私の足はイタリア人
山に登るようになって数年
日帰りが主な万年ビギナー
私の知能レベルがすこし上がったお話である
数年目にして登山靴のソールが剥がれ始めたため
2足目を探す旅が始まった
とりあえず近所の神保町へ
店長さんに足を見てもらう
唸りながら一言いただく
「難儀な足をされてますね」
さすがはたくさんの足を見られている
私の足は幅広、甲高、外反母趾気味の3拍子が見事揃っている
幅広甲高は父譲り 遺伝とは恐ろしい
私は自分の足の構造に長らく悩まされてきた
気に入ったデザインの靴はことごとく入らず
大きいサイズを買い誤魔化していた結果 外反母趾
足の悩みは尽きない
加えて店長さん
「お客さんはしかもハイアーチなのが厄介ですね」
。。。。。いやはや、初耳である
そして4拍子になったことに絶望する
ハイアーチとは名前の通り土踏まずのアーチが高いことを示すようだ
しっかりアーチに沿わない靴を履くと、踵、母趾球、小指の付け根の
3点保持状態で歩くため疲れやすいとのこと
今までの私のモンベルの靴は日本人向けにできており、
日本人に多い扁平足向けに作られていることが多いそう
どうやら何年もの付き合いの私と相棒の相性は
そもそも合わない部分があったようだ
初めての靴だったため フィットすること がどの状態か無知な当時の私は
店員さんになされるまま、試着で痛みがないものを購入した
わからないことを人に聞くことを恥じた己のミスである
しかしながらラッキーなことにその相棒とは
足のトラブルなく 全ての山行を無事に終えられた
「それは奇跡ですよ、本当に」と店長さん
私の運がそこに使われていたとは
通りで仕事が荒れていたわけだ
そのお店で色々試着するが
難儀な私の足に合う靴は見つからず
他に店で試す試す
とうとう2つの候補に絞られた
それはスカルパとアゾロの靴
どちらもアーチが高めな設計で
フィットする という感覚を掴んだ
これらを履いてから今までのモンベルの靴を履くと
違和感が強く、履けなくなった
「そのふたつはイタリアのメーカーだけど
お嬢さんの足にあってるんだねぇ」
と年配の店員さん
(この方お嬢さんと言いながら私と父を夫婦と
間違うという、あげてから落とす天才であった)
私の足はまさかのイタリア人、、、、!!!
私は今新しい相棒と旅にでている
最初は靴擦れがひどく、自分の靴選びを何度も後悔したでもこの子と歩きたい その思いは原因を探らせる
どうやら基礎が抜けた万年ビギナーは
正しい歩き方が出来ていなかったようだ
新しい相棒は私に気付きを与えてくれた
改めて歩き方を意識して歩くきっかけとなり
私のイタリア風を吹かせる足は 少し成長したのだった
神保町の店長さんから短い時間でたくさんのことを学んだ
実は店長さんも靴の重要性を知らず、踝の痛みに長く苦しんだそう
フィットする靴を選ぶことの重要性を
若者へもっと知ってほしいとおっしゃっていたのでここに記す
日本人は西洋と比べ、幼少期からのインソールの使用が少ない
そのため若くとも正しく足が育たず、重心のバランスが崩れている
最近はスニーカーブームだが、インソールを取り替えられないものが多く
合わない靴は履き続けることでさらに悪化する
(家に帰って確認するとインソールを外せるのはPatrickだけだった)
脱ぎ履きが容易な靴は大きめのサイズであり、合っていないことが多い
靴の折り曲げ、真ん中で折れる靴を選んではいけない
指の付け根の位置で曲がるのが正解靴を正しく選ぶことは未来の自分への投資である
足腰が悪くなると改善は難しい
ぜひこの機会に ご自身の足と向き合っていただけたら嬉しく思う
ささやかではあるが 店長への恩返しになるだろう
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