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夜、冬、ひとり

生活のエネルギーが少しずつ増えてきた。
とはいえ相変わらずで、あまりたくさん動けるわけではない。
日の光はほんとうに重要で、とくに夕方など、日が沈むと同時に体が縦にならなくなる。
エナジーライトなんてほんの気休めでしかない。

精神科マガジンを何ヶ月も更新できずにいて申し訳ないという気持ちはずっと抱いている。
待ってくれている人がいるのかはわからないけれど、自分のためにもきちんと書き終えるつもりだ。


最近はフルタイムドイツ語学習者をやっている。
年末のわたしは、学校Aで1月のインテンシブコース(5週間)を申し込んだのだが、メールを見たら31日開始と書いてあった。
それまで暇だなと思い、学校Bで1月6日に始まる4週間のコースを別に登録した。

年が明けて、学校Aからgmailが届いた。
そこには「13日から始まるよ」と書いてあった。

これは完全にドイツ語のせいである。
ドイツ語では31を「1と30」と読むのだ。

幸いにして、学校Aは午後、学校Bは午前なのでなんとか両立できる。
ただ6時間授業を受けて宿題もして、というのは信じられないほど疲れる。
それこそ授業の終わる17:30より前に太陽がいなくなっていた時期は、わかりやすく体の角度が傾いた。
起こしていられないのだ。
眠いとも疲れたとも少し違って、あれはもうほんとうに、引力であった。

そのうえ土日に仕事があったりして、先週まではほんとうに音を上げそうだった。
授業は楽しいのだけれど、体力が足りず、どちらの授業も完全に消化できない。
そのまま次に進むのはストレスフルなので、どちらかに絞るべきである。

わたしは学校Bのほうが気に入っているので、2月からもそちらは継続してお世話になることにした。
というわけで、学校Aの5週間が終わるまで、つまりバレンタインデーまではフルタイムドイツ語学習が続く。

ポテチを買い込んだりもできるくらいには、エネルギーの総量が徐々に戻ってきた。
なので次の2週間は最初よりかがんばれるはずだ。
光のおかげだけでなく体力もついたのだと信じたい。
もちろんドイツ語力も。

寒さと眠さにはまだ抗えないけれど、泣いたりはしなくなった。
すこし前までなら、寒くても眠くても泣いていたのに。
泣く時間やエネルギーさえもなくしてしまったのかもしれない。
こうして人は大人になってゆくのだろうか。
悲しくもあり、良かったなあという気持ちでもある。


本を読む余裕も出てきたので、昨日からは小田実さんの「なんでも見てやろう」をようやく読み始めた。

多くの人間がこれを読まずして生きてきたなんて、にわかには信じがたい。
小田実さんは最高だしやっぱりわたしは既に死んだ人が好きである。
故人はこれ以上意見を増やさないし変えもしないから。

脳を覗き見られるようで、本棚の公開や本の貸し借りは恥ずかしい。
読んだ本について話すのも恥ずかしい。
しかしわたしはエンデである。
エンデとは作り上げられた人格であってわたしではないわたしなのだ。
つまり恥ずかしいことなんてなく、あるとしてもその恥はわたしの物でない。

というわけでわたしに強い影響を与えた本たちを適当に並べる。
子どもの頃から何度も読んだもの、最近知ったもの、一度しか読んでいないけれど印象が強すぎたもの、など。


ボッコちゃん

言わずとしれたボッコちゃん。
暑さ、というタイトルが忘れられなさすぎる。


未来いそっぷ

星新一ではこれに収録されているアリとキリギリスが一番好きかもしれない。


少年への性的虐待

3年ほど前に図書館でなんとか請求とかいうのをしてもらい、やっと読めた。これはすごい本であった。


冷え物

一昨年の夏が終わるころに読んだ。
感想はだいたい全部ここに書いた。

小田実さんは、わたしの知る限り唯一の日本人Berliner Kunstler作家である。


季節風シリーズ

春夏秋冬あるうち「冬」に収録されている「コーヒーもう一杯」に影響され、コーヒーはマンデリンしか飲まないというポーズをとったりもした。
春も夏も秋もぜんぶ良いです。季節ごとに読みましょう。


小さき者へ

「海まで」のカズキがどうしようもなくわたしで、何度も読んだ。
わかる、茄子って紫っぽい味がするよね。

ビートルズ、とも、応援団のお父さん。


卒業

あや、野口さん、ハルさん。
みんな愛おしくて、思い出すだけで泣いてしまう。
重松清さんの作品はほぼすべて読んでいたと言って過言ではない。
その中でもどうしようもなくわたしをおびき出すのがこれら。
わたしはなんだかんだで彼の描くものが大好きだ。


はてしない物語

読んだことのない人とある人との溝は、有機物と無機物との間の深淵ほど大きい。
映画はミヒャエル・エンデ本人が訴訟を起こすほど嫌ったらしいので観る価値ないかなと思ってます。
あの赤い表紙をひとり薄暗い部屋で抱えてこそ意味をなす本です。
なのでぜひとも観るのではなく読んでください。
フッフールやすべてを記録する長老が視覚できてしまうなんて耐えられないし、わたしは映画版を観ることなく生き死んでゆこうと思う。


モモ

モモのように人の話を聞けるようになりたい。
わたしの初恋は道路掃除夫ベッポかもしれない。
大人にこそファンタジーは必要なので、是非ともハードカバーで。


閉鎖病棟

これぞ精神科である。
ところどころ古すぎる描写はあるものの、精神科に入院するとはこういうことで、人間とはこういうもの。
ほんとうに良い本。


症例A

精神疾患がメインテーマではあるけれど、ストーリーがひたすら面白かったので門外漢のみなさんも是非。
ジェンダー的「?」がなくはないのが残念ポイントではある。

ぱっと思いつくのはこれくらいか
あとは定番すぎるけど

車輪の下

夜と霧

くらいだろう。


今後読みたい本リスト


雑多に放り込みすぎて自分でも把握できていない。
とりあえずリンクを貼っておくので、おすすめや必読があれば教えてください。

ああ恥ずかしい。

なんか蕁麻疹でてきた。やっぱり夜は寝なくてはいけないらしい。
おやすみなさい






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