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青木野枝展 光の柱(市原湖畔美術館)

千葉県市原市、高滝湖畔にある、市原湖畔美術館で開催中の「光の柱 青木野枝」展を見てきた。2023/10/17-2024/1/14 来週で終わってしまうが、見に行けて本当によかった。
2022年に瀬戸内国際芸術祭に行ったときに、豊島で「空の粒子」を見て、その翌日、小豆島で「空の玉」を見たのだが、この、「空の玉」にとにかく圧倒された。寒霞渓という、島の中心部の高台で、斜面から下界を臨める場所に、鉄の輪を繋げて作られた球体。中に入って、広い空と下に広がる森林を眺めた時の、爽快で心洗われる思いは、瀬戸内国際芸術祭の展示物の中でも随一の経験だった。
その、青木野枝の新作が、市原湖畔美術館の建物にインストールされている。
9メートルの吹き抜けに立ち上る3本の光の柱。小さい展示室には、円輪が螺旋状に天井まで上る光の柱。そして、円柱状の骨組みにアンティークガラスを嵌めた円輪がぶら下がっているオブジェを何本も収めた部屋。これも光の柱。展覧会のエントランスには円輪を球状に溶接した、coreという作品が2点。溶断された円輪のギザギザな断面、色とりどりのアンティークガラスが嵌められた円輪と、中空の円輪の組み合わせの妙。力強い美が静かに屹立している。


展覧会入口。


core-3 高さ246.5cm
core-1 250cm


光の柱III 470cm


光の柱II スペースサイズ792x834cm


光の柱I スペースサイズ1010x1124cm

歌舞伎町タワーのホテルの壁面に取り付ける彫刻作品を作製した際に撮影されたビデオ映像を流していて、アトリエの様子などを知ることも出来た。
彫刻、というかインスタレーション的な作品が多く、解体して、円輪の集積みたいになって戻ってきて、また別の作品に使われたりすることもあるらしい。今回の作品も、かなり巨大なので、このまま保管はされないのかな。残念。
でも、作家は、作品は一旦完成した時点で自分の手は離れているので、自分のもの、という意識は希薄になり、後は、多くの人に見て貰って、その人たちの心に何か残ればいい、というようなことを語っていた。


市原湖畔美術館

屋外にも色々な彫刻作品やインスタレーションがあり、散策するのも楽しい施設。入場料1000円は良心的だが、まぁ現地まで行く交通費がばかにならないとも言う。

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