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ENECHANGEを知る「エネルギーデータ事業」

ENECHANGE(エネチェンジ)は、「エネルギーの未来をつくる」をMissionに掲げ、脱炭素社会をデジタル技術で推進するエネルギーテック企業です。より良い世界の創出を目指し取り組んでいる各事業について、新卒採用担当の平久井さんとともに深堀りしていきます。今回はエネルギーデータ事業の紹介です。

エネルギーの未来をつくる「エネルギーの4D」とは


――まずは「エネルギーの4D」について教えてください。

平久井:エネルギー業界では、脱炭素社会を実現させるためにカギを握る4つの言葉があります。それが「エネルギーの4D」です。「自由化(Deregulation)」「デジタル化(Digitalization)」「分散化(Decentralization)」「脱炭素化(Decarbonization)」で、頭文字がすべてDのため4Dと言われています。この4つの分野でイノベーションを起こすことが、エネルギーのこれからを考えるうえで欠かせないと言われています。

――4つの「D」はそれぞれどんな意味があるのですか?

平久井:1つ目は自由化(Deregulation)。2016年に日本で電力の小売りが全面自由化され、私たちは電気をどの会社から買うか選べるようになりました。これによって競争が生まれ、各社がより良いサービスを提供するようになっています。

2つ目はデジタル化(Digitalization)。今では、多くの家庭に「スマートメーター」という通信機能付きの電力メーターが設置されています。これにより電気の使用状況が「見える化」され、エネルギーを効率よく使えるようになりました。

3つ目は分散化(Decentralization)。以前は、大きな発電所で発電した電気を各地に送っていましたが、今は地域ごとに小さな発電所を持ったり、電気自動車や家庭用の蓄電池の活用も進んでいます。災害にも強く、柔軟な電力供給が可能になりました。

4つ目は脱炭素化(Decarbonization)。地球温暖化の原因となるCO₂を減らすために、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを活用する動きが進んでいます。化石燃料に頼らず、環境に優しいエネルギーを選択することで、より持続可能な社会を目指しています。

――ENECHANGEの各事業は「エネルギーの4D」とどのように結びついているのですか?

平久井:たとえば、「自由化(Deregulation)」では、電力やガスを自由に選べるようにするプラットフォーム事業を展開しています。また、「デジタル化(Digitalization)」の観点では、データを活用して、ユーザーがより簡単に最適なプランを見つけられる仕組みを提供しています。
「分散化(Decentralization)」については、EV充電事業を通じて、EV充電インフラを整備しています。これによりEVの普及が促進され、将来的には蓄電池としても活用されることが期待されています。

さらに、これからお話するエネルギーデータ事業は、「エネルギーの4D」にそれぞれ対応するプロダクトを展開しています。プラットフォーム事業・EV充電事業で得たノウハウを活かして、エネルギー業界向けのデータ活用型サービス(SaaS)を提供しています。

自社サービスをカスタマイズして提供する
他社向けデータソリューション


――データ事業が行っているプロダクトについて、詳しく教えてください。

平久井:自由化(Deregulation)のプロダクトが「エネチェンジクラウドMarketing」です。電力会社向けのDXサービスで、例えば、東京電力エナジーパートナーのホームページで、シミュレーションのシステムを提供しています。(こちらのページの右上にpowered by ENECHANGEと書かれています。)私たちがプラットフォーム事業で培ってきたノウハウを基に開発したサービスを、さまざまな電力会社に提供しています。

――すでに開発されている自社サービスをアレンジするから、低コスト・短期間で提供できるSaaS事業ということですね。

平久井:その通りです。分散化(Decentralization)のプロダクトでも同じことが言えます。「エネチェンジクラウドEV」では、EV充電エネチェンジで培ったノウハウや自社アプリをもとに、各社向けにカスタマイズしたサービスです。ENEOS Charge Plusへのアプリ提供や、日産のNissanConnectへのデータ提供など、それぞれのニーズに合わせたサービスを展開しています。最近では海外の会社にも、日本国内のEV充電スポット情報のデータの提供を開始しました。

――自社のみならず他社も含めて、日本中のEV充電器の情報をもっているからこそ、できるプロダクトなんですね。


エネルギーの『見える化』で効率化を加速!
再エネ活用を次のステージへ


――デジタル化(Digitalization)についても教えてください。

平久井:エネチェンジクラウドDR」はデジタル化(Digitalization)のプロダクトで、エネルギー事業者向けのデマンドレスポンス(DR※)サービスを提供するために必要な機能を提供しています。例えば、電力が余りやすい日中の時間帯をユーザーに知らせ、その時間に洗濯や料理などの家事で電力を使ってもらうと、協力の見返りとしてポイントを付与します。この手法は「行動変容型DR」と呼ばれ、社会全体で電力の使われ方をコントロールする仕組みです。実際に東京ガスなどたくさんの電力小売事業者が活用していて、2024年夏に行った節電キャンペーンでは合計41.9万件のユーザーが参加しました。

※DR(デマンドレスポンス)とは、電力の需要量を供給量に合わせて需給バランスを確保させる手法のこと。さらに知りたい方はこちら

――エネルギーの流れを可視化するデジタル化は、電力の需要と供給のバランスを取るためには欠かせないのですね。もう1つ、エネルギーの可視化という点で「エネチェンジクラウドRE」についても教えてください。そもそも、REとは何ですか?

平久井:Renewable Energyつまり再生可能エネルギーです。脱炭素化(Decarbonization)のプロダクトは再生可能エネルギーの最適な活用を支援するためのサービスを提供しています。
1つ目は「eValue-Platform」です。これは、再生可能エネルギーを活用している電力会社向けに、環境価値の在庫や再エネ発電量の管理を支援するサービスです。
2つ目は「E-CLOUD RED」です。PPA事業者(※)向けに、太陽光発電の発電量と需要を予測しやすくする機能を提供しています。

※PPA事業者とは、需要家が保有する施設の敷地内に太陽光発電設備を設置し、事業家側で管理・保守を行いながら、発電した電力を有償で提供する事業者のこと。


エネルギー業界に精通したエンジニア集団が支えるビジネスモデル


――エネルギーデータ事業のビジネスモデルを教えてください。

平久井:4つのプロダクトがありますが、ビジネスモデルはおおむね同じです。自社サービスで培ったノウハウを提携企業に展開しています。提携先には、電力やガスの小売事業者やエネルギー系システム開発会社、さらに自動車メーカーなどがあり、開発・カスタマイズ料やソフトウェアのライセンス料をいただいています。

――SaaS企業はたくさんありますが、ENECHANGEの強みはどんなところにありますか?

平久井:ENECHANGEの強みは、エネルギー業界に特化している点です。業界に精通したエンジニアが集まっているため、企業側のニーズを的確に理解し、それに応じたシステムを提案・開発できることが大きなポイントです。


ENECHANGEがなぜグローバルな視点で投資事業を展開するのか


――エネルギーデータ事業の中でも、投資事業は他の事業部とは異なるグローバルな組織ですよね。

平久井:そうですね。ENECHANGEのはじまりは、実は、ケンブリッジ大学の研究機関にあります。東日本大震災をきっかけとして、「エネルギーデータの活用によるエネルギーの未来のあり方」を考えるために設立された研究所が元になっています。その名残もあって、現在もイギリスやアメリカなどのグローバルなチーム体制があり、海外の最新の脱炭素技術について知見を集める仕組みを構築しています。

――投資事業の具体的な事業内容を教えてください。

平久井:投資事業では、2つの主な取り組みを行っています。1つ目は、海外の太陽光発電所への投資などを通じた再エネ事業です。2つ目は、国内外の脱炭素テック企業を分析し、投資や連携を行うベンチャー連携事業です。この両方で、ファンドの運営や投資のサポート業務、最新情報の収集などを手掛けています。

――海外に投資することとENECHANGEの他の事業とのつながりは、どんなところにありますか?

平久井:日本よりも海外の方が、脱炭素に向けた取り組みが非常に進んでいます。ENECHANGEでは、これまで、プラットフォーム事業でイギリスの電力自由化の事例を、EV充電事業でアメリカの事例を徹底的に研究し、日本に合わせたビジネスモデルを構築してきました。投資事業では、こうした海外の知見や最新技術を情報収集することで、新たな事業、いわば「第4の事業」が生まれる可能性を探っています。


4Dでエネルギーの未来を切り拓くデータ事業


――エネルギーデータ事業に携わることにはどんな魅力がありますか?

平久井:3つの事業の中で、エネルギーデータ事業が最もENECHANGEのMissionに直結していると感じています。エネルギー業界では、IT化やDXが進まなければ、脱炭素社会の実現は難しいと言われています。ENECHANGEはプラットフォーム事業やEV充電事業でも貢献していますが、エネルギーデータ事業は、それらで培ったノウハウをエネルギー業界全体に広げる役割を担っています。単に自社の利益を追求するのではなく、業界全体を支えることに価値があると思っています。



エネルギークラウド事業部では、EVユーザーの視点を活かしてサービス開発を進めているメンバーがいます。EVの魅力も含めて紹介していますので、ぜひこちらの記事をご覧ください。

ENECHANGEでは「エネルギーの未来をつくる」のMissionを胸に、各事業部で多くの仲間が活躍しています。
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