書感想文はおしまいである。
今野さんの記事に出逢えたことに、心から感謝の想いを伝えたい。
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