はじめてのエンゲージメント活動〜朝礼と3分間スピーチと心理的安全性#4〜
こんにちは!Engagement Run!Academy講師兼コミュニティマネージャーの三浦です!
これまで、伝統的な日本企業や外資系企業、ベンチャー企業と様々なタイプの組織で働いた経験がありますが、数回に分けて、
わたし自身がはじめてエンゲージメント活動に関わった経験をお話させていただきます!
前回までのあらすじです!
第1話:イヤイヤ始まった朝礼と3分間スピーチ。
第2話:ネタが尽きたら、新しいアイディアが出た。失敗したら、ハードルが下がった。
第3話:協力者が増えてきた。
それでは、今回のお話です!
他部署とお互いの朝礼を見学しあった。
各部での朝礼の形が固まってきたころ、他の部の朝礼を見学する機会が設けられました。
見学会は事前にスケジュールが配られ、約10個の部署の公開朝礼の中から希望の朝礼を見学できるというものでした。僕は4つ見学しましたが、他の部の朝礼も、それぞれ独自の工夫がありました。
例えば、
・外国の方がいる部署は英語で朝礼を行なっていました。
・在宅勤務の人がいる部は電話でも参加できるような仕組みをつくっていました。
・朝礼の最後に「今日の質問」というコーナーを設けて司会者が他の参加者の誰かを指名して質問をする、という部もありました。
そして、もっとも見学者が多かったのは、「司会者が持ち回りで、フリーテーマでスピーチしているらしい。」と、噂になっていた僕たちの部署でした。
その日の3分間スピーチは、革靴などの革製品を磨くことが大好きなBさんが、変わった趣味だと思われたくないので、ご家族にはそのことは秘密にしており、奥さんとお子さんの留守中に、以前から狙っていた、自宅にある革製品の中ではもっとも大物の皮のソファを思う存分に磨いた、という話で、まるで浮気をしているかのような背徳感たっぷりのBさんの語り口調が、聴く人たちの笑いを誘っていました。
終わった後に見学していた他部署の人から、
「毎回、このような面白い話を用意できるのですか?」
という質問が出て、僕たちはびっくりしました。
Bさんは答えます。
「僕は革製品を磨くことが好き、ということは今まで、他の人に言っても興味を持たれないだろう、と思っていて、家族にも言っていませんでした。この場では、皆さんが話を興味を持って聞いてくれるので、話そうと思えます。」
自分たちがスピーチをする側、つまり話を聴いてもらう側の立場になった時に嬉しかった関わり、
・まず興味をもって聞く
・気になることは質問する
・伝えたい感想があった時は、後で伝える
を、習慣のように続けていた僕たちのチームは、仕事でも対立も含めたオープンなコミュニケーションが増えていました。
いつの間にか何を言ってもOKな心理的安全性の高い空気ができていたんだ、ということに他部署の人から質問をもらうことで、僕たち自身が振り返り、再確認する機会になりました。
Bさんは続けます。
「他の人の3分間スピーチを聴いていて、必ずしも話術の達者な人でなくても、その人自身の気持ちやその人らしさが滲みでている話は面白いんだな、と思えました。だから、面白い話をしようとはあまり思っていなくて、自分の中で心の動いた話や感じたことを話すようにしています。」
同じ部署の僕たちは同感でしたが、他の部署の人たちは、この考え方が新鮮なようでした。僕たちはこの「スピーチをする上で大切にしていること」を、チーム内で話し合ったことはありませんでした。日々、3分間スピーチで聴く&話すを繰り返すうちに、大切にしていることが自然と醸成されていたんだなあ、と思いました。
そして、このように自分たちの大切にしていることを言語化することで、さらに目に見えない関係性(今、振り返るとこれこそがエンゲージメントだと思います。)、が強くなっていくことを感じていました。そして、それこそが、他部署とお互いの活動を見学し合うという、越境の学びの中で得た最も大きな成果でした。