子どもに授業を渡す挑戦
「授業力向上」で、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実をテーマに、研究員をしています。
個別最適な学びと協働的な学びにチャレンジする一歩を踏み出しませんか?|エンチャント先生@小学校 (note.com)
毎日ある算数をメインにまずは挑戦をしています。
他の教科でも、子どもが選択する機会を増やしています。
一斉に同じことをすることは、減らしています。
1.単元計画
子どもたちに配った単元ガイドプリントです。今回の単元でどう学んでいくかを子どもたちに知らせます。
2. 子ども授業の時間(協働的な学び)
子どもが先生役になって、学ぶ授業のことです。担当する子とは、事前にねらいの確認をしておきます。教えるのではなく、司会のような役割になり、子どもたちが順番に前に出てきて友だちに説明をしたり、自分の考えを発表したりします。指導編の教科書も子どもに使わせます。担当する子は毎事前に決定しておき、毎回違う子が担当します。今回は2名にしました。
基本の流れはあらかじめ、浸透させておきます。
既習事項の確認→問題を知る→めあてを立てる→立式→解き方の見通しをもつ→考え方を自分で考える→発表する→まとめる→練習問題をとく→計算ぐんぐんに取り組むなど。
3. 自分学びの時間(個別最適な学び)(教科内or複数教科から選ぶ)
内容とめあてを自分で決めて、学ぶ時間です。教科を指定してやる場合と、完全に自由にする場合がある。最後にふり返りを書きます。
4.「子ども授業」をやってみたふり返り
①子ども授業1回目をやった感想
<成果>
教師役を2名したことで、スムーズに進行できていた。
指導書通りに進めたことで、教師役の子は見通しをもって、授業をすすめていた。
子どもたちがいつも以上に、話を聞いていた。
教師が空くので、TTになり、支援が必要な子に個別指導ができた。
「めあて」「まとめ」、進め方など、担任教師のマネをするので、いつもの指導の習慣がまるまる見ることができるので、自分自身のフィードバックになる。
<課題>
重点に時間をかけられなかった。教師との事前打ち合わせのときに、もう少し詳しく流れを確認するとよかった。
まとめまではいったが、練習問題までできなかった。
教師がやらないことに果たしてどこまで意味があるのか考えたい。個人的には、継続していくことで上達し、自分たちで学ぶ意識が向上していくと信じたい。
②子ども授業の2回目をやった感想
2回目は、かなり失敗していました。
しかし、私は、失敗させるのも大事だと考えています。
事前の教師との打ち合わせを徹底するのは、「持続可能」ではないので、そこまで毎回手取り足取りの打合せはやらないことにしています。簡単に流れを確認して、板書や発問の分担を軽くする程度にしています。
もちろん、授業内容の指導についてはその後フォローをしました。
<成果>
わり算の文章問題の答えの書き方を、誤答から修正していく流れを子どもだけでできた。
<課題>
子どもが待つ時間が長かった。
めあての内容が、子どもたちに落ちていない。
あまりのある等分除と包含除の違いをはっきりと理解できた子が一部の子だけだった。(フォロー後、理解。)
③3回目の「子ども授業」の感想
あまりのあるわり算のたしかめの計算について、
なんでこの計算で、確かめることができるのかを考えるシーンでした。
今回もあまりうまくいきませんでした。
<成果>
教師役でない子どもたちが、先生役の児童の言いたいことをくみ取ろうとしてがんばっていた。
<課題>
事前に打ち合わせをして、指導書の「行間」を自分たちで考えるのが難しく、段取りを教師役2名でこそこそ話し合う時間が長くなってしまった。かといって、事前にしっかりと打ち合わせをするのは、「持続可能」でないので、よくない。(説明力がある子どもでないと、教師役に向かない。)
板書に書いた問題を書いただけで、ちゃんと読んで理解させるなどの教師が当たり前にやっているテクニックをうまくマネができなかった。
5.「子ども授業」子どもたちの感想
①「子ども授業」と「いつもの授業」、どっちが楽しい?
→子ども授業の方が楽しい。
②「子ども授業」と「いつもの授業」、どっちが分かりやすい?
→いつもの授業の方が分かりやすい。
③「子ども授業」と「いつもの授業」、どっちが意味がある?
→どっちも意味がある。
ある子の語りが印象的でした。
「うまくいかなくても、わかりにくくても、子どもがやることに意味がある。」
このセリフの通りだと思いました。うまくいかなくても、わかりにくくても、自分たちでやることに意味を見出して、自分たちの学びに責任を持つことが大切であると考えます。(もちろん、授業後フォローをはさんで、足りなかった説明をていねいにすることは大前提)
明日は、「自分学び」の時間です。2時間目です。「ただの自習」ではなく、「自分学び」になるように働きかけられるかが腕の見せ所だと思っています。
以上、エンチャントでした!
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