恵那川上屋

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恵那川上屋公式アカウントです。代表取締役/鎌田真悟の執筆マガジンや、お菓子の情報などを中心に発信しています。

マガジン

  • 鎌田真悟の栗人(くりうど)ジャーナル

    ㈱恵那川上屋 代表取締役 鎌田真悟が、お菓子、農業、ふるさとについて綴るマガジンです。

最近の記事

環境整備を礎に育む信頼関係

先日、スタッフからこんな言葉を掛けられました。 「ありがとうを口癖のようによく言われますよね?」 そう言われ思い返してみたのですが、「ありがとう」を頻繁に使うことは意識していなかったものの 『言葉使いを丁寧にする』という心がけは常に持っているなと感じました。 例えばですが、挨拶をするときは「おはよう」を使うよう心がけています。 おはよう。 こんにちは。 こんばんは。 「ございます」が語尾につくのは「おはよう」だけです。 他にも意識している言葉はありますが、丁

    • 思い出は強い感情と経験でより鮮明な思い出になる

      栗の収穫が最盛期を迎えています。 今年も生産者が丹精込め、育てた栗が実り、皆様に美味しく召し上がっていただけること、嬉しく思います。 栗は秋を代表する味覚の一つですが、栗の他にも秋が旬の食材は多数あります。 松茸をはじめとした「きのこ」も秋を代表する味覚の一つ。 「秋の味覚」という言葉で思い出深いのが「きのこ鍋」。 昔、仲間や家族と一緒にきのこ狩に行き、持ち寄った材料を入れて作るきのこ鍋に舌鼓を打ち楽しみました。 山の中ですので丁度、子供の背丈くらいに伸びた漆の木

      • 「自分なら」の想像が加われば物事はもっと面白くなる

        九州は栗の産地であり、種子島にも頻繁に足を運ぶ為、よく行く場所であり、大好きな場所です。 様々な魅力を持つ九州ですが、魅力を感じる理由の一つが本当に美味しい物だらけ。 美味しいものが溢れている場所という所もあると思います。 例えば熊本でよく行く小料理屋があるのですが、ここはいつ行っても、どの料理を食べてもとても美味しいお店で、 赤茄子の上に味噌を乗せて焼いた料理。 これに心を奪われました(笑) 赤茄子はヒゴムラサキという品種を使い、焼くと茄子の果肉が柔らかくとろけ

        • 仕事をするために大切なモチベーションと私が考える『働く』ということ

          みなさんは仕事で『ワクワク、ドキドキ』を感じていますか? 今回は私が考える【働くとは?】をテーマにお話させていただきたいと思います。 振り返ってみると社会人デビューした頃から、毎日ワクワク、ドキドキを感じて仕事をしていました。 「こうしたら作業が早くなるのではないか?」 「こうしたら相手に喜んでもらえるのではないか?」 「この仕事を自分ができるようになる為にはどうすれば効率が良いか?」 私にとってはいつか自分の店を持つこと。 そして、お客様が買いたい、おいしい、

        環境整備を礎に育む信頼関係

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        • 鎌田真悟の栗人(くりうど)ジャーナル
          46本

        記事

          まだ産物になりきれていない郷土の文化は各地にたくさんあります

          『朴葉寿司』をご存知ですか? 酢飯の上に色々な具材をのせ、朴葉という大きな葉でくるんだお寿司で、岐阜や長野、奈良などで見かける朴葉の香りが爽やかに香る、美味しい郷土料理です。 美味しい上に朴葉には殺菌作用があると言われ、作り置きができる上、食器を汚さず食べれることもあって、田植えなどの忙しい時期、とても重宝する食事でした。 ただ、私が子供のころ、田植えの時期に叔父の家に行くと大量の朴葉寿司が用意されていて、朝・昼・番・・・・ 毎日それを食べさせ続けられていたので、さす

          まだ産物になりきれていない郷土の文化は各地にたくさんあります

          私が思う『食』とは?

          みなさんは「食べること」はお好きですか? 私は好きです。   もちろん一流の素材、一流のシェフが創る味も素晴らしいと感動を覚えますし、幸福感を覚える新鮮な食との出会いは今でもあります。 ただ、どちらかと言えば身構えて食事をするお店よりも人情味の感じられる、肩肘張らずに食事ができるお店が好みだったりします。 多種多様なジャンル、国、食材、調理法で食を楽しんできた経験から、今もし、若い人に「食」に対してアドバイスを贈るのであれば、 「たくさん食べて欲しい」 この一言に

          私が思う『食』とは?

          生産者の新たな販売方法の模索と、共に目指す地域の活性化

          今までは処分していた栗の鬼皮の成分調査を依頼したところ、ポリフェノールを始め有用な成分が含まれていることがわかりました。 これを粉化し、さらには材料化することで、栗の風味をより高める為に使用したり、健康志向需要のニーズにお応えするお菓子を創り上げたりなど、今後、より有用に活用が進みそうです。  粉化は新たなブランドである「おかしな大地(恵那山ファーム)」にて、乾燥、焙煎、適温調理、真空濃縮、気流粉砕という5つの加工方法を使い、各地のブランド野菜、果実を粉化し、商品化も進ん

          生産者の新たな販売方法の模索と、共に目指す地域の活性化

          「産地間競争」から「産地間共創」へのシフト

          「地域の農業と食文化を発展させるために感性を磨く」というテーマを掲げ、私達は学び、行動してきました。 各地域でも同様の取り組みは進み、市場内の競争から地域間競争が生まれていきました。   地域の取り組みを広げ、より良い物を目指し、切磋琢磨することは大切だと思いますが、結果、どうなってきているか考えると、高齢化の回避ができず、人口減少の脅威に対しては身動きが取れていない状況に近いのではないかと感じます。   そして、これらの解決の糸口となるものが、文化や伝統的な技術を伝承

          「産地間競争」から「産地間共創」へのシフト

          地域イノベーションと地域観光について思うこと

          新型コロナで受けたインバウンドへの打撃は、全国的にはまだ回復途上かと思いますが、地域によっては既にコロナ前を上回る賑わいを見せる地域もあると耳にしました。 本日は地域イノベーションと地域観光について、私なりの思いをお話できたらと思います。  1930年、岐阜県可児市で美濃桃山陶の一種である「志野」の陶片が発見されました。 その後、陶片を発見した荒川豊蔵氏が美濃桃山陶復興に尽力されたことで文化は根付き、可児市を拠点とする陶芸家もおられます。  これはすごい地域イノベーシ

          地域イノベーションと地域観光について思うこと

          60周年。地域のお客様に支えられてここまで来ることができました

          2024年、恵那川上屋は60周年を迎えました。 栗を栽培を行い、栗のお菓子に集中してこれまで製造してきました。   60年を一つの節目として、3年前から、未来の名物を作っていくというテーマで試行錯誤してきました。   1つが新サブレ工場(旅する山の栞)の立ち上げ、2つ目がおかしな大地(甘い野菜をテーマにして加工)というブランドの立ち上げです。   その他にも多くの事業を立ち上げて、「これから」の60年に向けて歩み始めました。   美術館では「アートコンクール」を開始

          60周年。地域のお客様に支えられてここまで来ることができました

          規格外品は美味しいもので溢れています

          恵那川上屋でご紹介している「栗の渋皮煮」に使用している品種には強くこだわりがあります。 その品種が利平です。 多くの利平栗の中から3L以上の大粒栗を選び、渋皮煮を製造します。 なぜ利平という品種にこだわるかと言うと、超特選栗部会の女性陣にお願いして、全品種(10種ほど)の栗を同じ製法、同じ配合で渋皮煮を作っていただき試食会を行いました。   その中で圧倒的に一番美味しかったのが利平でした。  あまり大きくならない品種ではあるのですが、その中から貴重な大きなものだけを

          規格外品は美味しいもので溢れています

          日本の産地には世界に負けない食材で溢れている

          30年程前。 モンブランというケーキを作る際、フランスで学んだ職人はフランス産を使い、国内では甘露煮をつぶして作る黄色い色見のモンブランが当たり前でした。  栗きんとんは栗と砂糖だけで炊き上げて製造します。 これを使ってモンブランができないかと模索していました。  「和栗モンブラン」をストレートに出していくには自信がなく、フランス産ペーストと和栗を合わせて「栗山」というモンブランを出しました。   日本で手に入る輸入材料は、大きな問屋が仕入れ、地方の問屋に卸し、地方

          日本の産地には世界に負けない食材で溢れている

          あらゆる角度から見つめ、見いだしていく新たな可能性と価値

          栗の収穫が落ち着き、生産者は来年に向けて早くも動き出しました。 畑に感謝を込めてお礼肥をした後、栗の木の剪定が始まります。   10ヘクタールほどの団地で一人黙々と剪定をしていると「無音」の時間を経験できます。 静まり返った畑の中で鳥の声や、風の音を感じ取り、「無心」になって創造しながら、作業をしています。 時折現れる生産者仲間が、 「おい、どうや、今年は早く終われそうか」 などと話しかけてくれます。   そんな時、「無心」の私に、なぜか「人の温かさ」を感じ取ること

          あらゆる角度から見つめ、見いだしていく新たな可能性と価値

          サブレ、クッキーの『葉の形』に込めた思い

          恵那川上屋は創業から今に至るまで、たくさんの出会いを経験してまいりました。   人はもちろん、素晴らしい素材との出会い。 そして、そこから様々な品が生まれ育っていきました。 「おかしな大地」も出会いの中から生まれたブランドであり、急成長しています。 今、注目しているのが「ご当地サブレ」です。 「旅する山の栞」工場を立ち上げ、プレスして焼く設備を導入し、「ジャムジャーニー」の製造も始まりました。 サブレと同じく葉の形で真中にくぼみを作り、そこにジャムを流して包装していま

          サブレ、クッキーの『葉の形』に込めた思い

          「よそ者、若者、馬鹿者」が島でチャレンジして気づいたこと

          「よそ者、若者、馬鹿者」という言葉を聞いたことがあると思います。 地域活性化の成功法則として言われてきた言葉です。   この三つを備えたものが地域に訪れ、改革するイメージで、ふるさと応援隊みたいな人が各地にいます。 私の経験でお話ししますと、三つ備えた精鋭でも、なかなかうまくいかなくて諦めて帰っていくケースもよく見てきました。 種子島に渡ったとき、「誰もあなたを受け入れないでしょう」と何人にも言われました。 私が起こした行動は、博物館の館長を紹介され、4日間の時間を作っ

          「よそ者、若者、馬鹿者」が島でチャレンジして気づいたこと

          その土地に文化が根付くことで開く花

          「山ノ栞」というサブレを30年近く製造、販売してきました。 少々、もろく割れやすい生地ですが(笑)、私の自信作です。 昨年春に東海環状線の御嵩可児インター近くにある恵那川上屋咲久舎店の裏に、サブレのライン工場を建設し、稼働が始まりました。 このサブレ(山ノ栞)は製造工程で割れることは稀なのですが、店に搬入する度に数枚割れてしまいます。   悩みに悩んだ挙句、味を優先するために配合は変えず、今も製造しています。 販売開始当初。   割れたサブレを手に持ち、店の販売員が「

          その土地に文化が根付くことで開く花