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部下からの報告にどう向き合うべきか

リーダーとして部下から問題の報告を受けた時、どのように対応すべきでしょうか?
「いいよ、いいよ」と言ってその場を収めるのは、一見すると部下を安心させる優しい行動のように見えます。しかし、この対応が後々、取り返しのつかない「大火事」につながることがあります。

実際、多くのリーダーがこの「いい人ぶる罠」に陥ります。「部下に嫌われたくない」「良い上司でいたい」と思う気持ちが、結果的に問題を放置し、事態をさらにこじらせるのです。しかし、本当に部下や組織のことを思うリーダーは、このような選択をしません。真のリーダーとは、好き嫌いを超越し、問題解決のために嫌われ役を引き受ける覚悟を持つ存在です。

この記事では、**「いい人ぶる罠」**を避けるための具体的な方法と、リーダーとしての本当の役割について深掘りしていきます。


「いい人ぶる罠」がもたらすリスク

部下に問題を報告された時、「いいよ、いいよ」と軽く受け流すのは、一時的な平和をもたらします。しかし、以下のようなリスクがあります。

  1. 問題の本質が見えなくなる
    報告内容を深掘りせず、軽く受け流すことで、問題の根本原因が放置されます。これにより、後々さらに大きなトラブルとして再燃する可能性があります。

  2. 部下の成長機会を奪う
    問題に直面した時に厳しい指摘や建設的なフィードバックを与えないと、部下は自ら解決策を考えたり学んだりする機会を失います。

  3. 信頼を損なう
    一見、部下との良好な関係を築いているように見えても、問題解決が遅れたり失敗したりすれば、「リーダーは頼りにならない」と思われる可能性があります。


リーダーは「嫌われ役」と「客観役」であるべき

リーダーには2つの重要な役割があります。それは、**「嫌われ役」「客観役」**です。

嫌われ役の覚悟

リーダーは、部下が逃げたくなるような厳しい指摘や事実を伝えなければならない場面に直面します。この時、嫌われることを恐れてはいけません。むしろ、問題解決のために「嫌われてもいい」という覚悟を持つことが必要です。

たとえば、以下のような姿勢が求められます。

  • 問題に対して具体的に質問を投げかけ、曖昧な報告を許さない。

  • ミスや不備があれば、その場で適切に指摘し、改善を求める。

  • 責任の所在を明確にし、全員が理解するまで説明する。

客観役としての視点

リーダーは個人的な感情や好き嫌いを超越し、客観的な立場から問題に向き合う必要があります。これには、冷静に状況を分析し、最善の解決策を提示する能力が求められます。

例えば、部下同士のトラブルが起きた場合、どちらか一方の意見に偏ることなく、全体像を把握し、公平な判断を下すことが重要です。


「先に厳しく、あとで優しく」の原則

リーダーシップにおいて覚えておきたい言葉があります。それが、**「先に厳しく、あとで優しく」**という原則です。このアプローチは、信頼を築きながら問題を解決するための最善の方法と言えます。

先に厳しく

問題が報告された際には、まず厳しく対応します。
たとえば、以下のような質問を投げかけてみましょう。

  • 「この問題の根本的な原因は何だと思いますか?」

  • 「解決に向けてどのような選択肢がありますか?」

  • 「今後同じ問題を防ぐために何ができると思いますか?」

これにより、部下が自ら考える力を育むと同時に、問題解決に真剣に取り組む姿勢を示すことができます。

あとで優しく

厳しい指摘をした後は、フォローアップとして部下を支えます。たとえば、解決策を実行した結果について具体的なフィードバックを与えたり、努力を認めて励ましたりすることで、部下との信頼関係を深めることができます。


真のリーダーは問題解決をサポートする存在

最終的に、リーダーの役割は部下の問題を「解決に導く」ことです。そのためには、いい人ぶるのではなく、客観的かつ冷静な視点を持ち、部下の成長を支援する姿勢が求められます。

嫌われることを恐れるのではなく、「嫌われても部下や組織のために行動する」という覚悟を持つことが、真のリーダーシップと言えるでしょう。

あなたはどう対応しますか?
次に部下から報告を受けた際には、ぜひこの記事を思い出してみてください。
リーダーとして、問題解決の先頭に立つ姿勢が、あなたの信頼と評価をさらに高めることでしょう。


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