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#30 再び、疲れている部屋
疲れがたまっている。
この一か月ほどは、おそらくかつてないほどに充実し、健康に過ごしていると思う。在宅勤務は、たぶんぼくにはかなり合った生活スタイルなのだとあらためて思う。
しかし、知らないうちに疲れている。というのも、仕事がいまかなり生活のうちの時間をとっているからだ。これまでは自分の仕事が終わればよかったが、今週はまるまる時間をとられての仕事だったので、自分でコントロールできなくなると、かなりストレスを感じるらしい。
今日、首相の会見があって、緊急事態宣言が39県で解除されることになった。東京都の感染者数も最近は10人前後ということになり、2月頭くらいのコロナコロナ言いはじめる時期くらいの推移になった。
もとより、この数字が信用できるものなのかはわからないし、じゃあ解除ってことでまた人が往来を行き来するようになったら、あっという間に感染者が増えるようにも思う。ただ、最近になって、もうこんなに引きこもっている必要もないのではないかとも思うようにもなってきた。
たぶん、電車などがすいているからそう思うのであって、また満員電車になったらなったで、これじゃまずいだろと思いはじめるのであろう。
ただ、こういう「解除ムード」「終息ムード」になってきて感じるのは、この生活が終わってしまうことへの抵抗感だ。もちろん、自粛要請を受けて困っているお店などは再開した方がいいとは思うが、リモートワークで済むことが、再び無駄に出勤するようになって、無駄な時間と体力を使うようになることが耐えられなく怖くなっている。
ああ、また結局同じ世界が待っているのか……。
ビフォアコロナの世界を望む一方で、アフターコロナはまったく別の世界であってほしいとも願うこの妙なねじれた気持ち。
別にこれはぼくだけのことじゃなくて、多くの人がそう思っている。
なんだか6月が近づくにつれて、解除解除解除というニュースを見るたびに、少し焦るような思い。
アフターコロナ世界でふたたび生きるようになったとき、この2、3か月のことをどう思い出すのだろうか。もしかしたら、まったく終息しなくて、このさきも自粛が何カ月も一年も続くかもしれないのだが、それが終わったあとに、あんなに部屋に閉じこもっていた日々のことを、どう思い出すのだろうか。
いまから、そんなことを考えてみると、すごく不思議な気持ちになる。
とはいえ、この疲れをどう解消したらいいのかわからない。季節は五月病の時期に差し掛かってきた。五月に入った当初は、わりと無敵状態でコンディションもよかったが、ゴールデンウィークもあけて、やはりそろそろ疲れてきたのか。ふぅ……。
今日はもうここでやめておこう——。
日記はここで途切れている…………
【蒼馬の部屋-dialog-】
#06 2020.05.17(SUN) 21:00〜
ゲスト:野々原蝶子さん
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詩集『永遠という名のくじら』(私家版)
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在宅勤務でひとり部屋に引きこもった生活の様相を記録しています。そこから「言葉」がどう変容していくのか、アフターコロナにむけた「詩」の問題を考えています。もうすぐ一か月、毎日更新です。ぜひフォローお願いします。
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