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「世界に一つだけの商品」は地域の自慢になる可能性を秘めている

栗以外の素材を生産者から集め、地域のお客様に恵那川上屋しか手に入らない素材を提供するという活動は、信州長野のリンゴ農家、葛田様との出会いがきっかけになりました。

信州の珍しい素材で少量栽培している生産者を探しては職人を連れて伺います。数多くの素材と出会いましたが、その素材を見てその場で商品に結びつかせることができない素材は商品化されないという経験が身に付きましたので、必ず職人を連れていきます。

ある日のこと、葛田様から連絡が入り、松代に向かいました。そこは“あんず”の産地ですが、毎年霜や嵐に巻き込まれ収量の変動がありました。あるお宅へ訪問すると、老夫婦が収穫の真っ最中でした。

「お菓子屋さんにお菓子は出せない」と自分で漬けたシロップ煮を出してくれました。それを食べると杏仁の香りやあんずの程よい酸味と甘みがマッチしており、あまりの美味しさにスタッフともども出していただいたあんずを全てたいらげてしまいました。
 
おばあちゃんに「このあんずの品種は?」と聞くと「信山丸だよ」と教えていただき、この品種は地域の庭に一本づつくらい植わっているようで、たくさんの栽培はどこもしていませんでした。
 
この信山丸を毎年分けてほしいとお願いし、毎年収穫も手伝って、おばあちゃんのレシピ通りの商品を作ってきました。毎年入荷が不安定なので無い時もありましたが、大きな瓶と中くらいの瓶詰めを提供し、毎年夏までには完売してしまう人気商品になりました。
 
特に東京二子玉川店では、大きな瓶が好評でした。信山丸以外に違ったあんずも入荷し、ゼリーなどの加工も始まります。
 
世界に一つだけしかない商品は、地域の自慢になっていく可能性があります。

地域にとって豊かな食を提供できるように、コロナが収束した時にはまた旅に出たいと思います。


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